【専門家監修】勉強や習い事に取り組む姿勢を改善する方法/ガミガミ言わなくても、進んでやる子になるための言い換え術②

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【専門家監修】勉強や習い事に取り組む姿勢を改善する方法/ガミガミ言わなくても、進んでやる子になるための言い換え術②

「早く宿題やらないと、寝る時間がなくなるよ!」「ちゃんと片づけないから忘れ物やなくし物が多いんだよ」。保護者目線だと何かとストレスになる子どもの行動。何度言っても同じことを繰り返すからイライラして、つい強い口調になってしまいますよね。ガミガミ言わなくても、子どもに伝わる方法について、日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子先生に第1回に引き続き、お話を伺いました。

目次

自分から進んで勉強してほしいとき

前回お話ししたように、自発的に物事を進めてもらうためには「内発的動機づけ」が大切です。たとえば、子ども自身が「漢字の形はいろいろあっておもしろいな」と思って書きとりをがんばっていたら「内発的動機づけ」。そこへ親が「100点取ったら100円あげるね」と言って促したら外発的動機づけに。これはせっかくの「内発的動機づけ」が「外発的動機づけ」に変換されてしまい、とてももったいないことです。

これに関しては、私自身も反省があります。子どもが小学校1年生のとき、「100点を3回続けて取れたら、好きなものを買ってあげる」と言ってやる気を引き出そうとしました。ところが、3回目のテストになると途端にできなくなってしまうのです。聞くと「絶対に100点を取らなきゃ」と思うとドキドキしてうまくできない、とのこと。失敗したな、と思いました。それからは、100点を取ったら抱き上げて「高い高い」をすることにしました。子どもがだいぶ大きくなるまで続けていましたよ。何かを買うことよりも、スキンシップのほうが、子どもにはうれしいご褒美だったのです。

弟妹が遊んでいても、兄姉には勉強をしてほしいとき

このときに効果的な声かけは「いっしょに勉強しよう」です。たとえば、リビングのテーブルに集まって、弟妹たちは、絵本を広げたり、ぬり絵をしてみたり。ママは、家計簿をつけたり、読書したりします。そうすると、本人も勉強する気分になり、無理なく宿題などにとりかかることができます。そうしているうちに、自然に勉強する習慣がついてきます。習慣がつけば、みんなでいっしょに雰囲気づくりをしなくてもだいじょうぶ。ちなみに、習慣になるためには、だいたい100日かかると思って、のんびり気長に実践しましょう。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」は絶対にNGです。

学校のノートをもっときれいに書いてほしいとき

この場合も、「きれいに書きなさい」ではなく「いっしょに書いてみよう」と伝えるようにしましょう。大人用の練習帳なども市販されているので、いっしょにやってみてはいかがでしょう。

また、批判ばかりするのではなく、よいところを見つけてほめることも大切。たとえばあいうえおの「う」がきれいだったら「この字きれいだね!」と具体的に伝えましょう。

自分に置き換えてみてもわかるとおり「○○ができていないから、できるようになりなさい」と言われると、かえってやる気がなくなりますよね。子どもも同じです。できないところを指摘するのではなく、できるところを見つけて伸ばす、取り組むときは、「やりなさい」ではなく「いっしょに」が大切なのです。

習い事(ピアノなど)にちゃんと取り組んでほしいとき

 習い始めは「つまらない」と思うこともあるでしょう。子どもの主体性を尊重するあまり「興味ないならやめる?!」と先を急いだ発言をしてしまいそうですが、ここは「決まり」としてルール作りをするしかありません。

「内発的動機づけ」の話と相反するようで難しいのですが、習い始めてすぐにつまらなくてやめる…ということをくり返すのもどうかと思います。子どもが楽しいことばかりを探していると、結局何も見つからない…、その子どもが大人になったときに「忍耐」の経験がないためにつらい思いをしてしまう、ということにもなりかねません。

親としてできることは、「ピアノの練習を夕飯の前に毎日10分だけしようね」などと、子どもといっしょにルールづくりをすること。ルールを決めたら、親が率先して守りましょう。

最初は苦痛でも、上達してきたら「○○が弾きたい」といった欲求がでてくるかもしれません。そうなったらしめたもの。「内発的動機づけ」に基づいて習得していけばよいのです。いずれにしても、最初のルール作りが大切なのです。「半年間はがんばって続けようね」などと期間も設定しましょう。

次回は、片づけや忘れ物など、「生活習慣のガミガミを改善する方法」をご紹介します。

この記事の監修・執筆者

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事 大野萌子

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャⓇ資格認定機関)代表理事、公認心理師。防衛省初のハラスメント教育担当。著書「よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑」(サンマーク出版)、「1ステップで気分があがる 気持ちのきりかえ事典」(扶桑社)など。そのほかメディア出演多数。https://japan-mental-up.biz/

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