子どもが小学4年生になると、よく耳にするのが「中学受験する?」という質問。
中学受験をする気ですでに入塾している人もいれば、まだ検討中の人、中学受験はまったく考えていない人、それぞれだと思います。
でも、この“それぞれ”があるために、ママ友との会話でモヤモヤを感じることがあるのではないでしょうか……。 今回は、そんな中学受験にまつわる3つのママ友トラブルについて「ママ友トラブルフォーラム ママ友110番」主宰のなかさとさんにアドバイスをいただきました。
「中学受験するの?」って聞かないで! 直球で聞いてくるママ友にモヤモヤ
この春、小学4年生になる子どもがいます。中学受験を検討し、先日入塾したのですが早速それを知ったママ友から「中学受験するの?」と聞かれてモヤモヤしています。
受験結果がどうなるかわからないどころか、そもそも受験日まで子どもが勉強を続けていけるのかもわからない状況なので、今は何も言いたくないのが本音です。
しかし、何も答えないわけにはいきません。そこで「頑張ってみようと思っている」と答えてみたのですが、ママ友から「すごいね! 頭いいんだね」や「うちは無理だな〜。よく、踏み切ったね」という言葉が返ってきました。
否定はされていないものの、肯定されているわけでもなく、一人モヤモヤ……。どう答えればよかったのでしょうか。
なかさとさんのアドバイス
先のことはわからないもの。ありのままの気持ちを伝えましょう!
中学受験をする子どもたちの間で“コソ勉”という言葉があったりします。こっそり勉強するという言葉の略語なのですが、そんな言葉があるほど同じモヤモヤを抱えている人が多いのではないでしょうか。
そして、実際に中学受験をするかしないか、現段階ではわからないのが事実ですから「わからない」とそのままお伝えしていいと思いますよ。
「でも、中学受験用の塾に行ってるんでしょ?」と重ねて聞かれることがあれば、その時は「勉強習慣をつけさせたい」からだと、塾の用途を中学受験のみに絞らず、勉強のリズムや取り組み方、スケジュールの立て方を身につけさせるためだと答えるといいでしょう。
家でゴロゴロしてばかりの子どもを見て右往左往するよりも、受験するかしないか今はわからないけれど、塾という環境で勉強習慣を身につけてもらいたい。少なくともこれは嘘のない正直な気持ちといえるでしょう。
中学受験に否定的なママ友からの言葉に傷ついています
中学受験に向けて親子で頑張っています。子どもは小学4年生から通塾し、現在6年生になりました。本人はとても一生懸命に頑張っているのですが、なかなか成績が思うように伸びず少し自信を失いそうな状態です。
そんな時、ママ友が「中学受験、そんなに無理に頑張らせなくてもいいんじゃない? 同じ地元の中学に行こうよ」と私に言ってきたのです。
塾費用のみならず、労力も費やしてきたこの数年をそんな簡単に言わないで欲しいと思わず言ってしまいそうでした。私のイラっとした表情に気づいたのか「少し落ち着いて! 子どもの希望を最優先にね。地元の中学もいい学校だよ」と言って去っていったママ友。このモヤモヤは、あと少しガマンしたほうがいいのでしょうか?
なかさとさんのアドバイス
公立がダメだから私立を選んだわけではない! をしっかり伝えましょう
親というものは、誰もが子どもにとってより良い環境を提供したいと思うものです。その環境の一つに学校という場があるわけですが、そもそも公立中学も私立中学もどちらが良い・悪いではないのです。それぞれに魅力があります。マイナス面だってどちらにもあることでしょう。
そこで、もしもこういった状況に遭遇してしまった場合には、まず公立がダメだから私立を選んだわけではないことを一番に伝えることをおすすめします。
例えば「うちの子は、硬式テニス部に入りたいけど、学区内の中学校には硬式がなかったから私立を選んだ」や「自分から勉強に取り組めるタイプではないから、大学受験まで指導してくれる環境を探したら私立だった」などです。
公立を否定するのではなく、たまたまいいなと思った学校が私立だったというように伝えてみてはどうでしょうか? 応援しています!
勉強ができないから公立に進学するわけじゃない! 受験マウントママにモヤモヤ
中学受験をまったく考えていない我が家。周りのお友だちは何人か中学受験をするようで通塾させています。しかし、我が家は地元の中学にも魅力を感じていますし、何より私たち夫婦も中学受験を経験していないので、あえて中学受験をして私立の中学校を選ぶ必要性をあまり感じていません。
それにも関わらずママ友からは、我が家が中学受験をしないことに「なんでなの?」とか「中学受験、一緒に頑張ろうよ! 私立には公立にない最新の設備があるよ」など猛プッシュされてしまうのです。
「うちの子には無理」というのも子どもがかわいそうですし、「経済的に厳しい」というとそれも違うので、何と言えば中学受験をする人に否定的な捉え方をされないように中学受験をしないことを伝えられるか教えていただきたいです。
なかさとさんのアドバイス 受験する人、しない人、それぞれの思いがあるもの。選んだ理由を丁寧に伝えましょう
「受験をさせるほど私立中学に魅力を感じていない」、「公立中より私立中の方が設備がいい」、どちらも言われた側は複雑な心境ですよね。お互いの考えを否定しないように伝えることは、子どもに関することになるとより一層難しくなるものです。
地元の友だちと離れ離れになってしまうという見方もあれば、地元だけにとらわれず広い世界で友だちに出会って欲しいという見方もあります。ですから、こうなった場合にはあえて公立を選んだあなたのお子さんだけのメリットを伝えてみてはどうでしょうか?
今のお友だちのことが大好きすぎてあと3年間一緒に机を並べたいみたい、同じ小学校の先輩が中学校生活を満喫する姿を見て公立の中学がいいと子ども自身が言っている、などネガティブな理由ではなく、ポジティブな理由であえて公立を選んだと伝えてみると良い関係が維持できるでしょう。
中学受験をする、しない……。
それはどの家庭も我が子を思ってこそ、考えた抜いた末に下した決断です。そして、受験をするのもしないのも親ではなく、子ども自身。
お互いの価値観を押し付けることなく、否定することなく言葉を選ぶことが大切なのではないでしょうか。
この記事の監修・執筆者
ママ友トラブルアドバイザー。自身の経験から、閉鎖的なママ友社会をうまく乗り切る方法を研究・伝授している。マンツーマンによる丁寧なフォローアップや、定期的に座談会などを行う。一児の母。
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