【たまった傘を3本持って下校】持ち帰り忘れは防止できる?

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傘、水泳バッグ、給食セット……子どもが学校から持ち帰る事を忘れて、困っている保護者の方も多いのではないでしょうか。
家庭でできる防止策について教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

傘、水泳バッグ、給食セットなどが・・・

7月くらいになると、1年生の子どもたちもかなり小学校に慣れてきます。 
すると、学校に忘れ物をすることが増えます。 
つまり、家から学校に持ってきた物を持ち帰らずそのまま学校に忘れていくのです。

そのせいで家に帰る度に叱られる子もいます。

よくあるのがお箸や布巾などの給食セットです。 
これは机の横に掛けてあることが多いので、忘れやすいようです。

金曜日などには上靴を忘れていく子も多いです。

傘を忘れる子も多いです。 
朝は雨模様だったけど帰りは晴れていた、などというときは本当に多いです。 
このパターンのお天気が続くと、靴箱周辺の傘置き場は悲惨な状態になります。 
たまった傘を3本くらい持って下校する子もいます。

体育着、水泳着とタオルなどもよくあります。 
使った水泳着やタオルを長時間そのままにしておくと、カビが生えやすくなります。 
においもすごいことになります。

下校途中に気づいて取りに来る子もいます。 
でも、こういうとき子どもは急いで走ってくるのでかなり危険です。 
慌てたり急いだりしているとき、子どもは視野が狭くなり周りが見えにくくなるからです。

関連記事:【たった3つ試しただけ】子どもの「忘れ物」を減らすために/けえこ@ほわわん子育て絵日記

学校でできる工夫

こういったことを防ぐために先生たちもいろいろな工夫をしています。 
私がやっていたのは、帰りの会の時に係の子が確認の指示を出す方法です。 
ちゃんと持ち帰る物を持ったか聞いて、しかも隣の子も持ったかをお互いで確認させていました。

係の子「給食セットを入れましたか?」
みんな「はい、入れました」
係の子「隣の人が入れたか見てください」
みんな「はい、見ました」
係の子「水泳バッグは持ちましたか?」
みんな「はい、持ちました」
係の子「隣の人が持ったか見てください」
みんな「はい、見ました」
ある子「先生、先生、ゆうちゃんが水泳バッグが見つからないって言ってます」
「みんなで探してあげて」
別の子「先生、廊下にゆうちゃんの水泳バッグが落ちてました」
別の子「先生、ベランダにもゆうちゃんの水泳バッグがありました」
別の子「先生、本棚の横にゆうちゃんの靴下がありました。カチンカチンに固まってました」

家でできる工夫

さて、親としてはどうしたらいいでしょうか? 
ただ口で叱るだけでは、できるようになりません。

子どもが忘れなくて済むような工夫をすることが大切です。 
例えば次のような方法があります。

持ち帰る物を付箋紙に書いて数カ所に貼っておく

例えば「すいえいバッグ」と書いた付箋紙を、 
予定帳、ランドセルの蓋の内側、靴の中などに貼っておきます。

朝、家を出る前に、持ち帰る物の名前を10回唱えさせる

「水泳バッグ、水泳バッグ、水泳バッグ・・・」というように、 
大きな声で10回唱えて頭に刻み込みます。

あるいは、もう少し具体的に場面を決めて 
5回言うのもいいでしょう。 
「帰りの仕度のとき上靴をカバンに入れる。 
帰りのしたくのとき・・・」というようにです。 
そのとき、その場面を思い浮かべながら 
言うようにするとさらに効果的です。

イメージトレーニング 

これは、自分がその行動をしている様子を 
イメージ化して頭に焼き付ける方法です。 
朝、子どもに目をつぶらせて次のように言います。 
「授業のあとで帰りのしたくをしているところを 
思い浮かべてごらん。今、カバンの中に何を入れてる?」 
「ええと、教科書とノート」 
「水泳バッグは今どこにあるの?」 
「後ろのロッカーの中」 
「じゃあ、ロッカーに水泳バッグを取りに行くところを思い浮かべてごらん」 
「うん、思い浮かべた」 
「取りに行くところをはっきり思い浮かべながら、 
『水泳バッグを忘れずに取りに行くぞ!』って決意してごらん」

このようなイメージトレーニングをしておくと、実際にその場面になったとき思い出しやすくなります。

みなさんもいろいろ工夫してみてください。 
親子で一緒に作戦を立てるのは、けっこう楽しいと思います。 
グッド・アイデアが見つかるかも知れません。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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