5歳からの中間反抗期とは?イヤイヤ期との違いや乗り越える方法について解説!

更新日: 公開日:

2歳くらいの「イヤイヤ期」は有名ですが、5歳から小学校低学年頃の「中間反抗期」はご存じない方が多いかもしれません。親の指示や干渉を嫌がり、何でも自分でやりたがるなど、ついイライラしてしまいやすい中間反抗期の対応について、専門家に話を聞きました。

目次

5歳からの中間反抗期って?

2歳くらいの「イヤイヤ期」は有名ですが、5歳から小学校低学年頃の「中間反抗期」はご存じない方が多いかもしれません。

5歳ごろから見られる「中間反抗期」の特徴的な行動は、以下のようなものです。

●口答えをする

●聞こえないふりをする

●言葉づかいが悪くなる

●年下のきょうだいにいじわるをする

●園の友だちや先生に対しては今までどおりの態度

とくに、親に対して口答えをしたり、反抗的な態度を取ったりします。

親の指示や干渉を嫌がり、何でも自分でやりたがるので、親からすると、「ちょっと生意気」と思ったり、反抗的な態度にイライラしたりすることがあるかもしれません。

中間反抗期は、成長の証!

しかし、こうした言動はすべて、子どもの成長の証です。

親に依存して生きてきたお子さんも、成長とともに、自分で考え、自分なりのやり方でやりたいと思うようになります。

これは、自立心の芽生えです。

「口が達者」なのも、それだけの言葉の力を身につけたということ。屁理屈を言えることも、立派な成長です。

そして、こうした言動は、子どもからのサインでもあります。

「わたしは、こんなに成長した!」「もう言いなりにはならないよ」「わたしは自分で考えて、自分で決めて、行動したいんだ!」「うるさく言わないで!」と叫んでいるのです。

あるいは、幼稚園や保育園で、何かしら我慢をしていたり、友だちとの関係でストレスを感じたりしているのかもしれません。そのイライラを家族や親にぶつけている可能性もあります。

一般的に、男の子は手を出す、暴れるなどの行動が見られ、女の子は屁理屈や嫌味など言葉が多めな傾向があるといわれています。

しかし、こうした行動には、性差ではなく、親との関係性が、大きく影響している場合があります。

子どもを自分の所有物のように扱っていたり、親がすべてを決めて、思いどおりにしようとしたり、つねに「~しなさい!」と命令口調だったりすると、より強い反発が生まれる可能性があります。

中間反抗期はどう対応すればよいの?

では、中間反抗期の子どもには、どう接していけばよいのでしょう。

まずは、子どもの主体性を尊重すること。

子どもには、独立した人格があることを認めて、「○○(子どもの名前)はどう思う?」「○○はどうしたい?」などと、子どもの気持ちや意思に耳を傾けましょう

言い返されたときは、「そうか、○○は~と考えたんだね(思っているんだね)」と受けとめます

聞こえないふりも子どもの意思表示だと受けとめて、「今の言葉は、聞きたくなかったんだね。わかったよ」などと対応します。

また、子どもに何かしてほしい場合は、「片付けなさい」と命令口調で言うのではなく、「(時計の)長い針がどこまできたら、片付ける?」と子ども自身に決めさせてみましょう。

自分で考えて行動することで、子どもも反抗的な態度を取る必要がなくなります。

中間反抗期のケース別対応例

ケース①口答え

「早く着替えなさい」「まだ片付けてないの」などと言ったとき、「今、やろうと思ってたのに」とか、「○○(きょうだいの名前)だってやってないのに…」と口答えをしてくる場合。

対応のポイント

まず親が子どもに対して命令口調で言うことが間違いです。着替えや片付けの前後のルーティンを親子で共有しましょう。

たとえば、園に行くために家を出るのは、何時何分が適当なのかを子どもにたずねたり、相談していっしょに決めたりするとよいでしょう。

その時間をもとに、朝ごはんや着替えの時間をざっくりと、子どもが自分で決められるようにします。

つまり、親に言われたから着替えるのではなく、家を出るまでに何をしなければいけないのかを自分で把握し、自分のために行動することが大事なのです。

時計を見ながら、自分で行動できるようになったら、「自分で時計を見ながら準備ができてえらいね」とほめてあげましょう。

片付けについても、「片付けたら、夕食にしようね」などと声をかけ、それをしたあとに楽しいことがある、とイメージできるようにします。

先ほど紹介したように、「時計の長い針がどこにきたら、片付ける?」とたずねて、子ども自身に決めさせる方法もオススメです。「7にきたら」と決めてきちんと片付けられたら、「ちゃんと時計を見て、自分で始められたね」と、しっかりほめましょう

子どもは、自分で決めたことなら、きちんとできるものです。親が一方的に従わせようとするから反発するのです。

「お兄ちゃんは、自分で時間を決めて、お片付けしているよ。さすが、お兄ちゃんだね」などと下の子に話すと、上の子は誇らしい気持ちになり、下の子もお兄ちゃんを尊敬する気持ちが芽生えてきます。

ケース②乱暴な言葉づかい

親に対して、「うるさい」とか、「ウザイからあっち行って」などと、乱暴な口調で言い返してくる場合。

対応のポイント

大切なのは、親が子どもに対して乱暴な言葉を使わないことです。

もし子どもが「うるさい」と言ったなら、「何を言われたのが嫌だったの?」「○○(子どもの名前)が嫌な気持ちになるなら、これから言わないようにするね」などと伝えます。

「ウザイから…」と言われたら、「どうすることがウザイって思ったのか教えて」と聞いて、そう感じることをあげてもらいます。

お互いに、どのように言ったらいいのか、どう行動したらいいのかなど、子どもと話し合い、取り決めをしましょう。

乱暴な言葉を使われると、気分がよくないことも伝えて、「~しているから静かにしてほしい」「一人になりたいから…」など、言われた側が不快にならない言葉を使うように伝えましょう。

ケース③聞こえないふりをする

「~してくれる」などと声をかけても、聞こえないふりをする場合。

対応のポイント

声をかけた用件が頼みごとであれば、子どもの正面に立ち、目線を合わせて「~なので、~してくれる?」と理由と合わせて伝えましょう。「お願いします」と言ってもよいです。

それをしないと、「こんな困ったことになる」という状況も伝えます。

話を聞いてやってくれたら、「ありがとう」「○○のおかげで助かったよ」とていねいにお礼を伝えましょう。

子どもが自分ですべきことをしていない状況なら、「~はいつする予定?」「~をしないと困るんじゃないかな?」と声をかけて気づかせます。

気づいてできたなら、「できてよかったね」「安心したよ」などと伝えましょう。

子どもの言動にショック!? 親もその気持ちを素直に伝えて

それまで素直だったお子さんが、急に口答えをしたり言い返してきたりしたら、親としてはとてもショックを受けるもの。

そういうときは、「お母さんは今の○○の言葉がとてもショックだった」と、素直に伝えましょう

どうしたらよかったのか、どう対応してほしかったのかなど、子どもと話し合い、お互いに気持ちよく生活できるようにしましょう。

子どもの言葉を真正面から受けとめ、「売り言葉に買い言葉」となるのがいちばんよくないパターンです。強い口調になったり、怒鳴ったりするのもNG。

子どもの口答えの裏にある真意を、まず考えます。

考えてもわからないなら、本人にどうしてほしいのかを、冷静にたずねましょう

親として、つねにお子さんには幸せな人生を歩んでほしいと願っていること、そのためにお互いにどうすれいいのかいっしょに考えたいことを、日ごろから言葉にして伝えていきましょう。

この記事の監修・執筆者

千葉経済大学短期大学部こども学科 教授 横山 洋子

富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

あわせて読みたい

おすすめ情報

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

関連記事

この記事の監修・執筆者の記事