【夏休み明けの友だち関係】親が気づいてあげるべき子どものサイン

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【夏休み明けの友だち関係】親が気づいてあげるべき子どものサイン

子どもは辛い時にどのような行動をとるのでしょうか? 休み明けに親が注意して見ておきたいポイントを教育評論家の親野智可等先生に伺いました。

目次

たった一人の子が転出するだけでも変化がある

夏休み明けに気をつけて欲しいのは子どもたちの友達関係です。
夏休みの間の体験や自然成長によって、一人一人の子どもがけっこう変化しています。 
ですから、それによって友達関係が変わるということが実際にあるのです。

さらにもう一つ大きな要因として転入・転出があります。 
この転入・転出に伴う友達関係の変化には、先生も親も気を配る必要があります。

例えば、あるクラスからAさんという一人の子が転出したとします。 
すると、それだけでクラス全体の友達関係が影響を受けます。

それまでAさん、Bさん、Cさんがよく一緒に遊ぶ仲だったとしても、残されたBさんとCさんが今までのように一緒に遊ぶとは限りません。 
AさんがBさんとCさんの接着剤のような働きをしていた場合、BさんとCさんは離れるかもしれません。

そして、BさんとCさんがそれぞれ別のグループに吸収されるかも知れません。 あるいは、Bさんは別のグループに吸収されてCさんだけ一人孤立し遊ぶ相手がいなくなるかもしれません。

また、Bさんが入ったことでそのグループからDさんがはみ出るかもしれません。

転入生がいた場合、大きな変化が起こる

ここまで、転出生がいた場合を見てみましたが、転入生がいた場合も同じように友達関係の変化が起こります。

例えば、あるクラスにEさんという一人の子が転入してきたとします。 
子どもたちは転入生が大好きですから、しばらくみんなにちやほやされ大切にされます。

そして、最初は転入生がどういう子かわかりませんので、とにかく席が近い子や家が近い子と仲良く遊ぶようになります。 また、積極的でお世話好きな子たちとも仲良くなります。

その後、しばらくすると転入生がどういう子か分かってきますし、転入生にもどの子がどういう子か分かってきます。 すると、やはりお互い馬が合う子とよく遊ぶようになります。

例えば、転入生のEさんが、Fさん、Gさん、Hさんたちのグループとよく遊ぶようになったとします。

でも、人数が増えたことでHさんだけちょっとはみ出るようになるかもしれません。 あるいは、Eさんに引かれてIさんも入ってくるかもしれません。 
また、それによって、Iさんとあまり馬が合わないGさんがほかに移るかもしれません。

もちろん、1、2年生のような低学年では、高学年ほどグループの枠が固定してはいません。また、クラスによってもかなり雰囲気は違います。 
それでも、ちょっとしたグループはありますので、こういうことが起こり得るのです。

これらはほんの一例です。 
たった一人の子が転出することで、あるいはたった一人の子が転入してくることで、子どもたちの関係には複雑な化学変化が起こるのです。 
それがどのように変化するのかは誰にも分かりません。 
つまり、予測不可能なものなのです。

遊び相手がいない子が出ることもありますし、場合によっては、それまではなかったいじめに類することが起こることもあり得ます。

子どものサインを見抜こう

このようなわけで、友達関係の変化には先生も親も十分気を配る必要があります。 
なお、転出・転入がない場合も、冒頭に書いたような理由で友達関係に変化が起こる可能性があります。

子どもが辛い状態にいる場合、何らかのサインが出ていることが考えられます。 
例えば次のようなところに子どものサインが出ていることがありますので、気をつけていてください。

・何となくいつもの様子と違う 
・元気がない。逆に、妙に明るい 
・口数が減った。逆に、口数が増えた 
・声や表情が暗い。ボウッとしている 
・「いってきます」「ただいま」の声の調子がいつもと違う

・イライラしている。怒りっぽくなった 
・物の扱いが乱暴になった 
・体の不調を訴える。お腹が痛くなる

・友達や学校のことを話さなくなった 
・遊ぶ友達が変わった 
・遊びに出なくなった。友達が家に来なくなった

・朝起きるのが遅くなった 
・登校を渋る。休みたがる 
・朝の行動が遅くなった。登校が遅くなった 
・家に帰ってくるのが早くなった

・持ち物や服が汚れている。壊れた 
・物がなくなった 
・文房具が減っている 
・落書きされた

・金遣いが荒くなった。お金を欲しがる。家のお金やものがなくなる 
・ケガをしてくる

あと、因みに高学年だと次のようなことも要注意です。 

・修学旅行、キャンプ、社会見学、遠足、総合学習、部活、塾、スポ少の話題を避ける。休みたがる 
・メールを非常に気にする

気になることがあったら、すぐ先生に相談するようにしてください。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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