【ことばを話せるのは何歳から?】知っておきたいことばの発達の目安とは?

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【ことばを話せるのは何歳から?】知っておきたいことばの発達の目安とは?

かわいい我が子が初めてことばを話す瞬間は、保護者にとって忘れられない出来事です。反対に、なかなかことばを話してくれないと、「うちの子はことばが遅れている?」と心配になりますよね。ことばの発達は子どもの個性や環境によっても変わってきますが、だいたいの目安があります。

今回の記事では、知っておきたい子どものことばの発達の目安を解説していきます。

文/マムズラボ

目次

【年齢別】ことばの発達の目安

まずは、ことばがどのように発達するのか、その目安を年齢別にご紹介します(発達には個人差があります)。

0歳~1歳ごろ

赤ちゃんは「あーあー」「うー」など、母音(あいうえお)ではじまる喃語(なんご)と呼ばれることばを話します。喃語は、声を意味のあることばとして発するための発声練習だといわれています。 

「ママ」など、子どもが最初に発する意味のあることばを「初語」といいます。1歳くらいのころに出る子が多いようです。 

1歳~1歳6か月ごろ

「わんわん」や「ぶーぶー」など意味のあることばを使って、単語ひとつの「一語文」が話せるようになります。「まんま」や「とって」など「要求語」と呼ばれることばを使って、したいことやしてほしいことなど要求を伝えようとします。この時期には積極的にしゃべらず、ことばをためている子もいます。

1歳6か月~2歳ごろ

この時期は、「あれ、ほしい」や「わんわん、こわい」「パパ、かいしゃ」など2つの単語を組み合わせた「二語文」で話せるようになります。主語(例:わんわん)と述語(例:こわい)など文法の法則性も理解しはじめます。

2歳~2歳6か月ごろ

「わんわんのえほん、よんで」や「ママ、ジュースちょうだい」など単語を3つ組み合わせた「三語文」を話すようになります。主語や述語、目的語を組み合わせられるようになり、より意味のあるコミュニケーションが可能になります。 

2歳6か月~3歳ごろ

四語や五語以上の単語をつなげた「多語文」を話すようになります。発声も上達し、ハッキリと話す子どももふえてきます。 

3歳~4歳ごろ

年少さんになると、「わたし」「それ」のような代名詞や、「が」「を」などの助詞が使えるようになります。ことばのやり取りも何往復か続けてできるようになるので、かなり会話らしくなってくるでしょう。一文で2つ以上の述語を使う「複文」も使えるようになり、複雑な文を話せる子もふえてきます。

4歳~5歳ごろ

年中さんのころは、自分から話をする子どもがふえ、子どもどうしで活発にコミュニケーションを取るようになります。自己主張がふえることから口げんかに発展することもありますが、けんかによって学ぶこともあります。 

5歳~6歳ごろ

年長さんから小学1年生くらいになると、保育園や幼稚園、小学校で体験したことを順序立てて話せるようになります。自分自身の体験をひとつの物語のように構成しなおし、保護者やお友だちを相手に話をするなどコミュニケーションの幅も広がってきます。 

上記の発達はあくまで目安です。たくさんコミュニケーションを取りたい子と、じっくり静かに考えたい子とでは、ことばの出方に差があります。大人にも無口な人やおしゃべりな人がいるように、これは優劣ではなく個性です。 

オススメの記事:【想像力が養えるだけじゃない!】見立て遊びのメリットと年齢別の遊び方をご紹介

ことばの発達が遅れていると感じたときはどうする?

ことばの発達には個人差があると言われても、我が子の発達は気になりますよね。続いては、子どものことばの発達に遅れを感じたときの対応をご紹介します。 

1歳くらいの場合

「うちの子ちょっとことばが遅いかも?」と感じても、ほとんどの場合、心配する必要はありません。1歳くらいであまりしゃべらない場合は「潜伏期」で、ことばをたくさん内部にためている時期かもしれません。2歳くらいから爆発的にしゃべり出す子も少なくありません。 

2歳半を過ぎた場合

2歳半を過ぎても単語が出てこない場合は、「音に対する反応が鈍くないか」「お話をしているときに目が合うかどうか」の2点をチェックしてみてください。 

気になる場合は、耳の機能や発達になんらかの引っかかりがある可能性があります。市区町村の子育て支援センターの相談窓口や、医師など専門家に相談するといった対応が必要になることもあります。

ことばの発達を促す方法

子どものことばの発達を促すには、保護者の行動が重要になってきます。ここでは、子どものことばの発達を促す方法を5つご紹介します。

1.たくさん話しかける

まわりの大人がことばを話しているのを聞くことで、子どもはことばを学びます。遊びのシーンはもちろん、日常のちょっとした場面でも、たくさん話しかけましょう。自然とことばが出てくるようになります。 

しかし、しゃべらない赤ちゃん相手に何を話しかけたらいいのかわからない、というかたもいるかもしれませんね。その場合は「実況中継」をオススメします。「白い犬がいるね」「お風呂がわいたね」など目の前にあるものや出来事をそのままことばにするだけで、子どもの中にはことばが少しずつ蓄積されていくのです。 

2.無理にしゃべらせようとしない

ことばがなかなか出てこないと焦ってしまうかもしれません。でも大人のイライラは子どもに伝わり悪影響を及ぼします。「自分で言ってごらん」「お話しないとわからないよ」など子どもに無理にしゃべらせようとするのはやめましょう。

ことばを強要せず、子ども自身がしゃべりたいという気持ちになるまで、じっくり待つ姿勢が大切です。 

3.言いなおさせない

子どものことばは不正確です。正しいことばを覚えてほしいという気持ちから「わんわんじゃない、犬でしょ」「トウモコロシじゃなくてトウモロコシ、言ってごらん?」などと指摘したり、言いなおさせたりするのはよくありません。

間違いばかりフォーカスされると、子どもはしゃべるのがイヤになってしまいます。 

4.子どもの要求を先回りしない

自分の要求を伝えるために、人はことばを使ってコミュニケーションを取ります。もしことばにする前に要求がかなえられたら、子どもはことばを発する必要性を感じないため、しゃべりたいという気持ちになかなかなれません。 

5.いろいろなことばに触れる

絵本の読み聞かせなどを通して、ことばの楽しさを伝えてあげましょう。ことばがふえるのに伴って表現も豊かになりますので、いろいろなジャンルの絵本や童話を選んで、多くのことばに触れる機会をつくりましょう。 

ことばの発達が遅れていても心配しないで

ことばの発達は個人差が大きいので、ほとんどの場合は周りの子たちと比べて遅れているからといって過剰に心配する必要はありません。 

しかしどうしても気になるときは、保護者だけで抱え込まずに専門家に相談することをオススメします。ことばの発達は、情緒や思考力の発達とも密接に関わっています。子どものことばを育てる働きかけを通して、心や頭もいっしょに育てていきましょう。 

【参考】
ナツメ社『最新図解 よくわかる発達心理学』

この記事の監修・執筆者

曽田照子

作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』

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