【クリスマスにおすすめの一冊】/こそだてまっぷの絵本棚

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今年もいよいよ終わりですね。テーマは「クリスマス」です。一年のなかで一番ファンタジーが似合う日をテーマにした絵本は、どれもこれもすてきな世界観にあふれています。
絵本のセレクトは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当で、エッセイストの越高綾乃さんです。

目次

12月号

「クリスマス」がテーマのオススメ絵本

◆2~3歳にオススメ『おたすけこびとのクリスマス』

作/なかがわちひろ 絵/コヨセ・ジュンジ  1650円 徳間書店

【あらすじ】

クリスマスの前の夜。おたすけこびとたちがひきうけた大切なお仕事は、サンタさんからあずかったプレゼントの配達をすることでした。大きな白い包みを受け取って、くるまにのせたら、みんなで目的地にしゅっぱーつ! こびとたちが動かすはたらくくるまが列になって、みんな寝静まった夜のまちを進みます。

プレゼントを無事に届けられるかな?

 

【オススメポイント】

『おたすけこびと』は、たくさんのこびとと、たくさんのはたらくくるまが大活躍する大人気のシリーズです。ちいさいこびとたちが、大型トラックやクレーン車、ブルドーザーにショベルカーなどのはたらくくるまを上手につかって、大きなものを運んでいく様子は大人もこどももワクワクします。特に、はたらくくるまが好きな子は目を輝かせるのではないでしょうか。やさしい文とわかりやすいストーリーですが、ページのすみずみまでイラストを見て楽しむことができます。

3~4歳にオススメ『メリークリスマス おさるのジョージ』

作/M.レイ H.A.レイ 訳/福本友美子 1980円 岩波書店

【あらすじ】

なかよしのきいろいぼうしのおじさんとクリスマスツリーを買いに来たおさるのジョージ。きいろいおじさんとの約束を忘れ、ツリーの木で遊んでいたジョージは、そのままツリーの木といっしょに、トラックで運ばれていってしまいます。そうしてたどりついた先のこども病院でも、さっそくいたずらをはじめるジョージですが、パーティーでは大活躍?!

 

【オススメポイント】

しりたがりやのおさるのジョージ。行く先々でトラブルを巻き起こすので、「次はどんなことをやるんだろう?」と、ハラハラドキドキしてしまいます。でも、そんなお茶目でいたずらっこのジョージが子どもたちは大好き! 迷子になった先のこども病院でも、大人たちはジョージに手を焼きますが、あっという間に子どもたちの人気者になります。

もともとジョージの絵本が好きな人も、アニメやキャラクターではジョージを知っているという人も、この絵本でジョージのクリスマスの活躍をいっしょに楽しみませんか。

4~5歳にオススメ『大判 ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス』

作/ジャネット・アルバーグ、 アラン・アルバーグ 訳/佐野洋子 1980円 文化出版局

【あらすじ】

ゆかいなゆうびんやさんがクリスマスイブに運ぶお手紙のお届け先は、3びきのくまや赤ずきんちゃんといった、みんなも知っているお話やマザーグースの登場人物たちです。気になるお手紙の中身は、すてきなクリスマスカードやゆかいなゲーム、小さな本など…おもしろくってかわいいものばかり。お話とお手紙の両方が楽しめて、大満足の一冊です。

 

【オススメポイント】

この絵本のうれしいところは、ページの途中で出てくる封筒にそれぞれお手紙が入っているところです。封筒の中から、ものを取りだしたり、お手紙やゲームを広げてみたり…。ストーリーを楽しむ以外の「ちょっと特別」な感じのお楽しみがあるのがたまりません。また、ゆうびんやさんからお手紙を受け取る人が、どんなお話の登場人物か知っていると、楽しさも倍増します。もし、知らないお話の登場人物が出てきたら、次はそのお話を読んでみるのはいかがでしょう。

6歳以上にオススメ『サンタクロースと小人たち』

作/マウリ・クンナス 訳/稲垣美晴  1980円 偕成社

【あらすじ】

オーロラの見える国、フィンランドの北のはずれの山のふもとには、工場や倉庫や飛行場のある、とても不思議な村があります。その村には、サンタクロースが何百人もの小人やトナカイに囲まれて、暮らしています。どんな風に暮らしているのか、少しのぞかせてもらいましょう。ここには、小人のこどもたちの学校、おもちゃをつくる工場や倉庫などがあり、みんなでクリスマスイブにプレゼントを届けるための準備をしているのです。

 

【オススメポイント】

「サンタクロースって、どんなところに住んでいて、どんな生活をしているのかな? こどもたちへのプレゼントはどんな風に用意しているんだろう? みなさんも、いちどは疑問に思ったり、自分なりに想像してみたりしたことがあるのではないでしょうか。そんなとき、なんとなく頭に思い浮かべる光景が、そのまま絵本になったようなすてきな一冊。これを読めば、サンタクロースと小人たちのことを、もっと身近に感じられるでしょう。

来週の「こそだてまっぷの絵本棚」は、「お正月」をテーマにした絵本を紹介します。
ぜひ、おたのしみに!

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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