【専門家監修】「トイレトレーニングをスタートしたら」楽しくトイレトレーニングする言葉かけ 第2回

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トイレトレーニングは、子育て中の保護者にとって最初の難関のひとつです。無理なく進めるためには、子どもに意欲を持たせる取り組みが必要ですよね。そこで、日本児童教育専門学校専任講師の今泉良一先生に、トイレトレーニングを進めるうえでの保護者としての心がけや言葉かけについて、3回の連載でうかがいます。第2回は「トイレトレーニングをスタートしたら」がテーマです。

目次

トイレに座って用を足せたときの言葉かけは?

子どもが排尿(または排便)できたときは、保護者が大げさなくらいに褒めることが大切です。たとえば、以下のような言葉かけで、子どもの意欲を刺激してみてはいかがでしょうか。

①「ちー、でたね!! すごいすごい!」「ちー、って音聞こえたよ!!」

初めてトイレで用を足せたときには、ちょっとオーバーなくらいに感激してみせると効果的です。

②「じぶんでできたね!」「さすが、かっこいいおにいさん(おねえさん)だね!」

子どもが自分でトイレに行こうとしたときは、その行動を認める言葉かけを。

③「もうこれで立派なパンツマンだね!」「前は、おむつにしていたけど、もういまではトイレでできるなんてかっこいい!!」

トイレトレーニングもだいぶ進んで、パンツに挑戦するときはこんな言葉で応援を。

トイレトレーニングは、子どもにとっても大きなチャレンジです。たとえ、便座に座る仕草をしただけでも、ちょろっとしかおしっこが出なくても、とにかく、オーバーなくらい褒めていくことを心がけましょう。

失敗してしまったときの言葉かけは?

トイレトレーニングは、成功と失敗を繰り返して安定していきます。子どもが失敗してしまったときの、保護者の対応は大切なポイント。たとえばこんな言葉かけで子どもの心に寄り添いましょう。

「おきがえすればだいじょうぶだよ!」「またこんど行こうね」

子どもが自分から行こうとしたけれど間に合わなかったとき、保護者に誘われて嫌がった結果失敗してしまったときなどは、“次があるからだいじょうぶ”ということが伝わるようにしましょう。子ども自身の恥じらいの気持ちに配慮しつつ、責め立てないように注意を。

特に、気温の低い日や環境が変わったときは、おもらしが増えることがありますので、おおらかに対応しましょう。

夜、パンツに挑戦するときの言葉かけは?

いよいよ、トイレトレーニングも終盤。思い切って寝るときもパンツに! というときは、こんなふうに誘いかけてみましょう。

①「もう、かっこいいパンツマンだね! 今日は、パンツマンで寝てみる?」

もし、子どもが嫌がったら、過度な強制は禁物です。

②「よし、じゃあ寝る前におしっこしておこうね!」

子どもから「やってみる!」という言葉が聞けたときは寝る前のトイレに明るく誘いましょう。もし、朝起きてパンツが濡れてしまっていたとしても、「おきがえすればだいじょうぶだよ!」と優しく言葉かけすることが大切です。

パンツで外出するときの言葉かけは?

最後は、パンツで出かけるときに有効な言葉かけをご紹介しましょう。

①「今日は、電車に乗るから、おでかけの前におトイレでおしっこできるかな?」

あくまでも、自然に誘うことがポイント。保護者も自ら「トイレに行っておこう!」と言ってトイレを済ませておくと効果的です。

②「おトイレに行ってみようか? うさぎさんもいっしょに行くからだいじょうぶだよ!」

駅やコンビニなど、トイレのある場所に行ったときは、お気に入りのぬいぐるみなどがあれば便利です。普段慣れていない場所は、子どもにとっては不安を抱く場所。お気に入りのぬいぐるみなどで、安心感を持たせます。

パンツを濡らさずに外出先から帰ってきたら、子どもも自信につながります。「すごーい! パンツでおでかけできたね!」といっしょに喜ぶことも忘れずに。

これだけは言っちゃだめ! トイレトレーニングの NGワード

当然ながら、トイレトレーニングは、保護者の根気も試されます。もどかしくても、顔に出さず、おおらかな気持ちで取り組むことが基本です。うっかり以下のようなことを言ってしまわないよう、気をつけましょう。

①「いつもやってるでしょ?」

子どもがトイレに行くことに慣れてきたときに、うっかり出てしまいがちな言葉。過度な言葉かけはプレッシャーに…

②「どうして早く言わないの?」「なんでできないの?」

トイレトレーニングのゴール間近になると、保護者も期待が膨らんで…。しかし、失敗と成功を繰り返しながら自立が図られてくるものです。失敗したとしても、責め立てるような言葉かけは控えましょう。

トイレトレーニングは、失敗しながら、成功体験を積み重ねていくものです。その喜びを保護者と子どもで共有することが大切です。

日中パンツで過ごせることが増えたら、水分をとりすぎないように気をつけつつ、就寝前にトイレを済ませ、パンツで寝てみましょう。朝までパンツで寝ることができたら、ほぼおむつの卒業ですね! パンツで寝るときは、必要に応じて、途中で起こしてトイレに連れて行くこともありです。もし寝ている間にパンツが濡れてしまっても、そっとはき替えさせて「ほらね! 濡れてなかったね! だいじょうぶ!」と、自信をつけさせる方法もあります。トイレトレーニングは時間がかかるものです。保護者自身も焦らず、ストレスのないように取り組みましょう。

最終回は「番外編 トイレトレーニングにまつわるあれこれ」です。お楽しみに。

この記事の監修・執筆者

日本児童教育専門学校専任講師 今泉 良一

日本児童教育専門学校専任講師。東洋大学大学院修了。13年間、保育士を経験したのち2017年より現職。保育者養成とあわせて「子どもの表現活動」について研究している。

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