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どうしてわかるの？【サクラの開花日】予測する方法を知りたい！

更新日：2025.3.6 公開日：2025.3.6

春の風物詩といえばサクラ。毎年気象情報会社などから開花日の予測が発表され、多くの人の関心を集めますね。
どうしてサクラの開花日を予測できるのでしょうか。今回は、そのしくみをわかりやすくご紹介します。

サクラが咲くしくみと開花日の予測
- 冬の寒さと春の暖かさで開花
- 開花までのプロセスを利用して予測
サクラの開花を定める標本木とは？
- 標本木に5〜6輪の花が咲いたら開花
- 標本木を観測する生物季節観測

サクラが咲くしくみと開花日の予測

冬の寒さと春の暖かさで開花

バラ科のサクラは、花のもとになる花芽を開花前年の夏につくります。
秋になって気温が下がると、花芽は成長を止めて、寒い冬を越すために休眠状態に入ります。休眠した花芽は、真冬の低温刺激を受けることで目覚めます。これを休眠打破といいます。休眠打破した花芽は、春先の気温の上昇に合わせて成長し、つぼみが膨らみ、開花します。サクラは冬の寒さと、春の暖かさというプロセスを経て開花するのです。

開花までのプロセスを利用して予測

サクラの花芽が休眠打破して開花するまでには、気温が大きく関係します。この気温をもとに、サクラの開花日を予測することができます。気温を使った簡単な予測の方法として、「600度の法則」と「400度の法則」があります。

・600度の法則…予測する地点の2月1日からの日最高気温を足していって600度を越えた日にサクラが開花する
・400度の法則…予測する地点の2月1日からの日平均気温を足していって400度を越えた日にサクラが開花する

「600度の法則」「400度の法則」では、気温を足し始める起算日を2月1日とし、温度の変化の基準をそれぞれ日最高気温、日平均気温としています。気象庁のホームページでは、各地の日最高気温や日平均気温などの気象観測データを調べることができます。暖冬などの影響で、年によって開花までの積算温度には幅がありますが、気象観測データを使って、お子さんと住んでいる地域のサクラの開花日を予測してみてはいかがでしょうか。

気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jma/index.html

気象情報会社などのサクラの開花の予測は、予測する地点の過去データから統計的に求めた起算日や基準となる気温の値を利用し、休眠打破の時期を考慮するなど、独自の予測式を用います。そのため、より精度が高い開花日が予測できるのです。

サクラの開花を定める標本木とは？

標本木に5〜6輪の花が咲いたら開花

サクラの開花は、標本木とよばれる観測対象の木を基準にします。標本木のつぼみのうち、5〜6輪の花が開いたときが開花で、80％以上の花が咲いた状態が満開と定められています。
標本木は気象庁が指定するもので、全国各地の気象台の敷地にある木や、気象台の周辺で環境が変わりにくい場所にある木が選ばれます。サクラの標準木は全国に58本ありますが、木の老化や環境の変化などにより、標準木が変更になる場合もあります。東京では、1966年から靖国神社（千代田区）の境内にあるサクラが標準木として観測されています。住んでいる地域の標準木がどこにあるか、ぜひ調べてみてくださいね。

サクラの標準木は、代表的な種であるソメイヨシノです。各地の観測結果を長期間にわたって比較するために、日本全国に広く分布する一般的な種として指定されていますが、ソメイヨシノが育ちにくい地域では、別の種を用います。北海道の一部ではエゾヤマザクラ、南西諸島ではヒカンザクラが標本木とされています。