【親子で食育クッキング】料理は科学! 学びのつまったいちごジャム作り

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4月20日は「ジャムの日」。
1910年4月20日に長野県の塩川伊一郎氏が明治天皇にいちごジャムを献上したことから日本記念日協会に認定・登録されたのだとか。
甘酸っぱくておいしいいちごジャムは、子どもたちも大好きですね。
今回は、実は学びの要素がたくさんつまった今が旬のいちごを使った「いちごジャム」の作り方をご紹介します。

目次

レシピ・クッキング・写真/阿知和梨香(食育アドバイザー)

いちごジャムの作り方

【材料 できあがり量約700g分】

いちご・・・2パック(約600g)

グラニュー糖・・・300g(いちごの量の半量)

レモン汁・・・大さじ2

保存用ガラス瓶・・・数個(煮沸消毒しておく)

【作り方】

①いちごは軽く洗って水気を拭いてからヘタを取ります。小さいいちごの方が中まで火 が通りやすいのでおすすめです。大きいいちごは縦半分に切りましょう。

学びポイント

先にヘタを取ってから洗うと、その部分からビタミンCや葉酸などの水溶性のビタミンが流れ出てしまいます。必ず洗ってからヘタを取りましょう

②鍋にいちごとグラニュー糖を入れてざっくり混ぜ合わせたら、いちごから水分が出てくるまで、約1時間ほど置きます。

学びポイント

水分が出てくるのは「浸透圧」による現象です。浸透圧とは、濃度を一定に保とうとして水分が移動する力のこと。この場合、砂糖よりいちごの水分量が多いので、いちごの水分が砂糖に引き寄せられて外に出てくるのです。

③鍋を中火で加熱し、沸騰したら吹きこぼれないように弱火にしてレモン汁を加えます。アクを取りながらとろみが出るまで20~30分ほど、鍋底が焦げないように木べらでよくかき混ぜながら煮詰めます。

煮詰め具合がわからない場合は、透明のグラスに水を入れて、いちごジャムを1滴たらしてみましょう。下まで塊のまま落ちればOK。細かい粒になって散ってしまうようであれば煮詰め不足です。

学びポイント

「アク」とは、食材に含まれる渋み、えぐみなどの元となる成分の総称です。アクを取ることで、渋みやえぐみのないすっきりとしたおいしい味わいになります。また、濁った色のアクを取り除くことで、見た目もきれいに仕上がります。

④ ③が熱いうちに、煮沸消毒したガラス瓶に満杯になるように詰めます。蓋を閉めてから瓶を逆さに置いて冷まします。

学びポイント

熱いうちに瓶を逆さまにすることで、空気が入らず、蓋の内側部分をジャムの熱で殺菌できるので、雑菌の繁殖を防ぐことができます。やけどをしないように軍手などをつけて作業しましょう。

いちごジャムを使ったアレンジレシピ

いちごミルク

グラスに入ったいちごミルク

いちごジャム大さじ1杯をグラスに入れて、牛乳200mlを注いで混ぜれば、

簡単いちごミルクのできあがり!

まだまだある学びポイント

トロッとするのはなぜ?

材料には、ゼラチンなどは入っていないのに、できあがったいちごジャムは、トロっとしていますよね。

これは、生のいちごに含まれている「ペクチン」という成分があるためです。

ペクチンとは、細胞と細胞をつなぎ合わせる働きをする多糖類で、食物繊維の一種です。適量の糖と酸があることでペクチン同士が引っ張り合い、糖や水分を閉じ込めながら網目のように絡まり合い、トロっとした状態になります。

ジャムにすると、いちごが長持ちするのはなぜ?

生のいちごは2~3日で傷んでしまうのに、いちごジャムにすると長持ちするのはなぜでしょうか?

それは、砂糖のおかげです。

ジャムにはたくさんの砂糖が入っているので、いちごの水分を砂糖が抱え込みます。

また、余分な水分は加熱により蒸発するので、腐敗菌が増殖するのに必要な水分がなくなってしまうからです。

このように、砂糖や塩などの力で長期間保存できる食品のことを、「保存食」と言います。

料理には学びの要素がたくさん含まれています。

今が旬のいちごは、お手ごろな価格で手に入り、形の小さないちごやふぞろいないちごでもおいしいジャムができます。

旬の食材を使って、「なぜトロっとするのか」や「なぜ長持ちするのか」などの科学の知識を子どもに伝えながら、親子で楽しく作ってみてくださいね。

この記事の監修・執筆者

食育アドバイザー 阿知和 梨香

あちわ りか/大手食品メーカーで10年間商品開発を担当し、数多くのヒット商品を発売。内閣府食品安全委員会の専門委員の経歴を持ち、現在は子ども料理教室「食育クッキング」を主宰。自治体主催のパパと子ども向け食育講座の講師や、企業で幼児食の開発アドバイザーとしても活躍している。

食育クッキングInstagram
https://www.instagram.com/shokuikucooking/

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