【上手な子どもの叱り方】伝え方を変えると子どもが見違える! 叱っても自己肯定感が育つポイント7

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【上手な子どもの叱り方】伝え方を変えると子どもが見違える! 叱っても自己肯定感が育つポイント7

前回は、子どものほめ方を紹介しましたが、一方で、叱り方についても気になるところ。
「うるさく言いすぎだろうか」と不安になったり、「子どもになかなか響かない」と感じたりと、叱り方に悩んでいるママ・パパも多いはず。

今回は、幼児教育ジャーナリスト・西東先生に上手な子どもの叱り方を伺いました。
ポイントをおさえて叱ることで、子どもへの響き方が見違えるように変わりますよ!

お話:西東 桂子先生(幼児教育ジャーナリスト・元育児情報月刊誌編集長)

目次

叱ってばかりだと自己肯定感が育たない

何度注意しても約束を守らなかったり、同じいたずらをしたり、危険なことや周りの迷惑になることをしたり…。
子どもの行動について、ついつい叱りすぎてしまうことはよくあります。

「ほめる」ことで自己肯定感の土台ができるのとは反対に、いつもいつも叱られてばかりの子どもは、自己肯定感が育ちません。
「自分は嫌われているのかも」「自分はこの家にいていいのかな?」と、どんどんマイナスの方向に考えていきがちです。

また、ママ・パパだって人間ですから、ときには感情的に叱ってしまうこともあります。
でも、機嫌のよいときと悪いときで、叱ったり叱らなかったりするのは、よくありません。
同じことをして、ときに叱られ、ときに何も言われないのでは、子どもは何がいけないのかわからず混乱してしまいます。

さらに、感情的になっているときは「わかったの? どうなの?」と声高に念を押したり、「返事は?」などと叫んだりしがちですが、この場合、子どもは怒っているママ・パパが怖くて「わかった」「はい」と言っているだけで、本来伝えたい内容は心に届いていません。
繰り返しますが、子どもに残るのは「自分はダメな子なの?」という否定的な感情ばかりです。
特に、ストレスのはけ口として子どもに当たることのないよう、気を付けたいものです。

「あんな言い方しなければよかった」と後悔したときは、しっかりと謝りましょう。いけないことをしたら大人も謝るのだという手本となります。

子どもの行動が変わる!叱り方の7つのポイント

①いけない理由を具体的に説明

幼児期は、歳を重ねるごとに理解力が進みます。
成長に見合った伝え方で、その行為がどうしていけないのか、具体的に理由を説明しましょう。
語彙力がまだ少ない時期には、少しでも理解できそうな言葉を使い、それでも一度でわかるわけもないので、繰り返し伝える必要があることをママが自覚しましょう。

危ないことややってほしくない行為については、ダメな例を大人が実際にやってみせて納得させるのも近道です。たとえば、ガスレンジの火にママが手を近づけて「熱い!」と顔をしかめてみせ、火の怖さを伝えるなどです。

②その場で短く叱る

子どもがその行為をしたら、そのときに短く叱ります。
後からくどくどと言っても、子どもはいつの何の行為について叱られているのかわからず、混乱してしまいます。

③他の事柄とセットで叱るのはNG

「どうしておもちゃを片づけないの。脱いだ服も、まだかごに入れてないじゃない」など、他のこととあわせて叱るのは避けましょう。
子どもの理解力と注意力の範囲を超えてしまい、どちらも心に入ってきません。

④子ども自身を否定しない

してしまった行為を叱るのであって、「ダメな子ね」「こんなこともできないの」など、子ども自身を否定するような言葉を使ってはいけません。
子どもが傷つき、自己肯定感を失ってしまいます。

⑤子どもの言い分を先に聞く

4~5歳になると、「これをしてはいけない」というルールをある程度はわかってきますが、「だけどやってみたい」と、気持ちを抑えられないことがあります。
頭ごなしに叱るよりも「どうしてそういうことをしたの?」と、子どもなりの理屈を聞いてあげてから、「でもママはこう思うよ」と、違う見方を示しましょう。 

⑥危ないこと・マナーに反することには厳格に

命にかかわるような危ないことや、著しく社会ルールやマナーに反することをしたときは、真顔でびしっと叱ることが大切です。
「いけないことなんだ」ということが、しっかりと子どもに伝わります。 

⑦行動を直せたときはすぐにほめる

子どもが少しずつでも自律できてきたら、段階ごとにその場でほめましょう。
子どもは「これでいいんだ」と自信がつき、自己肯定感も育ちます。

事例で解説①「収納場所を変え、なぜ片づけが必要か説明してみた」

何度言っても遊んだおもちゃを片づけないので、収納場所がわからないのかもと思い、子どもが片づけやすい場所に変えてみました。
また、「遊んだ後に片づけないと、つまずいてけがをしてしまうかもしれないし、壊して遊べなくなっちゃうかもしれないよ」と説明すると、自分から片づけるようになり、弟にも伝えていました。

「何かに困っているから、片づけができないのではないか」と子どもの目線で考え、「どうして片づけが必要か」もわかりやすく説明したことで、子どもも理解することができたのだと思います。

さらに収納については、「積み木」「ミニカー」「絵本」などと種類別に箱を分け、外側にイラストを貼ると、より子どもが片づけやすくなっておすすめです。

また、「おもちゃを片づけて」と声をかけるのではなく、「もうすぐご飯ができるから、あと10分たったらお片づけしようね」などと予告するようにすると、子どもも気持ちの切り替えができます。

事例で解説②「道路に飛び出したので強く叱り、驚かせたことを謝ってから理由を伝えた」

子どもが道路に飛び出そうとしたので、慌てて強く叱ってしまいました。落ち着いてから、「大きな声を出したからびっくりさせたかな」と謝り、「車にひかれて大けがしちゃうかもと思って、ママは怖かったんだ」と説明すると、車に気を付けてくれるようになりました。

命の危険にかかわることなので、きちんと叱ることは当然です。
また「驚いたり、怯えてしまったりしたかもしれない」と、子どもの気持ちになって謝ったことで、子どもは「共感してもらえた」という気持ちになり、叱られた理由がより受け入れやすくなったのだと思います。

このように、つい感情的に叱りたくなるのをぐっとこらえて、「どうしてその行為をしたのか」「どんな言葉で伝えられたら理解できるか」など、子どもの目線になって叱ることで、子どもへの響き方が変わりますよ!

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