舟山 「新1年生がひと苦労するのが“かさや雨がっぱをたたむ”ことなんです。
雨の日に登校してきた新1年生の子どもたちは…
●かさをたたむ
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●かさを置き場に置く
↓
●濡れた雨がっぱを脱いでたたむ
↓
●雨がっぱを持参したビニール袋に入れる
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●くつを脱ぐ
これらのことを急にひとりでやらなければいけない状況になるんですね。
小さな体の1年生にとっては、大きなランドセルを背負った状態で、カサをたたんで、雨がっぱを脱いでたたむ…という一連の工程を順番通りにすることが大変なのです。
子どもは、『雨でビショビショに濡れて、寒いよ、冷たいよ……』という状況で、何から手をつけていいかわからず、なかには立ったまま途方にくれている子、半べそをかく子もいて、昇降口が大渋滞になることもあります。新1年生にとっては、試練なんですね。
入学式後の最初の雨の朝は、『さあ、1年生のみんな、今日はがんばってね~!』という気持ちになるほどです。
そのため、私の勤務する小学校でもそうですが、どの学校も、入学して最初のころは小学校高学年のお兄さん、お姉さんが新1年生のために、1か月ほどかさや雨がっぱをたたむ作業を手伝ってあげています。
家庭では、できれば小学校に入学する前に、かさのたたみ方、雨がっぱのたたみ方をひと通り子どもに伝えましょう。
雨の日に外出先から帰宅したときは『かさをくるくるたたんで、ボタンでパチンと留めるんだよ』『雨がっぱを脱いだら、服が濡れないように、濡れている側を内 側にたたむんだよ』などと、まずはお手本を見せてから、子どもにやらせてシミュレーションしておくことをおすすめします。
こうして毎年、1年生を見ているのですが、濡れたランドセルを拭くためのミニタオルや、靴下の替えを持って来ている児童が必ずいます。
こうした子は、おうちで雨の日の対応を話をされているようで、行動にも余裕があるように見えます。
学校でも『1ヶ月後には自分でできるようになるといいね』と言って指導しています。子どもが家に戻ってから、雨がっぱやビニール袋などの様子から、うまくできていたら、『上手にできるようになったね!』と声をかけてほしいですね」
つい親が手を出してしまいがちなことですが、子どもが自分ひとりでできるように、教えてあげることが大切なのですね。舟山先生、ありがとうございました!