この冬、注目のワードは「免疫力」 ~免疫力アップで、家族で感染症に負けない体を作る! 【小児科医監修】

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この冬、注目のワードは「免疫力」 ~免疫力アップで、家族で感染症に負けない体を作る! 【小児科医監修】

新型コロナウイルス感染症が大流行するなか、「免疫力」という言葉をよく耳にするようになりました。免疫力を高めることで、コロナウイルスをはじめ、インフルエンザやノロウイルス、ロタウイルスなど、さまざまな感染症にかからないようにしよう、というものです。

お子さんのいるご家庭では、子どもの免疫力アップも気になるところですね。今回は、普段の生活のなかでできる、免疫力をアップする方法を小児科医の宮野孝一先生にうかがいました。

お話:宮野 孝一(みやのこどもクリニック院長)

目次

免疫とは自己防衛機能 感染症に負けない体を作る

そもそも「免疫」や「免疫力」とはどういうことなのでしょうか?

免疫とは、外から自分の体に入ってきて害をなす、細菌やウイルスなどを見極めて、排除しようとする「自己防衛機能」です。

たとえば、風邪をひいたときに咳やくしゃみ、鼻水などが出るのは、体が細菌やウイルスを排除しようと働いているため。ノロウイルスやロタウイルスで、下痢や嘔吐の症状が出るのも同様の働きです。

この自己防衛機能である「免疫」が高く保たれていると、ウイルスや細菌による感染症にかかりにくくなり、逆に免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるのです。

子どもは免疫が未発達なため、小さい子ほど風邪をひきやすい傾向があります。集団生活の中では、友だちとの距離も近く、さまざまな感染症に触れる機会が増えます。そのため、子どもが保育園や幼稚園に入園すると、風邪をひいたり、熱を出したりすることが多くなるのです。

だからといって、友だちと関わらせず、ずっと家の中で過ごしたり、除菌を徹底した生活をさせりするのは、子どもの免疫力には逆効果です。熱を出すのは、免疫機能がウイルスや細菌と戦っているためで、いろいろな感染症にかかり、ウイルスや細菌を認識し、抗体ができていくことで免疫力がアップしていきます。

成長するに伴い、風邪や発熱することが減っていくのも、免疫機能が上がっているためです。

よく食べ、適度に運動し、しっかり眠って、免疫力アップ

では、子どもの免疫力を高めるにはどうすればいいでしょうか?

それは、よく食べ、適度に運動し、しっかり睡眠をとること。そして、安定した精神状態で過ごせるようにすることです。心と体の健康が、免疫機能の正常な働きには欠かせないのです。

一日3食、バランスよく食べる

一日3食、決まった時間に食べましょう。野菜嫌いのお子さんもいますが、野菜に含まれるビタミンなどは免疫力をアップする効果が高いため、少しずつでも取り入れたいですね。脳の働きに欠かせない炭水化物や、たんぱく質が豊富な肉類も、子どもの成長には欠かせません。一言でいえば、バランスのよい食事を心がける、ということです。

また、乳酸菌や発酵食品、食物繊維なども、腸内環境を整え、免疫力を高めます。

適度に体を動かし、外遊びで太陽の光を浴びる

運動することで、血液の循環がよくなり、新陳代謝がアップし、免疫力も向上します。

適度に体を動かすことで、おなかもすいて食事も進みます。日中、外で体を動かして遊ぶと、太陽の光を浴びて、体内時計を調節して眠りへと誘う「メラトニン」の分泌にもつながります。

しっかり眠ることで、成長ホルモンも分泌!

よく眠ることによって、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、身長を伸ばすなど体の成長だけでなく、傷ついた細胞を修復したり代謝を高めたりするなど免疫力アップに欠かせません。また、睡眠不足は、脳の発達にも悪影響を及ぼします。

親子のコミュニケーションを増やして、免疫力もアップ

メンタルも、免疫力に影響します。いつも叱られていたり、何かするたびに「これはダメ、これはダメ」と制限されてしまったりすると、子どもの精神衛生上、あまりよくありません。しつけを大事にする場合でも、のびのびと過ごすときと、制限するときのメリハリがあるとよいですね。

親子での会話を増やしたり、一緒に散歩したり、コミュニケーションをとるよう心がけることも、子どもの安定した精神状態に効果的です。

乾燥対策と適度な室温、マスク・手洗い・消毒の徹底を

寒くなるこれからの時期に特に気をつけたいことは、乾燥です。ウイルスなどは、のどや鼻などから侵入する場合が多いため、のどや鼻が乾燥してしまうと、ダメージを受けやすくなります。
適度な湿度(50~60%)を保つことを心がけてください。

コロナ禍ということもあって、普段みなさんマスクをされていますが、マスクをすることによって適度な湿度が保たれているので、これはマスク生活でのメリットです。

また、室温を極端に上げ過ぎないことも気をつけてほしい点です。

今年の冬は、夏の感染症といわれる「ヘルパンギーナ」や「手足口病」が、季節を問わずはやっています。室温の高さが原因のひとつともいわれているので、室内環境にも配慮してください。

今みなさんがコロナ対策としている、マスク、手洗い、うがい、消毒は、引き続き徹底して行いましょう。特に、外出する機会の多い大人は、子ども以上に気をつけてください。

そして、体調が悪いときには、早めに医療機関を受診することで、重症化や家族への感染を防ぐことができます。


また、さまざまなウイルスや感染症対策として、推奨されているワクチンをしっかりと接種することも大事です。インフルエンザのように、接種しても感染してしまうことはありますが、重症化を防ぐことができます。お子さんの健やかな成長のためにも、忘れずに行いましょう。

この記事の監修・執筆者

みやのこどもクリニック院長 宮野 孝一

みやのこどもクリニック院長。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医であり、喘息やアトピー性皮膚炎などの診療にも積極的に取り組む。

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