【「集中しなさい」はNG!?】夏休みの宿題、やる気を失わせる声かけとは?

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【「集中しなさい」はNG!?】夏休みの宿題、やる気を失わせる声かけとは?

いよいよ楽しい夏休み! 遊びの計画でワクワクしている子も多いでしょう。しかし、忘れてはならないのが「宿題」です。あまりガミガミうるさく言いたくはないけれど、できれば計画的に進めてほしいですよね。子どもが積極的に宿題に取り組むために、保護者はどう声かけをしたらいいのでしょうか。

今回は、夏休みの宿題のやる気を失わせるNGな声かけと、やる気を出させる声かけについて解説します。

文/マムズラボ

目次

夏休みの宿題のやる気を失わせるNGな声かけ3パターン

人は声かけ次第で、やる気になったり、逆にやる気を失ったりするものです。誰だって「よくやってるね!」と認められればうれしいし、「そんなことくだらない」と言われればイヤな気持ちになりますよね。

相手のことば次第でモチベーションが変わるのは大人も子どもも同じ。大好きな保護者のことばなら、なおさら大きな影響をおよぼします。 

まずは、保護者がうっかり言ってしまいがちな「やる気を失わせることば」、いわゆるNGワードを3つご紹介します。 

「どうしてこんなかんたんなことがわからないの!」

子どもの勉強を見ていて、あまりにかんたんな問題ができていないときや、どんなに教えてもわかってくれないときに、つい言ってしまいがちなことばです。冷静になってみれば、大人にとってはかんたんでも、子どもにとっては難しくて当然。 

でも、この子ならもっとできるはず、できるようになってほしいという思いがエスカレートすると、感情的になって「どうしてこんな問題ができないの」ということばが出てしまうようです。

感情的に怒られると、子どもの思考力もやる気も萎縮してしまいます。 「できない」にフォーカスする声かけは、やめておきたいですね。 

「机の前で集中しなさい!」

勉強に身が入らずに、子どもがよそ見をしたり遊びはじめたりするときに、「集中しなさい」と言いたくなりますよね。集中してパッと取り組めば数分で終わってしまうのに、ダラダラと取り組んでいるのを見るとついイライラしてしまうことは、誰にだってあります。 

でも、いま集中できていない子どもが机に向かったからといって、突然集中力が湧き出るわけではありません。まずは勉強に対する興味を持たせるか、宿題に取り組むモチベーションを高めるほうがよさそうです。

「宿題が終わるまでゲームは禁止!」

宿題がなかなか進まないとき、子どもが大好きな何かを禁止して宿題に向かわせようとする、ということもしてしまいがちです。「ゲーム禁止」と言われれば、子どもはイヤイヤ宿題に向かうかもしれません。それで夏休みの宿題が早く終わったという例を筆者もいくつか見てきました。 

だからといって、連発していいとは思いません。ゲームを禁止にされても「宿題をやりたくない」という後ろ向きの気持ちは変わりません。むしろ、やりたくない気持ちに拍車がかかるかもしれませんね。 

イヤイヤやらせることを続けると、子どもが勉強そのものを嫌いになってしまう恐れがあります

オススメ記事:【今が習慣づけのチャンス!】宿題を習慣化しやすい環境づくりとオススメの工夫とは?

夏休みの宿題に対するモチベーションをアップさせる声かけ4パターン

では、夏休みの宿題をやる気にさせるために、どのようなことばをかけてあげればいいのでしょうか。先ほどご紹介したNGワードを言いたくなってしまったときにオススメの言い換え例をいくつかご紹介します。

「けっこう難しいことをやっているんだね」

小学生の学習内容は、大人にとっては「どうしてこんなことがわからないの」と言いたくなるほどかんたんかもしれませんが、初めて学ぶ子どもにとっては難しいことが多いもの。 

難しいことに挑戦している、という前提で声をかけてあげると、「難しいことに挑戦している自分」というプラスのイメージが勉強のやる気を刺激します。

「どこまでわかっているの?」

子どもに勉強を教えるとき「どうしてわからないの?」よりも、「どこがわからないの?」という質問のほうが建設的です。さらに、同じことを聞くのでも、「どこまでわかっているの?」と逆方向からの質問に変えることをオススメします。 

「わからないところ」ではなく、わかっているところにフォーカスすると、「ここまではできている」と子どもの自己肯定感を上げられます。自分はここまでできているから、できるはず、という前提で問題を見るので、解決策が見つけやすくなりますよ。 

「私もいっしょに勉強しようっと」

「机の前で集中しなさい」と、勉強部屋や学習机に追いやっても、低学年ではまだ一人では集中できない子どものほうが多いでしょう。大人だって図書館やカフェのほうがはかどるという人もいますよね。いきなり一人でがんばらせずに、リビングなどでいっしょに勉強してみてはいかがでしょうか。 

その際、保護者も紙とペンを持って、子どもと同じように手書きで学ぶスタイルにすると、やる気が出やすくなります。

「終わったらいっしょにゲームしない?」

「宿題が終わるまでゲーム禁止」というのと、行動としては同じかもしれませんが、意味づけが180度違います。

「やらないと(ゲームができないという)罰を受ける」よりも「やれば(いっしょにゲームができるという)ごほうびがある」ほうが、「がんばろう」という気持ちになれます

前向きな声かけで夏休みの宿題のやる気を伸ばそう

ことばは人のモチベーションを左右します。いいことばをかけてあげたいと思っていても、子育てをしていれば、つい子どもに感情的になったり、きついことばをぶつけてしまったりすることもあります。 

それは「ちゃんとしてほしい」「がんばってほしい」「できるはず」という保護者の期待でもあります。理想の子育てができればベストですが、保護者も聖人君子ではありません。個人的には、たまにNGワードを発して「ごめんなさい」と言うくらいが、ちょうどいい子育てなのではないかと思っています。 

様子を見ながら、子どもがやる気になるぴったりのことばをさがしていきましょう。 

【参考】 
『お母さん、ガミガミ言わないで! 子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』


この記事の監修・執筆者

曽田照子

作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』

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