【「あいさつ」をテーマにした新生活にぴったりの一冊】こそだてまっぷの絵本棚

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【「あいさつ」をテーマにした新生活にぴったりの一冊】こそだてまっぷの絵本棚

4月になり、新生活がスタートしました。そこで、新しい先生や友だちと交わす「あいさつ」をテーマにした絵本を紹介します。
絵本のセレクトをしてくださったのは、絵本専門士で絵本セラピスト®の鳥山由紀先生です。


目次

4月号第1回

「あいさつ」をテーマにした新生活にぴったりの一冊

2~3歳向け!『こんにちは、ばいばい』

作/サトシン 絵/北村裕花 1,430円 神宮館 

【あらすじ】
いいお天気で、ぼくはママと散歩にお出かけ。
森を歩いていくと、「ちゅーちゅーちゅー」「にゃーん」「わんわん」「ぽんぽこぽん」と鳴き声が聞こえてきます。ページをめくると、動物が登場。「こんにちは」とあいさつ。そして「ばいばい」とおわかれのあいさつをして、またママと散歩を続けます。いろいろな動物たちに出会える楽しい散歩です。

【オススメポイント】
ページをめくって動物に出会ったら、親子でいっしょに「こんにちは」と声に出して言ってみましょう。
あいさつすると気持ちいい!  出会うたびに「こんにちは」「ばいばい」と、ただそれだけの繰り返しですが、声に出して読めば読むほど、なぜかうれしくなってきます。また、次々にいろいろな動物が登場するのも楽しいです。
鳴き声をヒントに、「だれかな?」とあてっこ遊びをするのもいいですね。最後は出会った動物たちの手(足?)がずらり。これもまた「こっちはだれだったかな」と言いながら前のページに戻ってみたりと、何度も楽しめます。夕焼け空の下、家に帰るころには、なんだかとても充実した散歩に行ってきた気分になりますよ。


◆3~4歳向け!『はじめまして』

作/新沢としひこ 絵/大和田美鈴 1,320円 鈴木出版

【あらすじ】
ねこ、ぞう、ピアノ、いす、女の子、男の子が歌に合わせて自己紹介。自分の自慢したいところや、大好きなことをアピールします。
「はじめましてのごあいさつ♪」と、登場するときにはちょっとはずかしそうにしていても、自分をアピールする場面では、自信満々の表情でとても気持ちよく歌っています。
シンガーソングライターの新沢としひこさんが作曲した楽譜付きです。

【オススメポイント】
リズミカルで、歌のメロディーも覚えやすく、かんたんなので、ぜひ声に出していっしょに歌ってください。
ページをめくったときのみんなの誇らしげな表情が、絵本から飛び出してきそうな勢いです。いっしょになって踊り出したくなりますよ。また、はっきりした色合いの絵も元気が出てきます。
クラス替えや新しい環境に少し不安をいだいているお子さんといっしょに読んで、その不安がちょっとでも「楽しみ」な気持ちに変化してくれるといいですね。
私はおはなし会の最初によく歌わせていただいています。そのときは、「はじめましてのごあいさつ。鳥山由紀ともうします。絵本を読むのが大好きです。どうぞこれからよろしくね」と、歌っています♪ みなさんも、「ぼくの自慢できるところ」「私の好きなこと」などで、自己紹介の歌詞を作って、歌ってみませんか?


◆4~5歳向け!『ごあいさつ ごあいさつ』

作・絵/渡辺有一 1,430円 あかね書房

【あらすじ】
かえるの家族がピクニックに出かけようとしますが、あいにくのくもり空。みんなで「おひさま、おはようございまーす」と大きな声であいさつすると、太陽がどんと出てきていいお天気に!
お花畑ではちょうちょさんに、林ではことりさんに、海では魚たちにごあいさつ。するとどうでしょう!
大きな声のあいさつで、みんな生き生きと動きだします。

【オススメポイント】
親子でいっしょに読むならぜひ大きな声で、「せーの」であいさつの部分を読んでほしいです。大きな声であいさつするって楽しい! と感じさせてくれます。きっとお子さんは喜んで元気に声を出してくれますよ。
くじらの登場するページでは、本の向きを変えると大きいくじらが迫力満点! 夕日にきらめく海がキラキラとして、みんなも笑顔でとっても楽しそう。
時間が進むにつれて、「おはよう」から「こんにちは」にあいさつも変化していきます。
最後は「ありがとう」「さようなら」のあいさつでみんなとおわかれです。「お昼になったよ、なんていうんだった?」と、繰り返し読んで、実際の生活の中でも自然に使い分けられるようになるといいですね。
春の暖かなひざしが感じられる一冊、ぜひこの季節に読みたい絵本です。


6歳~向け! 『カッパのあいさつ』

作/高畠那生 1,650円 好学社

【あらすじ】
カッパのあいさつってどんなだか知っていますか? 後ろ向きなんですって。時々勢いがよすぎると、パリン! とお皿が割れてしまうことも。
あいさつをしてお皿を割ってしまったカッパのミドッパとアカッパは、「とりあえず、かわりのさらを のせなくちゃ」と、近くにあるものを手あたり次第にのせていきます。え? それのせる? そんなのあり? というものをのせていって…。どんな「さら」をのせるのでしょうか。

【オススメポイント】
下半身はだかなのに、上半身は服を着ているカッパふたり、という表紙だけ見ても、なんだかおもしろそうな、何かが起こりそうな感じです。
頭の「皿」を割ってしまったミドッパとアカッパ。“とりあえず”の「さら」を探します。「さら」は「さら」でも、「皿」でなく、「サラサラ」ヘアーや「あざらし」。え? そんなものまでのせるの? と思っても、アカッパの「とりあえずだよ、とりあえず」の口ぐせに、なんとなく受け入れてしまいます。
ことばに興味が出てくる年齢ですね。後ろの見返しには、本文には登場しない「さら」のつくものがかかれています。ほかにも探して、「とりあえず」頭にのせてみましょうか!?
だじゃれワールドが気に入ったら、次は、しりとりや早口ことば、オノマトペやアナグラムなどのことばあそび絵本を探してみるのもオススメです。

次回の「こそだてまっぷ 絵本棚」は、「動物園へお出かけ」をテーマにした絵本を紹介します。

この記事の監修・執筆者

絵本専門士・絵本セラピスト® 鳥山由紀

(プロフィール)

絵本専門士4期生。絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト®。大人・子どもを問わずお気に入りの一冊を見つけてもらえることを思い、絵本に関する講演や執筆、絵本講座の開催、読み聞かせなどを行う。また、箏奏者との絵本の読み聞かせユニット「ことえほん」での公演活動、大学での認定絵本士養成講座講師も務める。

(ブログ)
https://ameblo.jp/ehonrahen/

(ことえほんfacebook)
https://www.facebook.com/kotokotoehon/

 

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