【アシカとアザラシの違い、知ってる?】自由研究にも!海の生き物を子どもと学ぶ

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【アシカとアザラシの違い、知ってる?】自由研究にも!海の生き物を子どもと学ぶ

動物園や水族館にいるアシカやアザラシなどの海獣は、一見するとよく似ていますが、違う生き物です。どんな違いがあるかを知っていると、観察が楽しくなりますよ。

監修/肉食爬虫類研究所代表 富田京一 文/こそだてまっぷ編集部

目次

海でくらすアシカやアザラシ

水族館の人気者といえばアシカ!

夏休みなどに、子どもといっしょに動物園や水族館に行く機会があるかもしれません。水族館ではイルカやアシカのショーが行われていることが多いですよね。さまざまな芸を披露するアシカは、見た目が愛らしくて賢く、みんなの人気者です。

アシカによく似た動物に、アザラシやオットセイがいます。セイウチにも共通する特徴がありそうです。
これらの動物の違いとは、何なのでしょうか。

鰭脚類(ききゃくるい)の特徴って?

アシカ、アザラシ、オットセイ、セイウチは、前後の脚がヒレの形になっており、海の近くでくらしています。外見や生態に共通するところが多いため、一般の人には区別がつきにくいようです。

これらの動物は、「鰭脚類(ききゃくるい)」というグループに属しています。肉食で、生物学的にはイヌやクマなどに近いグループとされています。

ヒレになった脚で上手に泳ぎ、魚などを食べてくらしています。ただし、クジラやイルカほどには海でのくらしに適応しておらず、子どもを産むのは陸上か氷上です。

鰭脚類は大きく3つの科にわかれている

見た目が似ているこれらの動物たちですが、形態からアシカ科、アザラシ科、セイウチ科の3つに分けられます。化石や遺伝子の研究によると、アシカ科とセイウチ科が比較的近い仲間であり、これらとアザラシ科はやや遠い仲間だとわかっています。

アシカの仲間がセイウチときょうだいくらいの関係なら、アザラシはいとこ同士くらいの関係でしょうか。

アシカ、アザラシ、オットセイの違いを知ろう

アシカとアザラシの違いは?

アシカとアザラシには、見た目で判断できる決定的な違いがあります。
アシカには、耳介(耳たぶ)がありますが、アザラシには耳介はありません。耳の穴が開いているだけです。

また、アシカは4本の脚(ヒレ)で体を支え、よちよちと歩けますが、アザラシは体を持ち上げることができず、はうように進みます。さらに、アシカは前のヒレに爪がないのに対して、アザラシのヒレには鋭い爪があります。

水の中を泳ぐ様子を観察できれば、より違いがはっきりします。アシカは、前ヒレを羽のように広げて泳ぎますが、アザラシは、水かきのついた後ヒレを左右にふって泳ぎ、前ヒレは体にぴったりつけてほとんど使いません。

これらのポイントを知っていれば、アシカとアザラシの区別は簡単につきます。

アシカ画像
アシカ
アザラシ画像
アザラシ

アシカとオットセイの違いは?

これに対してアシカとオットセイの区別は難しいです。その理由のひとつは、これらの形態の違いが体のサイズによるもので、必ずしも血縁関係を反映したものではないためです。

どちらにも耳介がありますが、オットセイのほうがやや大きく目立ちます。

体毛を比べると、アシカが剛毛であるのに対して、オットセイのほうが小柄で体温調節がしにくいためか、ふさふさした毛でおおわれています。

また、前ヒレを比べると、アシカよりオットセイのほうがやや長いこともポイントです。じっくり観察して違いを見つけてください。

アシカ
アシカ
オットセイ
オットセイ

日本周辺で見られる鰭脚類にはどんなものがいる?

北海道にやってくる鰭脚類

アシカやアザラシなどは、北極や南極に近い地域だけにすんでいると思われがちですが、日本や日本の近くにも生息しています。

オホーツク海から北海道にやってくるものに、「ゴマフアザラシ」、「クラカケアザラシ」、「ワモンアザラシ」、「アゴヒゲアザラシ」のアザラシ科と、「トド」、「キタオットセイ」のアシカ科のものがいます。

まれに本州まで南下して、東京湾などに迷いこむものもいます。2002年に多摩川をさかのぼってきた「アゴヒゲアザラシ」は、「タマちゃん」と呼ばれて注目を集めました。

以前は北海道付近や伊豆諸島、竹島で「ニホンアシカ」という種類が見られましたが、1975年に竹島で目撃されたのを最後に見られなくなり、すでに絶滅したものと考えられています。

鰭脚類は絶滅の危機にある?!

現在、地球温暖化の進行や海洋ごみの増加などによって、アシカやアザラシたちの生存がおびやかされています。漁網にからまったり、タンカーの事故による石油の流出のために死んだりするものもいます。

このままでは、近い将来見られなくなってしまうものが出てくるおそれもあるでしょう。私たちは、こうした問題に目を向け、ともに地球でくらしていくための方法を見出していかなければなりません。

動物をじっくり観察して気づいたことをまとめれば、自由研究にもなります。子どもといっしょに観察するのもいいですね。

この記事の監修・執筆者

肉食爬虫類研究所代表 富田京一

とみた きょういち/1966年福島県生まれ。爬虫類・恐竜研究家。TCA東京ECO動物海洋専門学校 恐竜・自然史博物専攻講師。主に沖縄のマングローブ地帯に生息する爬虫類の生態を研究している。

「奥出雲多根自然博物館」「恐竜王国2012」など博物館や博覧会の監修、『のび太の恐竜2006』『新・のび太の日本誕生』など映像作品の時代考証も行ってきた。

著書に『そうだったのか! 初耳恐竜学』(小学館)、『恐竜は今も生きている』(ポプラ社)、『日本のカメ・トカゲ・ヘビ』(山と溪谷社)、監修書に『あたまがよくなる! どうぶつクイズ』(学研プラス)などがある。

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