以前「『幼稚園』と『保育園』の違いって?」「『認定こども園』ってどういうところ?」などの記事で、幼稚園・保育園・こども園について解説しました。
今回は、すでに子どもを園に預けている保護者のかたを対象に、園選びについてのアンケートを実施。
アンケート結果から、園を選ぶにあたって重視したポイントや、入園後に気付いたことなど、先輩ママたちのリアルな声をお届けします。
写真提供:学研ココファンナーサリー
▲やっぱり送り迎えがしやすい、近い園がいい? それとも教育内容や子どもとの相性で選ぶべき?
はじめに~回答者内訳
4~6歳の子どもをもつ、128人のママたちを対象に、アンケートをおこないました。
就業状況
フルタイム・パートタイム・自営業などで働いている人…68名(53%)
専業主婦…56名(44%)
※25~44歳の女性就業率は72.7%(内閣府資料〈※1〉より)なので、今回のアンケート回答者は専業主婦の割合がやや多めです。
子どもの預け先
幼稚園(公立幼稚園) | 25名 |
幼稚園(私立幼稚園) | 49名 |
保育園(認可保育園) | 30名 |
保育園(認可外保育園) | 1名 |
認定こども園 | 19名 |
その他(私立幼児スクール、公立小学校など) | 4名 |
※全国の幼稚園児数が約134万人、保育所等入所児童数が約233万人(内閣府資料〈※2〉より)なので、今回のアンケート回答者は、幼稚園に預けている割合が多めです。
では、アンケートに答えてくれたみなさんが預け先を選ぶときに、決め手になったポイントや、選ぶためにしたことを見ていきましょう。
預け先を選んだ決め手は?(複数回答)
《1位》家から近かったから(64%)
園選びの理由として、もっとも多かったのが「家の近さ」。送迎にかかる時間が短くて済むのはもちろん、家の近所や同じ小学校区内に親しい友だちができるというメリットもあります。
「家に近い園」を選んだ人からのアドバイス
- 子どもの急な体調不良で園に行くこともよくあるので、通いやすい場所のほうがいい。
- うちの小学校学区内の幼稚園では、行事の日程が小学校とかぶらないように調整してくれる。兄弟のいる家庭におすすめです!
《2位》教育方針、保育指針に共感したから(40%)
《3位》見学に行って、雰囲気がよかったから(38%)
次いで多かったのがこの2つ。教育方針や雰囲気も重視しながら園を選んでいることがわかりますね。
比較検討するために、したことは?(複数回答)
《1位》実際に見学に行った(60%)
百聞は一見にしかず。半数以上の人が、自分の目で園の雰囲気を確かめているようです。
「見学に行った」人からのアドバイス
- 子どもと一緒に見学に行き、自分の子に合うかどうかを見極めるのが大切です!
- 見学して職員に話を聞いたり、対応をしっかり見たりして、決めたほうがいい。
- 見学に行ったときの直感(不安感とか)は、のちのち感じる不満に直結します!たくさん見学に行ったほうがいいですよ。
《2位》園に通わせている人に話を聞いた(41%)
《3位》HPを見て比較検討した(40%)
園を選ぶときには、施設の様子を実際に見に行って雰囲気をチェックしつつ、口コミや公式情報も参考にしながら決めているのですね。
今の園を選んでよかったこと
こうして悩んで吟味して決めた預け先ですが、入園後はどう感じているのでしょうか?
まずは、「今の園を選んでよかったと思うこと」から見ていきましょう。
立地・送迎
- 小学校区内なので、小学校に行ってもたくさん知り合いがいる。
- 家の近くまでバスで送迎がある。
- 隣に児童館があり、降園後は児童館で遊んでから帰れる。
カリキュラム
- 毎月1回遠足があるので、子どもが楽しみにしている。
- 英語、体操、プールなどカリキュラムが充実していて、塾やおけいこに通わせる必要がない。
- 遊具がたくさんあり、外遊びが多い。
先生の対応
- 先生が、子ども一人ひとりの体調や家庭の状況を把握し、気遣ってくれる。
- 子どもに障害があるので心配していたが、先生たちがフォローしつつも他の園児と変わらない対応をしてくれる。
- 子どもの成長が遅めでも「個人差だから心配しなくていい」「すごく変わってきたよ」とほめてくれる。
その他
- 食に力を入れていて、彩り豊かでおいしそうな給食が出る。
- 制服がレンタル制なので、出費がおさえられた。
- こども園なので、上の子は幼稚園で下の子は保育園でも同じ施設に預けられるし、預かり時間が長い。
- 先生、園児、保護者、みんなが仲良く風通しがいい。
今の園に対して不満に思っていること
では逆に、入園後、どんなことに不満を感じているのでしょうか。
- 親が手伝わなくてはいけないことや、親同士の集まりが多い。
- うっかり新聞委員になってしまい、週1回仕事があって、とても大変。
など、全体として「親の出番(幼稚園の手伝い、親同士の交流)が多い」ことに不満を感じている人が多く見受けられました。
ただし、なかには「入園前からわかっていたことなので、仕方がないと納得している」という人も。
その他、以下のようなエピソードも寄せられました。
- 虫が多い……。夏場は子どもの腕がかわいそうなことになりました。
- 建物が古く、老朽化が心配。
- ホームページに書いてあった保育指針と、実際の保育内容がまったく違う。
- 幼稚園なので休みの日が多く、長期預かりもおこなっていない。
入ってからまさかの落とし穴! という悲劇を避けるために、親の負担度、設備の安全性、休園日や延長保育などについても、事前にしっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、「不満や後悔はない」と答えた人も18%いました。
園選びに失敗しないために!先輩ママからのアドバイス
最後に、園選びを経験した先輩ママ・パパからのアドバイスを抜粋してご紹介します。
保育料以外の費用や指導内容もチェック!
- 競争率が激しい地域なので、入れればどこでもいいという気持ちで選んでしまったが、入園後に保育料以外の費用が予想外にかさんで困った。費用は事前に確認しておくべきです。
- 保育料だけで決めないこと! 「ここは高い」と思う園でも、カリキュラムによってはほかの習いごとをしなくてもよく、結果的に教育費が安くなる場合が。必ず指導内容もチェックして。
見て、聞いて、確かめる
- 誰でも見学できる運動会や作品展に行くと、園がどんなことに力を入れているかわかりますよ。
- 通っていない人のウワサがいちばん惑わされます(笑)。実際に通っている人に話を聞いてみるのがおすすめ。
自分のなかの優先順位を決めて
- どの園にも「いいところ」「悪いところ」があって、入園後に初めて「悪いところ」に気づくことも。だから、ゆずれないポイントを自分の中でハッキリさせ、そこをクリアしている園を選べば、入園後に何かあってもおおむね満足して過ごせると思います。
大切なのは、子どもに合う園を見つけること!
- いちばんは、子どもが気に入るかどうかです。子どもと一緒にいくつかの園を見学に行き、どこが良かったか聞いてみるといいのでは。
- 何園か見学に行きましたが、ひとつも同じ雰囲気の園はありませんでした。大切な子どもが生活をする場所なので、必ず見学し、子どもの雰囲気と合いそうな場所へ通わせるのがおすすめです。
希望の園に入れなくても……
- 希望の園に入れないこともあるので、第2、第3希望くらいまで考えておくこと。うちも第1希望の園に入れませんでしたが、第2希望の園に入ることができ、今は楽しく通っています。
- もし希望通りのところに入れなくても、子どもの適応能力は高いのですぐに慣れるはず!と前向きに考えて。 お子さんにピッタリの園とご縁がありますように。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
選ぶにあたって、悩んだり迷ったりすることも多いですよね。
愛しいわが子を長時間預けることになる園。ここで紹介した先輩ママたちの声が、納得できる園選びの参考になればうれしいです。
※1:内閣府「保育分野の現状と取組について」
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/hoiku/20170922/170922hoiku02.pdf
※2:内閣府「平成30年版 子供・若者白書 各種データ」
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/pdf/sanko_10_01.pdf
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