【医師監修】現在流行中!ヘルパンギーナの症状は発疹や口内炎? 大人にもうつるの? 原因や対処法をチェック!

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三大夏風邪のひとつといわれる「ヘルパンギーナ」。

例年初夏から流行り始め、8月ごろに流行のピークを迎えますが、今年は早くも猛威を振るっています。
子どもにだけでなく、大人にもうつるので、お家でも注意が必要です。
具体的な症状や家での対処法、予防対策について小児科の先生に教えてもらいました。

監修:宮野 孝一

目次

ヘルパンギーナは、エンテロウイルスという種類のウイルスが原因で発症する、夏風邪の一種。
同じ時期に流行する手足口病、プール熱とともに、乳幼児がかかりやすい三大夏風邪と呼ばれています。

原因となるウイルスは34種類もあるため、一度かかって抗体ができたらかからないということはありません。
1シーズンに何度もかかってしまう子もいます。注意しましょう。

三大夏風邪のうちのもう1つ【手足口病】の症状、ケアについてはこちらから

熱が出て、のどや口の中に水ぶくれや発疹が出る

[主な症状]

  • 発熱(38〜39度ぐらい)
  • のどの奥や口の中が赤くなり、2~3ミリぐらいの細かい水ぶくれや発疹が出る

ウイルスの潜伏期間は2〜4日ぐらいで、発熱と同時、もしくは発熱後に口の中に痛みが出てきます。
特に口やのどの痛みはひどく、痛くて痛くて物が食べられない状態が一週間ぐらい続くことも。

感染経路が多く、幼稚園や保育園など
集団生活の場で流行しやすい

[主な感染経路]

  • 咳やくしゃみによってうつる飛沫感染
  • なめたおもちゃなどを通してうつる接触感染
  • 便の中にウイルスがいるため、オムツ替えを通してうつる糞口感染

1歳から6歳ぐらいまでの子どもが特にかかりやすく、感染経路も多いことから、集団生活の中でうつりやすい病気といえるでしょう。

[似た症状の病気]

  • 手足口病
    原因となるウイルスの種類が同じで、口に出る症状が似ていることが多いため、見分けるのが難しい病気。
    ヘルパンギーナと診断された後でも、2、3日して手足に発疹がでて、手足口病と診断されることもあります。
    ヘルパンギーナは発熱を伴いますが、発熱せずに発疹が出た場合は手足口病である可能性も。
  • 単純性ヘルペス
    口の中や歯ぐき全体が腫れるため、症状が似ています。
    単純性ヘルペスの場合は口の奥ではなく手前のほうが痛くなることが多いです。
    また、熱が1週間ぐらい続きます。

受診の目安は熱が下がらない、水分がとれないとき

咳やくしゃみなど夏風邪の症状が出た場合、水分がとれていれば、まずはお家で様子を見ましょう。
ただし、次のような症状がある場合は、かかりつけの小児科を受診します。

・熱が2日たっても下がらない

・口の痛みがひどくて水分や食事がとれない

・機嫌が悪い状態が続く

・頭痛がある

・嘔吐がある

重症化すると、髄膜炎や脳炎など合併症を発症することもあるので注意が必要です。

口の中の痛みがひどいときは、形のあるものは食べられないことがほとんど。
特に、小さな子は嫌がって口から出してしまいます。
お家では、水分を積極的にとりながら、おかゆうどんなどやわらかい形態のものから食べられるように慣れさせていきましょう。

大人がうつった場合は重症化しやすく、入院が必要なことも

あまり多くはありませんが、ヘルパンギーナは大人にうつることがあります。
大人がかかると、症状が重くなりやすく、高熱が何日も続くことがあります。
また、口の中に水ぶくれが大量にでき、痛さのあまり水を飲むことすらつらいことも…。
子どもの便にウイルスが残っていることから、オムツ替えを行うときは特に注意が必要です。

予防で一番大切なのは、手洗いを習慣づけること

多くの感染症予防と同様に、手洗いが基本です。
外から帰ったら、食事の前、トイレの後など、こまめに習慣づけて行えるよう子どもと一緒に手を洗いましょう。
また、夏場に流行することから、暑さで体が疲れて体力が落ちやすくなっています。
まずは休息をしっかりとるよう心がけましょう。

[感染予防]

  • とにかくこまめに手洗いをする ※ノロウイルスと同様に次亜塩素酸も効果的
  • 体調が万全でないときには疲れをためない
  • 規則正しい生活を心がける

口の中の症状が落ち着いたら登園可能

ヘルパンギーナは登園許可書が必要のない園が多いですが、登園の目安は、熱が下がり、食べられない、飲めない状態が改善することとなります。

夏は暑くて体力が落ちやすく、免疫力も低下しがち。
別の病気にもかかりやすくなるので、できれば家で安静に過ごし、しっかり回復してからの登園をおすすめします。

また、治った後も便の中にはウイルスが1か月近く残ることを忘れずに。
オムツ替えはもちろん、そのほかの感染経路となる、おもちゃの管理や手洗いなどは積極的に続けていきたいものです。

この記事の監修・執筆者

みやのこどもクリニック院長 宮野 孝一

みやのこどもクリニック院長。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医であり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの診療にも積極的に取り組む。

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