
色とりどりの熱気球が空に浮かぶ姿はとても幻想的。まるで絵本や映画の一場面のようですね。一度は乗ってみたいという人も多いのではないでしょうか。国内でも、4月には「京都・亀岡バルーンフェスティバル」、5月には「佐久バルーンフェスティバル」など、多くの熱気球のイベントが開催予定ですが、熱気球は、どんなしくみで飛んでいるのかご存じですか? 今回は、熱気球についてご紹介します。
熱気球が浮かぶのはなぜ?
初めての有人飛行は熱気球
フランスのモンゴルフィエ兄弟は、暖炉の熱気にあおられて上昇した洗濯物をヒントに、温めた空気を袋につめて空を飛ぶアイデアを思いついたと言われています。モンゴルフィエ兄弟が熱せられた空気の上昇を利用した熱気球を研究し、初めての有人飛行に成功したのは1783年11月。これは、人類史上初の有人飛行でもありました。
熱気球のしくみ
熱気球は、同じ体積の空気は、温かい空気が冷たい空気より軽いという性質を利用して空に浮かびます。
まずは大きな球皮(きゅうひ。風船部分)に、バーナーで温めた空気をたくさん送りこみ、熱気球を立ち上げます。さらに球皮の中の空気をバーナーで温めていくと、周囲の空気より同体積あたりの重さが軽くなって浮力が生まれ、熱気球が空中に浮かび上がります。
熱気球は、球皮の中の空気の温度を変えることで、上昇と下降を調整します。バーナーを点火すると空気が温められて上昇します。バーナーを消しても、球皮の中の空気が温かいうちは上昇を続けますが、空気が冷めるにつれて、下降し始めます。急降下したいときは、球皮の上にあるリップパネルを開いて、温かい空気を外に出すと、降下するスピードが早くなります。




どうやって操縦するの?
熱気球の垂直方向への移動は、球皮の中の温度で調整しますが、水平方向への移動は風を利用します。風の吹き方は高さによって向きが異なるので、熱気球の高さを調整して、行きたい方向に吹く風の流れに乗ることで移動します。熱気球を操縦するには、事前に飛ぶ場所の気象情報を調べて、風向きや風速の変化を予測し、飛行中も常に風の状況を把握して進む方向を調整します。
≪関連記事≫【2024年1月、日本初の月面着陸に成功!】小型月着陸実証機「SLIM」が月面で活動中!
搭乗イベントや競技も開催
フリーフライトや係留飛行で熱気球を体験
熱気球の飛び方には、パイロットが操縦する本格的な飛行を体験するフリーフライトと、熱気球を地上とロープでつなげたまま、一定の高度まで上昇する係留フライトがあります。
熱気球に搭乗できる場所は日本各地にあります。なかでも栃木県、茨城県、埼玉県にまたがる渡良瀬遊水地は熱気球の聖地と呼ばれ、1年を通じてさまざまなイベントが行われています。常設ではなくても、搭乗イベントが行われることもありますので、ぜひ調べて参加し、熱気球の空の旅を体験してみてください。

熱気球の競技は何を競う?
熱気球の競技では、スピードや時間ではなく、正確な操縦の技術を競います。離陸してターゲットと呼ばれるゴールへ向かって飛び、マーカーという砂袋を投下して着陸するまでを、定められた時間内に行うのが基本です。ターゲットの中心とマーカーの距離を測って、その距離が近いほど得点が高くなります。
競技はタスクといい、タスクの種類は約20種類あります。大会を開催する本部が定めたターゲットをめざす「ジャッジ・ディクレアード・ゴール」、ターゲットが複数設定される「ヘジデーション・ワルツ」などが代表的です。

今回は、飛ぶしくみや競技を中心に、ふわりと浮かぶ姿が優美な熱気球について紹介しました。家族旅行のアクティビティに、熱気球の搭乗体験を取り入れるのもおすすめです。
この記事の監修・執筆者

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!
こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪