【七五三シーズンに読みたい絵本】/こそだてまっぷの絵本棚

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【七五三シーズンに読みたい絵本】/こそだてまっぷの絵本棚

もうすぐ七五三の参拝シーズンですね。
お子さんの健やかな成長をお祝いしながら、いっしょに読みたい絵本を紹介します。
絵本のセレクトをしてくださったのは、絵本専門士でNPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師、現役の保育士でもある、遠藤裕美先生です。

目次

「七五三」がテーマのオススメ絵本

2~3歳向け 『おおきくなったの』

文/すとうあさえ 絵/つがねちかこ 1,045円 ほるぷ出版

【あらすじ】
ねずみちゃん、うさぎくん、まあちゃんは、みんな赤ちゃんでした。ミルクをいっぱい飲んで、いっぱい泣いて、いっぱい抱っこされて大きくなりました。今日はすてきなお洋服を着て、どこに行くのかな?

 

【オススメポイント】
初めて七五三を迎える3歳の子どもたちにもわかりやすいことばでお話が描かれています。ねんねのころから、公園で元気に遊べるくらい大きくなった姿まで、みんなに見守られて、愛されて大きくなったんだなあということが伝わってきます。

「ごはんを たくさん たべて、こんなに おおきくなったの」。

子ども自身も、まあちゃんたちに共感する気持ちを味わえることでしょう。七五三を経験をした子も、これから経験する子も、大きくなったことに喜びを感じながら読めるお話です。

◆4~5歳向け 『みんな げんきで 七五三』

作/寺村輝夫 絵/いもとようこ 1,320円 あかね書房

【あらすじ】
『くりのきえんのおともだち』シリーズです。
季節が秋になり、急に寒くなりましたが、子どもたちは元気いっぱいに過ごしています。わんすけくんの小さくなった洋服から、ボタンがはじけてどこかへ飛んでいってしまいました。そのまま忘れ去られてしまったボタンは、あるすてきなことを思いつきます。

【オススメポイント】
秋になって、春先に着ていた長袖を着ている子を見て、「あれ? 洋服が小さくなってる」と気づくことが多く、子ども自身も「なんか、きつくなってる!」と感じているようでした。まさにこの絵本のお話と同じことを経験している子どもたち。今の時期には、より身近にこの絵本を感じられると思います。
はじけ飛んでしまったボタンが、みんなのお父さん、お母さんの夢の中に入って、成長のお祝いといっしょに“あるお願いごと”をするのですが…、はたしてその願いは叶ったのでしょうか?
七五三当日の描写では、スーツや着物、ドレスを着た子どもたちが描かれています。「これ着たよ!」そんな声がたくさん聞こえてきた絵本でした。七五三のお参りの日の、登場人物のうれしそうで誇らしげな姿をお楽しみに♪

◆6~7歳向け 『七五三だよ 一・二・三』

作・絵/長野ヒデ子 1,430円 佼成出版社

【あらすじ】
お姉ちゃん7歳。ゆうちゃん5歳。ゆりちゃん3歳。きょうだいそろって七五三です。家の中にお参りのための着物が並びました。
七五三ってどんなお祝いなのかな? おばあちゃんがやさしくみんなに教えています。家族3世代がそろってのお祝いの一日が、ほのぼのと描かれています。

【オススメポイント】
七五三で身にまとう着物を中心に、お祝いの日の様子が描かれています。
「七五三はね、げんきにおおきくなりました、ありがとうございますって、かみさまにおまいりするのよ」。おばあちゃんが、みんなにわかりやすくシンプルなことばで伝えていて、見ていた子どもたちも理解しやすいようでした。
3歳のお祝いの由来となった、髪を伸ばし始める儀式の「髪置き」ということばなど、わたし自身も詳しくは知らなかったことばかりで、大人もいっしょに「なるほど!」と感じられるお話ですよ!
おばあちゃん、おじいちゃんもいっしょの家族3世代がそろって、正装でお参りに行く姿にほっこり。みんなで成長を喜びたくなる一冊です。お参りの前に写真撮影で着物を着た子も多く、自分に重ねて見ているようでした。

◆大人向け 『あなたの すてきな ところはね』

絵/えがしら みちこ 作/玉置 永吉 1,320円 KADOKAWA

【あらすじ】
成長していく子どもたちへどんなことを伝えたいですか?
この絵本では、「あなたの すてきな ところはね」と、たくさんのすてきなところを子どもに伝えています。

—あなたのすてきなところはね…
おひさま みたいな ぽかぽかの えがお。
きらきら かがやく すてきな め。
ゆきのような すなおな こころ。
「ここにいてくれて ありがとう」

我が子の成長をそっと見守って、応援している気持ちがあふれている絵本です。

【オススメポイント】
—ぎゅっとつないでくれる小さな手は、なんでもつかんでいける。
それでも不安になったなら、手をつなごう。
スキップしちゃうかわいい足は、ウキウキがどんどん続いていく。
よりみちしても、まっすぐじゃなくてもいい。

こんな、そっと見守っているような声かけがすてきな一冊です。
「あなたが きょう ここに いる っていうこと」
この絵本で最後に伝えているすてきなところです。これって、子どもだけでなく大人にだって言えることだと思います。七五三という行事を前に、あらためて子どもの成長を感じるところがあると思います。すてきなところをお子さんと楽しくシェアしつつ、大人だって、今ここにいることがすてきなことなんだなと感じられる絵本ですよ。

次回(11月18日更新)は、「紅葉、落ち葉」をテーマにした絵本を紹介します。
お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

絵本専門士・保育士  遠藤裕美

絵本専門士7期生。NPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師。現役保育士として、絵本を取り入れた保育を実践している。地域の読み聞かせボランティアの経験も多数。保育雑誌や書籍にて、絵本のセレクトや、執筆も行っている。監修書に『年齢別! 子育てママ&パパの頼れる絵本193』(ユーキャン)。

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