【園生活のトラブル】子どもどうしのケンカや、保護者どうしの付き合い、担任の先生への不満など、どうしたらいい?

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「子どもが友だちとケンカした」「仲間外れにされたのでは?」「行事の係なのに毎回遅刻する保護者がいて…」「担任の先生、うちの子のことちゃんと見てくれている?」などなど、保育園や幼稚園では、さまざまなトラブルや、心配事がありますね。そういったとき、どう対応したらよいのか、園の現場で子どもたちと関わり、保護者からの相談にも乗ってきた、元保育士で日本児童教育専門学校専任講師の今泉良一先生にお話をうかがいました。

目次

子どもどうしのケンカやトラブルのときは?

子どもどうしのケンカやトラブルは、保護者にとって対応が難しいですね。

0・1・2歳児の場合は、かみつきやひっかきなどが多いですが、わが子からはどういう状況だったのか聞けず、傷が残ってしまうのでは…と、いらだちや不安が募ってしまいますね。

3歳児以上になると、友だちとのケンカなども増えてきて、子どもなりに状況を伝えることはできますが、詳細がはっきりせず、もどかしい気持ちになることもあると思います。

わが子が悲しい思いをしたのではないか? 友だちとの関係が悪くなったらどうしよう? などと心配になり、担任の先生に詳しい経緯を聞きたいけれど、いろいろ聞くと「クレーム?」とか、「モンスターペアレント」と思われるのでは? と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、心配なまま抱え込んでいると、先生への不信感も生まれてきてしまうかもしれません。率直に、心配していることを伝え、そのときの状況・経緯を確認しましょう。

こんなときはどうする? Q&A

Q1.

(0・1・2歳児の場合)かみつきやひっかきなどのトラブルは「園の責任」なので、相手の子に関して伝えない方針だと聞きました。ただ、送迎時に顔を合わせるかもしれないと思うと、そのままでいいのか気になります。

A.

園で起きた事故やトラブルなどは、基本的に園の責任です。そういう伝え方・対応が多いと思います。

ただ、同じ子がかまれ続けたり、同じ子どうしでトラブルがたび重なったりと、場合によっては相手側に伝えることもあります。それでも、あくまでも園の責任であることとして、園長や担任がお詫びすることが多いですね。

もし、普段から仲のよい友だちだったり、知っているママだったり、どうしても気になる場合は、担任の先生に話をして、送迎時などに先生に間に入ってもらいながら、お詫びできる機会をつくってもらうのもよいかもしれません。

Q2.

3歳児の息子。帰って来てから元気がなく、しょんぼりしていたので話を聞いてみると、友だちとおもちゃの取り合いでケンカになり、取られて泣かされたみたい。担任の先生に状況を聞いてもいい?

A.

担任の先生に、そのときの状況や経緯を聞いてみましょう。わざわざ聞くと、面倒な保護者だと思われそう…と心配でしたら、たとえば「うちの子、相手の子にケガなどさせませんでしたか?」などと聞いてみてはどうでしょうか。そのうえで、友だちとの関わり方など、心配なことを相談してみましょう。率直に聞いたほうが、わだかまりなく、よい関係性が保てると思います。

Q3.

4歳児の娘。これまで仲良し3人組の1人だったのに、急にうちの子だけ仲間外れになってしまったみたい。先生に相談してもい

でしょうか?

A.

うちの子が急に1人ぼっちになったのでは? 寂しい思いをしているのでは? と心配になりますよね。

子どもどうしの間で何かあったのかもしれません。年齢的に、友だちとの関係はまだまだ変化していく段階です。

視点を変えてみると、新しい友人関係が広がっていく機会になるかもしれません。
大人が見守っていられる今の時期に、「どのような力を育てたいか?」「いろんな環境に対応できるように育てるためには?」ということを考えてみてはいかがでしょうか。お子さんなりに考え、対応しようしているかもしれません。そのことをふまえたうえで、園での様子を担任の先生に聞いてみましょう

保護者どうしのトラブルのときは?

保護者間のことに関しては、園や担任の先生が介入するのは難しい面があります。
ただ、その保護者と直接会ってやりとりするのが困難だったり、不安だったりする場合には、対応してもらうことは可能だと思います。担任や主任の先生などに、相談してみましょう。 

こんなときはどうする? Q&A

Q1.

役員や行事のお手伝いに遅刻して来たり、急にキャンセルしたりする保護者がいます。きちんとやっている保護者は、そのたびにイライラして、全体の雰囲気も悪くなってしまいます。

A.

みなさん、忙しいなか時間をつくってやっていただいていると思いますので、毎回そういう方がいらっしゃると、イライラしてしまいますね。

ただ、人が思う「普通」の感覚値は、意外と異なる場合が多いです。「10分も遅刻してくるなんて信じられない」と思う人もいれば、「10分くらい遅刻したからって、そんなにイライラする?」と思う人もいます。そういった感覚値の異なる人が、同じ感覚値になることは難しく、話をしたからといって、その方の性格が一朝一夕に変わることが期待できるとも限りません。
そういう人もいると気持ちを切り替えて、折り合いをつけられるといいですが…。

ただ、業務内容に著しく支障をきたしている場合は、担任の先生にご相談して、対策を講じたほうがよいかもしれません。

Q2.

園で遊んでいるとき、うちの子が友だちを押して相手の子が手をすりむいたのですが、ケガの程度もたいしたことがなく、「園で起きたことなので、園の責任として相手の保護者にも伝えます」と言われてそのままに。その後、相手の保護者からクレームが!! 

A.

園で起きたことは、園の責任として対応することが基本です。ただ、保護者によっては、そう思えない方もいらっしゃるかもしれません。

園としては、保護者間のやり取りに介入することはなかなか難しいところもありますが、お子さんと相手の子の関係がすでに修復し、その後も園で変わりなく遊んでいるということが確認できているのなら、それを担任の先生から相手方に伝えてもらうといった対応はできると思います。

そうすることで、双方の保護者の気持ちが変化することもあると思いますので、先生に相談してみてください。 

担任の先生に不満があるときは?

担任の先生との関わりのなかで、「うちの子のこと、ちゃんと見てくれている?」「ほかの子(や保護者)をひいきしているんじゃない?」など、担任の先生の対応に不満を感じることもあります。

そのままにしておくと、担任の先生に対する不信感も芽生えてしまいそうですので、以前の担任の先生や、話しやすい先生に相談してみることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。案外、率直に話してみたら、すっきりと解決することがあるかもしれません。

こんなときはどうする? Q&A

Q1.

友だちとのケンカでうちの子が悪いと思ったのか、うちの子だけ謝るように言われ、ちゃんと理由を聞いてくれなかったみたい。去年の担任の先生なら、うちの子のことをわかってくれると思うのだけれど、相談してみてもいいでしょうか?

A.

前の担任の先生やあるいは主任の先生などに、話してみてもいいと思います。直接的な解決には結びつかないかもしれませんが、話しやすい先生に気持ちを吐露することで、気持ちが楽になったり、不安が軽減されたりすることもあります。また、別の先生に相談することで、担任の先生の意図や思いを知る機会にもなるかもしれません。

Q2.

ちょっと提出物が遅れたからといって、その後何度も確認されたり、周りにママ友がいるところで言われたりするのはちょっと…。

A.

そうですね、声をかけるにしても、周りの状況などを見て判断してほしいですね。

たとえばですが、「この前は締め切りを守れなくて、大変申し訳なかったです。以後、気をつけますので、他の保護者の方がいる前で言わないでいただけますか。お願いします」と、丁寧な言葉で担任の先生に相談してみてはいかがでしょうか。

その際には「~してください」「~してほしいです」と言い切るのではなく、「~していただけますか?」「~は可能でしょうか?」などと疑問形にすると、少しソフトな表現になると思います。

園での子どものこと、さまざまな人間関係など、対応に困ってしまう場面もあると思いますが、相談しやすい先生に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることもあります。気になることがあったらため込まずに、率直に相談しましょう。お互いの関係性も、話してみたら意外とよい方向に向かうこともあると思います。

この記事の監修・執筆者

日本児童教育専門学校専任講師 今泉 良一

日本児童教育専門学校専任講師。東洋大学大学院修了。13年間、保育士を経験したのち2017年より現職。保育者養成とあわせて「子どもの表現活動」について研究している。

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