【「お風呂」であったか】/こそだてまっぷの絵本棚

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【「お風呂」であったか】/こそだてまっぷの絵本棚

みなさん、お風呂は好きですか? お子さんと入るお風呂、一人でゆっくり湯船につかる時間、大浴場の立ち上る湯気、芯まで温まる露天風呂…。
そんなお風呂や、見たことのないお風呂まで!? 「お風呂」をテーマにした絵本をラインアップしました。
絵本セレクトは、絵本専門士で、NPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師、現役の保育士でもある、遠藤裕美先生です。

目次

1月号

「お風呂」であったか、オススメ絵本!

◆2~3歳向け! 『にんじん だいこん ごぼう』

にんじん だいこん ごぼう

再話・絵/植垣歩子 990円 福音館書店

【あらすじ】

今では赤いにんじんと、真っ黒なごぼうは、もともとは白い色をしていたんですって。
土で大きな山を作ってトンネルを掘って水を流して、楽しそうに遊ぶ3人は真っ黒になってしまいます。家に帰ってお風呂に入るのですが…。どうして今みたいな色になったのかな? 昔話が、シンプルにわかりやすく描かれています。

 

【オススメポイント】

この絵本に登場する、にんじん、だいこん、ごぼう。思いっきり泥遊びをしている姿や、お風呂に置いてあるかわいいおもちゃなど、見ている子どもたちが身近に感じる存在になっています。
元の昔話を知らない子がほとんどで、にんじんとごぼうが昔は白かったという話を聞くと、「え~っ!!」という声がすぐに返ってきました。読み進めて、にんじんが赤い理由に気づき、だいこんの入浴を見守り、ごぼうが黒い理由を想像できた子が多く、ごぼうの入浴のページで盛り上がっていましたよ! この絵本を読んだあとに、実際の野菜を見ることができたら楽しいですね!
ちょっと懐かしくなるようなレトロな小物、お風呂に置かれた「さらさら やさいシャンプー」「つやつや やさいリンス」など、遊び心が見られる部分にも注目です!

◆3~4歳向け! 『おもちのおふろ』

おもちのおふろ

作/苅田澄子 絵/植垣歩子 1,320円 Gakken

【あらすじ】

寒い日に、おもちのもーちゃんとちーちゃんはお風呂屋さんへ出かけます。「ぽかぽかのゆ」は、たくさんのお客さんで大にぎわい! 同じおもちの仲間だけではなく、お寿司やパン、いろいろな野菜たちもお風呂を楽しみに来ています。お風呂の種類がとってもユニーク。どんなお風呂があるのかな? お風呂の種類に思わず納得です!

 

【オススメポイント】

どんなお風呂があるのかな~と読み進めてみると、最初に登場したのは「しょうゆの あしゆ」。しょうゆと聞いて、思わず「えぇ~」っと声が上がっていましたが、入っていたのはお寿司たち。思わず納得の子どもたちでした!
パンが入っているのは、トースターサウナ。パンがお風呂に入ってしまったら、おいしくなくなってしまいますよね♪ サウナを楽しむパンたちの様子に、見ているこちらもほのぼの温かな感じになりました!
何やら事件も起こりますが、寒い日にはピッタリのあったか絵本です。たくさんのおいしそうな食べ物が登場するので、「これ好き!」「食べたことある~」と盛り上がっていましたよ。個人的には、入浴料が食べ物ごとに違っているところがツボにハマっていて、値段設定が気になっています。

◆4~5歳向け! 『ぼくのおふろ』 

ぼくのおふろ

作・絵/鈴木のりたけ 1,430円 PHP研究所

【あらすじ】

毎日入るお風呂。たまには違うお風呂に入りたいって思ったことはありませんか? 迷路のお風呂・でんしゃのお風呂・チョコ風呂などなど、男の子の想像は広がります。飛行機好きのお兄ちゃんと、空飛ぶお風呂に乗って夜空へテイクオフ! 楽しい冒険が始まると思ったら、お風呂の栓が盗まれて…。犯人を捕まえろ! と、絵さがしも楽しめる絵本です。

 

【オススメポイント】

絵本の見返しも含めて、とにかくたくさんのおふろが出てきます。毎日入っているお風呂だからこそ、違うお風呂を想像してみるのは楽しいですね! 「これはなんのお風呂?」というように、一つひとついっしょに確認しながらじっくりと時間をかけて楽しむ子が多い絵本でした。「入ってみたい!」「これはいやだ~」など、会話も広がりますよ。
また、この絵本では、絵さがしも大きな楽しみになっています。大切なお風呂の栓を盗んだ「もじゃもじゃあたまの サングラス」を、お子さんとどちらが先に見つけられるか挑戦してみましょう! カバーの袖にも、絵さがしのアイテムがたくさん載っていますよ。

◆大人向け! 『パンダ銭湯』

パンダ銭湯

作/tupera tupera 1,430円 絵本館

【あらすじ】

番台に、「パンダ以外の入店は、固くお断りしています」とはり紙がはってある銭湯があるんです。パンダのためのお風呂屋さんです。なぜパンダだけしか入れないのでしょうか…? 知られていなかったパンダの秘密が今明かされます! ページをめくるたびに、目が真ん丸になるかもしれません。知った秘密は、ご内密にお願いします♪

 

【オススメポイント】

タイトルから、パンダの家族がほのぼのとお風呂に入るようなお話を想像していましたが、そこは遊び心満載のtupera tuperaさん! 子どもに読む前の下読みで、「ふふっ」と思わず笑いが出ました。「そうきたか」の笑いです。一気に引き込まれてしまいました。詳しく言いたいのですが、そこは読んでからのお楽しみ。
古きよき昔の銭湯の様子や、湯船の中での父と息子のちょっと大人な会話、脱衣所にはられたカレンダーやポスターなどなど、子ども以上に大人が楽しめる要素がいっぱいかもしれません。
数年前に原画の展覧会に行ってきたのですが、銭湯の様子が再現されていたコーナーでは、お子さん以上に大人の方が楽しそうに写真を撮っていましたよ! 子どもたちが絵本を読んで感じるワクワク感を、ぜひこの絵本で感じてみてください。

次回(1月28日更新)は、「節分」をテーマにした絵本を紹介します。お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

絵本専門士・保育士  遠藤裕美

絵本専門士7期生。NPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師。現役保育士として、絵本を取り入れた保育を実践している。地域の読み聞かせボランティアの経験も多数。保育雑誌や書籍にて、絵本のセレクトや、執筆も行っている。監修書に『年齢別! 子育てママ&パパの頼れる絵本193』(ユーキャン)。

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