【スポーツの秋!「思わず体を動かしたくなる絵本」】こそだてまっぷの絵本棚

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10月に入り、スポーツシーズン到来です。さわやかな秋空の下でたくさん体を動かしたくなるような絵本を紹介します。
絵本のセレクトをしてくださったのは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当、エッセイストの越高綾乃さんです。


目次

10月 第1回

スポーツの秋!「思わず体を動かしたくなる」オススメの本

2~3歳向け! 『パンダなりきりたいそう』 

作/いりやま さとし 1,100円 講談社 

【あらすじ】
パンダが楽しい「なりきりたいそう」をはじめました。さて、何になりきって体を動かすのでしょう? まずは、パンダの動きを見て、何になるつもりか想像してみましょうか。「バ」でからだを傾けて腕をあげながらおしりをふりふり、「ナ」で反対側にふりふり、「ナ」でバナナに大変身! バナナ、チューリップ、コマ…。さて、次はどんなふうに動いて何になるのかな?

【オススメポイント】
ぽってりとしたフォルムのパンダのイラストが、とてもかわいらしくって目を奪われる人も多いはず。ちょっぴり短い手足で体操しているパンダの姿に、子どもも大人も思わず笑顔になってしまうでしょう。次々に見事になりきっていくパンダの姿が愛嬌たっぷりに描かれています。一つひとつは単純な動きなので、イラストを見ながら同じポーズをしてみると楽しさ倍増! パンダといっしょにのびをしたり、ごろんところがったり。体を動かしながら楽しめる絵本です。


◆3~4歳向け!『ぴょんたのたいそう』

作/ルース・ティルデン 訳/かがわ けいこ 1,430円 大日本絵画

【あらすじ】
かえるのぴょんたくんが、体操をはじめました。いち、に、さん、し…。やる気満々なぴょんたくんといっしょに体操をはじめましょう! まずは体をやわらかくする体操からスタート。たおれてのびて、たおれてのびて…お次は腹筋運動。おきてねて、おきてねて…体操が終わったら、おいしそうなジュースでひと休みです。

【オススメポイント】
単純ながらも、ユーモラスな動きがおもしろくて大人気のつまみひきしかけ絵本です。体をゆらゆら揺らしたり、屈伸や腹筋、懸垂まで!? かえるのぴょんたくんが体操をしている様子が、しかけで実際に動くことでよりおもしろく感じられ、小さい子どもたちは大喜びします。しかけ絵本はすぐにこわれると敬遠されがちですが、丁寧にあつかって、破れたら修理して…と、本を大切にすることを学ぶのもよい経験になるのかなと思います。


◆4~5歳向け!『どろぼうがっこうだいうんどうかい』

作・絵/かこ さとし 1,210円 偕成社

【あらすじ】
今日はどろぼうがっこうの大運動会。「どろぼうがっこう」の大運動会なんて、なんだか怖そうだなと思う人もいるかもしれませんが、そんな心配はご無用。村の人たちもみんな楽しみにしている行事なのです。くまさか校長先生のあいさつに続いて、みんなで応援歌をうたったら、いよいよ競技開始!「ドルばこリレー」や「ニセさつわたし」「ぎゃくどろけい」など、どろぼうがっこうならではの一風変わった競技が次々にはじまります。

【オススメポイント】
世にもおかしな「どろぼうがっこう」で開かれる大運動会。まず、注目してほしいのは、ページを開いたところに載っている大運動会のプログラムです。さすがどろぼうがっこうの大運動会。私たちの知っている競技とはひと味違う、一見、物騒なネーミングのユニークな競技の数々がならんでいて思わずニヤリとしてしまいます。いったいどんな競技なのか、お話が始まる前から期待が高まります。そうして始まった大盛り上がりの運動会ですが、途中である事件が起こり…。どんな風に解決するのか、ぜひ読んで確かめてみてくださいね。


大人向け! 『エルシー・ピドックゆめでなわとびをする』

著/エリナー・ファージョン 絵/シャーロット・ヴォーク 訳/石井桃子
2,640円 岩波書店

【あらすじ】
あかちゃんの頃から、家のある通りで女の子たちがなわとびをする音を聴いて育ったエルシー・ピドック。幼いながらもなわとびをはじめたところ、あっという間になわとびの名手になります。あんまり上手になわとびをとぶので、ついに妖精たちにもその評判が伝わり、妖精たちの特別ななわとび修行を受けるまでになります。月日は流れ、エルシーがすっかり大きくなって、なわとびをするのをやめ、さらにおばあさんになったころに村に大きな危機が訪れますが…。

【オススメポイント】
なわとびがとべるようになった子、なわとびをするのが好きな子にぜぎおすすめしたい一冊。お話の中に出てくる「アンディ、スパンディ、さとうのキャンディ、アマンド入りあめんぼう!…」という、なわとびをとぶときのかけ言葉がお気に入りで、私も子どものころ、なわとびをするときはこの言葉を唱えていたものです。もともとは『ヒナギク野のマーティン・ピピン』という物語の中に収録されているお話の一つが、絵本となっているので、文章はかなり多め。じっくり読んで味わえるファンタジーの名作ですが、よかったらがんばって読み聞かせをして、子どもといっしょに楽しむのもすてきです。

次回は、「食べ物・秋の味覚」をテーマにした絵本を紹介します。

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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