【まだ間に合う! 自由研究にもなる! 親子食育クッキング】「料理×科学」でおいしいサイエンススイーツレシピ

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【まだ間に合う! 自由研究にもなる! 親子食育クッキング】「料理×科学」でおいしいサイエンススイーツレシピ

夏休みも残り少しとなってきましたが、自由研究のテーマがまだ決まっていないと焦っているご家庭もあるのではないでしょうか。
そんな親子必見! 自由研究にピッタリの、科学も学べておいしく食べられる、「料理と科学」が組み合わされたサイエンススイーツのレシピをご紹介します。
まるで科学の実験のようなスイーツ作りが終わったあとは、お楽しみのおいしい時間が待っていますよ。

目次

あら不思議! 溶けないフルーツアイスキャンディ

溶けないフルーツアイスキャンディ。

【道具】
小さめの紙コップ(容量90ml)・・・6個
アイス用の棒・・・6本
アルミホイル・・・適量
※紙コップは商品の仕様(耐熱・耐冷温度など)をよくご確認ください。

【材料 6本分】
100%りんごジュース・・・300ml
砂糖・・・30g
粉寒天・・・4g
お好きなフルーツ・・・適量(スライスや角切りなど、好きな形に切る)

【作り方】

鍋にりんごジュース、砂糖、粉寒天を入れてかき混ぜながら中火で加熱し、沸騰したら弱火にして、さらに1分ほど加熱します。

☆粉寒天は温度が低かったり、加熱時間が短かったりすると、うまく固まりません。しっかり沸騰させて寒天を煮溶かしましょう。

紙コップにお好きなフルーツを入れて、少し冷ましたを注ぎます。

☆フルーツは薄くスライスして、紙コップの底面や側面にはりつけると、かわいく仕上がります。

紙コップにアルミホイルをかぶせ、中心に切り込みを入れたら、アイス用の棒を差し込んで固定します。

冷凍庫で5時間以上冷やし固めます。完全に固まったら、紙コップの底から上に押し出すようにして抜き取ります。

【科学的ポイント】

アイスなのに時間が経っても溶けない理由は、寒天を入れているため! 寒天はいったん固まると70度くらいの温度になるまで溶けない性質があります。このように、暑さに強く常温では溶けない寒天の性質を利用したのが「溶けないフルーツアイスキャンディ」の正体です。
夏場でも溶けるのを気にせずにゆっくり食べられるので、小さいお子さんにも食べやすいアイスキャンディです。

【もっと詳しく!】

お菓子作りでは寒天と同様にゼラチンも凝固剤としてよく使われます。では、なぜこのレシピではゼラチンではなく寒天を使うのでしょうか。同じ凝固剤でも寒天はいったん固まったあとに溶ける温度が70度くらいなのに対して、ゼラチンは25度くらいです。つまり、ゼラチンは暑い夏場だと常温で溶けてしまう可能性があり、「溶けないフルーツアイスキャンディ」には、ゼラチンではなく、寒天が適しているのです。

勝手に2層に分かれる! 魔法のムース&ゼリー

【材料 4個分】
100%オレンジジュース・・・300ml
生クリーム(動物性)・・・80ml
粉ゼラチン・・・5g
水・・・50ml
砂糖・・・50g
みかんの缶詰(飾り用)・・・4粒
ミント(飾り用)・・・適量

【作り方】

水を入れた小皿にゼラチンをふり入れて、ふやかしておきます。

鍋にオレンジジュースと砂糖を入れて中火で加熱し、沸騰する前(鍋のフチに小さな泡がプツプツと出てくるくらい)に火からおろし、を加えてかき混ぜます。

に生クリームを加えてさっと混ぜたら、グラスに注ぎます。

粗熱が取れて2層に分かれているのを確認したら、冷蔵庫に入れて2時間以上冷やし固めます。固まったら、みかんやミントを飾って完成です。

☆粗熱が取れるのを待っている間に2層に変化します。このときに揺らしたり衝撃を加えたりすると、層が混ざってしまうので、冷蔵庫に入れるまでは揺らさないようにそっと扱いましょう。

【科学的ポイント】

生クリームとオレンジジュースを混ぜたものが、自然と2層に分かれるのは、生クリームのたんぱく質(カゼイン)がオレンジジュースの酸に反応して、カゼイン同士がくっつき合い、モロモロとした小さな塊を作ります。この小さな塊の比重が軽いため、ゆっくり上に浮かんでくることで、自然に2層に分かれるのです。
上の層はクリーミーでムースのような食感、下の層はオレンジの甘ずっぱい味わいで、それぞれ食べてもいっしょに食べてもおいしいですよ。

【もっと詳しく!】

2層に分かれるためには、フルーツなどの酸が必要。つまり、オレンジジュースのほかにも、りんごジュースやぶどうジュースに、生クリームを加えることでも2層のゼリーを作ることができます。しかし、酸が含まれていないココアや紅茶などの飲み物では、2層にはならないことが予想できます。実際に、酸を含むドリンクと、含まないドリンクで実験してみてもおもしろいですね。

手作りカッテージチーズで作る! かんたんティラミス

【材料(13㎝×13㎝×5㎝の角型で作る場合)】

<カッテージチーズの材料>
牛乳・・・400ml
レモン汁・・・大さじ2

<ティラミスの材料>
カッテージチーズ・・・70g
生クリーム・・・100ml
グラニュー糖・・・20g
カステラ・・・3切れ(1㎝幅にスライスしたもの)
濃い目のココア・・・約80ml(ココアパウダー大さじ2、砂糖大さじ1、湯70mlを混ぜ合わせる)
ココアパウダー(仕上げ用)・・・適量

【作り方】

カッテージチーズを作ります。鍋に牛乳を入れて中火で加熱し、かき混ぜながら沸騰直前まで温めたら、火からおろします。

レモン汁を入れて、10秒数えてからゆっくりかき混ぜると、初めは無数の小さな粒が見えてきて、徐々にモロモロとした豆腐のような塊になっていきます。

ボウルに2枚のキッチンペーパーをしいたザルをのせたら、をお玉で少しずつ入れます。キッチンペーパーに残ったものがカッテージチーズです。

☆カッテージチーズを約100g作ることができます。このあと、ティラミス用に70g使用するので、残りはジャムをそえてクラッカーにのせたり、サラダに加えたりしてお召し上がりください。

ティラミスを作ります。で作ったカッテージチーズを氷水にあてたボウルに入れて、生クリームとグラニュー糖を少しずつ加えながらハンドミキサーで混ぜ、角が立つまで泡立てます。

容器にカステラの半量をしきつめて、濃い目のココアの半量をスプーンでたっぷり塗ってしみこませたら、の半量を上からのせます。

☆子どもも食べるので、コーヒーではなくココアを使用していますが、苦みを楽しみたいときは濃い目のコーヒーを使ってもOKです。

の工程をもう一度繰り返して2段重ねにしたら、最後に表面を平らにして上からココアパウダーを茶こしでふりかけて完成です。

☆好きな模様に切り取ったクッキングシートやレースペーパーをかぶせてからココアパウダーをふりかけると、かわいい模様をつけることができますよ。

【科学的ポイント】

あっという間にチーズを手作りできましたが、この仕組みは「勝手に2層に分かれる! 魔法のムース&ゼリー」と同じで、「たんぱく質(カゼイン)と酸」による化学反応です。牛乳に含まれるたんぱく質(カゼイン)がレモン汁の酸に反応してカゼイン同士がくっつき合い、白い塊ができます。この白い塊がカッテージチーズです。

【もっと詳しく!】

カッテージチーズを作る際にできる透明な液体は、乳清(ホエー)といって、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれています。これを捨てるのはもったいないので、スープやスムージーなどの料理に入れて活用しましょう。

スイーツ作りをしながら楽しくおいしく科学を学べるので、お子さんも進んで自由研究に取り組んでくれそうですね。子どもといっしょにサイエンススイーツ作りをお楽しみください。

この記事の監修・執筆者

食育アドバイザー 阿知和 梨香

あちわ りか/大手食品メーカーで10年間商品開発を担当し、数多くのヒット商品を発売。内閣府食品安全委員会の専門委員の経歴を持ち、現在は子ども料理教室「食育クッキング」を主宰。自治体主催のパパと子ども向け食育講座の講師や、企業で幼児食の開発アドバイザーとしても活躍している。

食育クッキングInstagram
https://www.instagram.com/shokuikucooking/

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