【雪遊びが楽しい冬こそ読みたい!】こそだてまっぷの絵本棚

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雪がたくさん降っている所でも、まだあまり降っていない所でも、子どもたちの冬の楽しみと言えば「雪遊び」ですね。
そんな「雪」や「雪遊び」などをテーマにした絵本を紹介します。
絵本のセレクトは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当で、エッセイストの越高綾乃さんです。

目次

2月号

「冬」「雪遊び」をテーマにしたオススメ絵

◆2~3歳向け! 『ゆきのひの うさこちゃん』

『ゆきのひの うさこちゃん』の表紙。

文・絵/ディック・ブルーナ 訳/いしいももこ 880円 福音館書店

【あらすじ】
雪がたくさん降りました。うさこちゃんは、急いで帽子をかぶり、長靴をはき、えりまきに手袋をして、外に遊びに行きます。さっそく、そり滑りにスケート、雪だるま作りと、冬の遊びをたっぷり楽しんだうさこちゃん。それから、おうちがなくて泣いている小鳥に出会いました。小鳥のためにできる、いいことを思いついたうさこちゃんがしたことは…?

 

【オススメポイント】
この絵本を手に取って、まず目に入ってくるのは、なんといっても表紙にいる、うさこちゃんのかわいらしさではないでしょうか。冬支度をしたうさこちゃんが雪の中で遊んでいる様子をながめているだけでも、とっても楽しいのですが、それだけではなく、自分より小さいものを守ってあげるうさこちゃんの姿にもじーんとします。読み終えたら、ますますうさこちゃんのことが好きになってしまいます。

◆3~4歳向け! 『ゆきのひ』

『ゆきのひ』の表紙。

作・絵/エズラ・ジャック・キーツ 訳/木島 始 1,320円 偕成社

【あらすじ】
冬のある朝、ピーターが目を覚まし、窓の外を見ると、そこには雪景色が広がっていました。朝ごはんを食べて、外に出たピーターは、雪の中で思いっきり遊びます。まっさらな雪の上をきゅっきゅっきゅっと歩いて足あとをつけてみたり、足をひきずってすじをつけてみたり、棒で木に積もっている雪を落としてみたり。雪合戦にも仲間入りし、雪だるまを作り、山のぼりごっこをして、雪のなかでめいっぱい遊びます。夜になり、ピーターは眠りのなかで雪が解けてしまう夢をみました。でも、翌朝になり起きてみると、また新しい雪が降っていたのです!

 

【オススメポイント】
雪が降ったら、まずこの絵本を思い出すくらい、わたしにとって印象的な1冊です。雪合戦やそり遊びだけでなく、まっさらな雪の上に、いろいろな歩き方をして足あとをつけてみたり、棒ですじをつけてみたり…子どもが思いつく、単純ではあるけれど、雪の日にしかできない遊びをピーターがやっているところがお気に入り。子どもは、自分もピーターのように遊びたくってウズウズし、大人はなつかしくってほほえましくてニコニコしてしまうのではないでしょうか。キーツさんの切り絵も美しく、記憶に残ります。

◆4~5歳向け! 『ゆきがやんだら』

『ゆきがやんだら』の表紙。

作・絵/酒井駒子 1,320円 Gakken

【あらすじ】
雪がいっぱい降ったので、きょうは園もお休み。ベッドからとびおりて、外に出ようとしたぼくは「ゆきが やむまで そとに でちゃだめ。」とお母さんに止められてしまいます。
遠くにお仕事に行っていて、きょう帰ってくるはずだったお父さんも、雪のせいで帰ってこられなくなりました。寒くて静かな雪の降る世界は、いつもとなんだか違って見えます。夜になってようやく雪がやみ、いつもは寝る時間だけど、特別にお母さんと2人で外に出てみると…。

 

【オススメポイント】
静かに味わう雪の日のお話。見慣れた場所が、雪が降り積もることで普段とまったく違う場所に感じられることってありますよね。しんしんと積もる雪を見ながら、こうさぎの「ぼく」が、「ぼくと ママしか いないみたい、せかいで」と思うところなどは、共感できる人も多いはず。楽しいだけではなくって、ちょっぴり心細くなるような、大雪の日の独特な空気感がていねいに描かれています

 

◆5歳以上にオススメ! 『こうさぎと4ほんのマフラー』

『こうさぎと4ほんのマフラー』の表紙。

作/わたりむつこ 絵/でくねいく 1,760円 のら書店

【あらすじ】
うさぎまちに雪が降り、4匹の子うさぎきょうだいの住んでいる家も、雪にうもれてしまいました。そんなとき、おばあちゃんからすてきな手編みのマフラーが届きます。ようやく、雪がやみ、それぞれに好きな色のマフラーをまき、はりきって三日月湖にそり遊びに出かけた4匹。ついでに、ぶなの木のぶなじいに会いに行こうと思いついて森の中に入っていくと、とても不思議なことが起こり…。

 

【オススメポイント】
美しい四季の自然のなかで、「とび」「くるり」「こみみ」「かりかり」の4匹の子うさぎのきょうだいが、いきいきと生活している様子が描かれている人気シリーズの冬のお話です。どのページにも、うさぎたちの生活ぶりがこまやかに描かれていて、絵を見ているだけで楽しめるのがこのシリーズの魅力のひとつ。特に、こうさぎたちが不思議な出来事に出会う場面は、とても幻想的で美しく、うっとりしてしまいます。
最初はそっくりに見える4匹ですが、読んでいるうちに、それぞれに性格が違っていたり、お気に入りの色が決まっていたりすることが発見でき、よりうさぎたちへの愛着が増すことでしょう。

来週の絵本棚では、「ほっこり・おいしい」をテーマにした絵本を紹介します。
お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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