【ほっこり・あったかになれる、オススメ絵本】こそだてまっぷの絵本棚

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【ほっこり・あったかになれる、オススメ絵本】こそだてまっぷの絵本棚

寒い季節は、おいしくてあったかいものが食べたくなります。
あったかいスープやふっくり肉まんなどが登場する、読み聞かせをしながらも、思わず「おいしそう!」「おなかすいた!」と思ってしまいそうな絵本を紹介します。
絵本のセレクトは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当で、エッセイストの越高綾乃さんです。

目次

2月号

ほっこり・あったかになれる、オススメ絵本

◆2~3歳向け! 『スープになりました』

作/彦坂有紀・もりといずみ 1,320円 講談社

【あらすじ】

まっかなトマトが描かれている表紙を開くと、おいしそうなにんじんが出てきます。あたたかいオレンジ色のにんじんが、次のページでは「とろーりスープに なりました」と、これまた、おいしそうなスープに変身! 「ごくっ」と飲んで、次のページへ。
すると、次に出てくるのはゴツゴツしたじゃがいも。丸ごとのじゃがいもも、その次のページでは「とろんとろんの スープになりました」。
さて、次は、どんな野菜が出てくるのでしょう。みなさんの好きなスープは出てくるかな?

 

【オススメポイント】

野菜と、その野菜で作ったスープが、交互に出てくるだけなのですが、その単純さが楽しい! スープが描かれたページでは、ぜひ子どもといっしょに「ごくごくっ」とスープを味わったつもりになりましょう。
木版画で描かれた野菜もスープも、ほっこりあたたかい雰囲気で、いかにもおいしそう!
読み終わったら、スープを飲みたくなることまちがいなしです。

◆3~4歳向け! 『せかいいちおいしいスープ』

文・絵/マーシャ・ブラウン 訳/こみやゆう 1,760円 岩波書店

【あらすじ】

はらぺこの兵隊3人は、たどりついた村で食べ物をもらえないかと頼みます。でも、兵隊に食べ物を分けたくない村人たちは、先回りをして食べ物を隠してしまっていました。そこで兵隊たちは、鉄なべと水、石ころだけを用意してもらい、石のスープを作りはじめます。石からおいしいスープができる? いったいどんな味がするんでしょうか。
興味津々な村人たちをうまく巻き込んで、兵隊たちが知恵をしぼって作ったスープのお味とは…?

 

【オススメポイント】

世界一おいしいスープっていったいどんなスープのことでしょうか…。「え?! 石を使ったスープのこと?!」とびっくりした人は、このお話に出てくる村人たちといっしょに、どうやって世界一おいしいスープができていくのかを見守りましょう。
兵隊たちに食べられてしまわないようにと、食料をあわてて隠した村人たちが、自分たちでは気がつかないうちに、兵隊たちのスープ作りに協力していく展開は、子どもにとってはとんちがきいていて笑えるところだと思います。でも、その滑稽さに大人はいろいろと考えさせられるかもしれません。そんなところも、このお話の味わい深いところだと思います。

◆4~5歳向け! 『チキンスープ・ライスいり』

作/モーリス・センダック 訳/じんぐうてるお 880円 冨山房

【あらすじ】

ちいさな男の子が毎月「チキンスープ・ライスいり」を楽しんでいる様子が1月から12月まで、12回くりかえされる、というユニークな絵本をご紹介。1月はスケートをはいて、氷の上でほっかほかのチキンスープ・ライスいりをすすり、2月は雪だるまといっしょに、雪だるまのお誕生日をチキンスープ・ライスいりでお祝いして…春夏秋冬どんなときでもチキンスープ・ライスいりは最高! 細かいことは考えず、奇想天外な12か月を楽しみましょう。

 

【オススメポイント】

センダックのユーモアたっぷりのイラストと、リズミカルな文章がとっても楽しい! どのページも最後の1文は「チキンスープ・ライスいり!」で終わるのが、くせになるおもしろさで、読み終わってからも呪文のように唱えたくなってしまいます。
とにかく、1冊丸ごと「チキンスープ・ライスいり」がどんなにおいしくって、すばらしい食べ物なのかを讃えているので、いつの間にか、「チキンスープ・ライスいり」のとりこになってしまいそう。

◆6歳以上向け! 『きょうはふっくらにくまんのひ』

作/メリッサ・イワイ 訳/横山和江 1,650円 偕成社

【あらすじ】

おばあちゃんのナイナイが「リリ、いっしょににくまんつくろうか?」と言ってくれたので、リリは大喜び。ほかほかでふっくらしている肉まんは、リリが世界一好きな食べ物なのです。ナイナイとリリは、手際よく、どんどん肉まんを作っていき、さぁあとは蒸すだけ! というところで、せいろの中にしくキャベツがないことに気がつきます。「6かいのバブシアからキャベツをわけてもらってきてくれる?」と、ナイナイに頼まれたリリはエレベーターで6階に行こうとしますが…。足りない材料を探しにアパート中を駆けずり回るリリの奮闘の成果は果たして!? そして最後にリリに起こる、大好きな肉まんづくりより特別な出来事とは?

 

【オススメポイント】

主人公の女の子リリとおばあちゃんの肉まんづくりを通して、同じアパートに住む世界各国の人たちとのあたたかい交流が描かれていて、読んでいると肉まんのようにほかほか心が和むお話です。寒い季節に食べたくなる食べ物といえば、肉まん! という方も多いと思いますが、そんな肉まんとともに、世界各国にあるダンプリング(小麦粉を練って作った生地に具を入れた料理)が5種類も出てきて、食欲と好奇心が刺激されます。リリが訪れる各階のお部屋のイラストにも注目! それぞれの国のダンプリングが少しずつ違っているように、お部屋のインテリアも国によって雰囲気が違って、それぞれに個性があってすてき。肉まんの作り方ものっているので、絵本を読んだあと、親子で肉まん作りを体験してみるのも楽しそうです。

 

来週の「こそだてまっぷの絵本棚」は、「春が待ち遠しい!」をテーマにした絵本を紹介します。
お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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