【夏休みダラダラする子どもにイライラ】親は開き直ってあきらめてみる

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【夏休みダラダラする子どもにイライラ】親は開き直ってあきらめてみる

夏休みに子どもが家でダラダラしている様子にイライラしている親も多いのではないでしょうか。しかし、親は開き直ってあきらめることも大切なのだそうです。教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

夏休みが嫌いな子もいる

私が2年生を受け持ったときのことです。
夏休みを前にしたある日、一人の女の子が話しかけてきました。

「ねえ、先生、私ね、夏休みってうれしいような、うれしくないような感じ」
「え、なんで? 先生はうれしいよ」
「だって、お友達と会えないから」
「あ~、なるほど。たしかに。先生もみんなと会えないのはちょっとさみしいな」

この話を聞いていたある男の子が言いました。

「ねえ、先生、ぼくはね、夏休みってきら~い」 
「え、きらいなの? なんで? やっぱり友達と会えないから?」 
「それもあるけどね」

「ほかにも理由があるの? わかった。宿題があるから?」 
「それもあるけどね」
「ほかにもあるの?」

「だって、お母さんに毎日怒られちゃうんだもん」 
「そうなんだ…」
「いつも怒られてるけどさ」 
「…」
「夏休みは学校に行かないでしょ。お母さんと一緒にいることが多くて怒られることが増えちゃう」
「…」 
「1年生の夏休みもず~っと怒られてた」
「…」

ダラダラする子ども。親のストレスはマックスに

私は教師時代に子どもたちから同じような話を何回か聞きました。
ですから、夏休みが嫌いという子はけっこういると思います。
 
夏休みはほぼ毎日子どもが家にいます。
家で親と過ごす時間が増えるということが、イコール叱られる時間が増えるということになってしまうケースが多いのです。
 
もちろん、親も大変です。
ただでさえ暑くてイライラする夏に、騒々しくて落ち着きがなくて手のかかる子どもたちが家にずっといれば、否応なく親のイライラも増すというものです。
 
毎日、三度三度の食事も用意しなければなりません。
親が見たいテレビも見られませんし、静かなティータイムも取れません。
親のペースはかき乱されっぱなしです。
 
子どもはダラダラするばかりで、やるべきことはやらないし、勉強もいい加減です。
 
出せば出しっぱなしだし、けんかはするし、物は壊すし……。
 
ということで、親のほとんどは夏休みが嫌いだと思います。
 
でも、たいへんとは思いますが、どうか子どもをガミガミ叱らないでください。
 
「また○○してない。なんで○○しないの。ちょんとやらなきゃダメでしょ。
何度言ったらできるの! だらしがない」
 
このような否定的な言い方で叱るのは極力避けてください。
 
親にガミガミ叱られることが多いと、子どもは悲しくなります。
自分に自信が持てなくなりますし、親に対する愛情不信も感じてしまいます。

ストレスの多い夏休みを乗り越える3つのコツとは?

こうならないために、3つのコツをお薦めします

ひとつめは、合理的な工夫をすることです。

たとえば、片づけが自分でできないなら時間を決めて片づけタイムを取るなどです。

ふたつめは、言葉の工夫です。

否定的に言うと子どものやる気はますますなくなります。
一番いいのは、肯定語で言うことです。

「○○すると気持ちいいよ」とか
「(ウソでもいいから)○○をがんばってるね」
などです。

肯定語がムリなら、せめて、

「さあ、○○しよう」
「お母さんと一緒に○○するよ。用意、ドン」

などの単純型で言いましょう。

3つめは、諦めて目をつむること

本当に、私は親が開き直って諦めることも大切だと思います。

夏休みに子どもがダラダラするのは当たり前です。
だって、暑いのですから。

夏休みは、そもそも休みなのです。
暑くて勉強しても頭に入らないから学校もお休みになっているのです。

休むということはダラダラすることです。
ぐた~っとすることです。

子どもが夏休みに家でダラダラぐた~っとしているのは、
極めてまともなことなのです。

ヨーロッパでは夏休みの宿題などありません。
大人も子どもも2ヶ月間のバカンスです。
バカンスとは無、真空、中身がないという意味です。

日本の子どもたちは、いろいろ詰め込まれ過ぎです。
ただでさえ日本の夏は高温多湿で、蒸し暑いのに。

諦めて目をつむった途端に、親子ともども気が楽になります。
この夏休みの全ての状況を受け入れて、味わいエンジョイしてください。
こんなことでイライラしている自分も笑っちゃいましょう。

子どもといる今のこのときが、当たり前のこの毎日が、
実は当たり前のものではないのです。

後で振り返れば、とてつもなく愛おしい、
かけがえのない日々だったということになるのです。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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