【寒い冬でも心はポカポカ】こそだてまっぷの絵本棚

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【寒い冬でも心はポカポカ】こそだてまっぷの絵本棚

寒い季節は、てぶくろやマフラー、コートや帽子など、身に着けるものがたくさんあってすてきですよね。そこで、「冬の装い」をテーマにした絵本のご紹介です。
絵本のセレクトは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当で、エッセイストの越高綾乃さんです。

目次

12月号

「冬の装い」がテーマのオススメ絵本

◆2~3歳にオススメ 『ゆきのひはあついあつい』 

文・絵/いわむらかずお 1,320円 至光社

【あらすじ】

さむいさむい冬の朝。森に雪がつもって、こりすの「ぱろ」と「ぴこ」と「ぽろ」は大喜び。朝ごはんの後に、そり遊びをしようと大はりきり。くつした、ぼうし、てぶくろ……と、たくさん着込んであたたかくして外でそり遊びをはじめました。「さむいさむい」とストーブの前にいたお父さんも、みんなによばれて、ぼうしにてぶくろ、オーバー、マフラーまでつけて、しぶしぶ外に出てくるのですが…。

 

【オススメポイント】

冬の日に、もこもこと厚着をしたこどもの姿って、なんともいえずかわいくって、見ているだけでにこにこしてしまいます。でも、全力で遊んだこどもたちは、このお話のこりすたちのように「あついあつい」とせっかく着込んだものを脱いでしまいますよね。さむがってストーブの前から動きたくないと言っていたお父さんも、いそがしいからダメと言っていたお母さんも加わって、最後には大人もこどももみんなでいっしょに楽しく遊ぶという展開もほほえましく、読んでいるとこちらまでポカポカあたたかい気持ちになります。

 

3~4歳にオススメ 『てぶくろ』 

ウクライナ民話 絵/エウゲーニー・М・ラチョフ 訳/内田莉莎子 1,100円 福音館書店

【あらすじ】

おじいさんが森の中に落としていったてぶくろ。森の動物たちが、つぎつぎにやってきて、てぶくろの中に住みはじめます。てぶくろの中は満員! ぎゅうぎゅう詰めになっていき、今にもはじけてしまいそう。そこに、てぶくろを落としたことに気がついたおじいさんが、探しにもどってきて…。

 

【オススメポイント】

さむそうな雪の降る森の中、おじいさんが落としたてぶくろは、とってもあたたかそう。森の動物たちが、この中でぬくぬくあたたまりたくなる気持ちもわかります。こんなにたくさんの動物が、どうやってこのてぶくろの中に入るの⁈ と思うのですが、なんとかぎゅうぎゅうになって、てぶくろにおさまっているどうぶつたちを見ると、おかしくってかわいくって、ついつい笑ってしまいます。なんといっても、ラチョフのイラストがすてきなこの絵本。動物たちの表情の豊かさや、それぞれがウクライナの民族衣装を着ているところなど、見どころもたくさん。この季節に、こどもとゆっくりじっくり楽しんでください。

4~5歳にオススメ 『てぶくろがいっぱい』 

文/フローレンス・スロボドキン 絵/ルイス・スロボドキン 訳/三原泉 1,320円 偕成社

【あらすじ】

ネッドとドニーはふたごです。ある日、ドニーがてぶくろを片方なくしてしまいました。ドニーが落としたてぶくろは、すぐに見つかったのですが、ドニーが赤いてぶくろをなくしたと聞いた近所の人たちが、落とし物の赤いてぶくろを次々にふたごの家に届けてくれ、いつの間にか引き出しの中はてぶくろでいっぱいに! こんなにたくさんのてぶくろ、いったいどうしたらいいのでしょうか。そこで、ドニーがてぶくろを落とした人のもとに返してあげるよい方法を思いつきます。その方法とは…。

 

【オススメポイント】

冬になると、道の端っこにこどものてぶくろが落ちているのを見ることが時々あります。私自身もてぶくろを落としてなくした経験が何度もあるので、そんな光景を見ると他人ごととは思えず、なんだか切ない気持ちになっていました。でも、この絵本を読んでからは、落とし物のてぶくろたちが、ネッドとドニーの家の裏庭で、物干しロープにずらりとぶら下がっている様子を想像するようになりました。そうすると、少し気が晴れてくるから不思議です。もし、お気に入りのてぶくろをなくして落ち込んでいるこどもが近くにいたら、読んであげてほしいなと思います。

6歳以上にオススメ 『ふゆのコートをつくりに』 

文/石井睦美 絵/布川愛子  1,430円 ブロンズ新社

【あらすじ】

しんとしずかな朝、うさぎの「さきちゃん」は目がさめて窓の外を見てびっくり! 外は一面の雪景色だったのです。早く外で遊びたいさきちゃんのために、お母さんが自分のコートをくれました。でも、お母さんのコートは、さきちゃんにはまだ大きいみたい。そこで、仕立て屋さんのミコさんに頼んで、お母さんのコートをさきちゃん用に仕立て直してもらうことになりました。どんなコートが出来上がったのか、楽しみですね。

 

【オススメポイント】

冬になり、お出かけするにはあたたかいコートが必需品。読むと冬の支度がうきうき楽しみになってくるお話です。

新しいコートを買ってもらえるのもうれしいけれど、お母さんの思い出の詰まったコートを、自分用のコートに仕立て直してもらえるなんてとってもすてきですよね。ボタンを選んだり、生地を選んだりする場面では、思わず「私だったらどれにしようかな?」と、さきちゃんといっしょに真剣に悩んでしまいます。読んだあとは、自分の理想のコートを考えてみるというお楽しみも!

次回、1月の「こそだてまっぷの絵本棚」の絵本セレクトは、遠藤裕美さんです。お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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