【進級って、ちょっと不安】子どもの気持ちに寄りそう声かけとは? 低学年にオススメの4冊も![専門家監修]

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【進級って、ちょっと不安】子どもの気持ちに寄りそう声かけとは? 低学年にオススメの4冊も![専門家監修]

もうすぐ新学期ですね。
進級を前に、新しい友だちや先生との関わり方などに不安を感じるお子さんが多いかもしれません。
おうちのかたは、そんなお子さんの不安にどう寄りそえばよいのでしょうか。

幼稚園・小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生に、新しい環境に対して不安を感じているお子さんへの声かけや見守り方についてうかがい、お子さんの心を軽くする4冊の本を紹介してもらいました。

目次

「世界が広がることが楽しい」と思えるような声かけを

「新しい出会いが楽しみだね」と前向きに

進級前には多かれ少なかれ、だれでも不安になるものです。
お子さんが笑顔で生活できているか、食事や睡眠はいつもと比べてどうかなどをよく見て、ふさぎ込んでいる様子があれば、「どうしたの? 何か心配事があるのかな?」と話しかけてみましょう。おうちのかたが不安な様子だと、お子さんもより不安になってしまうので、さりげなく、できるだけ明るい調子でたずねてみてください。
たとえばお子さんが「クラス替えが心配……」と言ったら、「今まで知らなかった人と知り合えるチャンスだよ」「どんな友だちといっしょになるのか楽しみだね」と、新しい出会いを期待して待てるような声をかけて、不安を和らげるようにしましょう。

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「笑顔で話しかけてみよう」と具体的に

お子さんは不安の中で、「うまく友だちと付き合えるかな」「いじわるな人がいたらどうしよう」と考えているかもしれません。そんな場合は、「世の中にはいろいろな人がいて、やさしい人もいるし、親切な人もいるけど、いばる人も怒りっぽい人も確かにいるよね。出会う人全員と仲よくならなくてもいいから、気の合う人とまず仲よくなろう」と話してみてはどうでしょう。
人間関係は自分次第。嫌だと思った人とは距離を置けばよいし、仲よくしたい人には話しかけてみればよいのです。どうするかを自分が決められると知れば、お子さんの心が軽くなるかもしれません。

「あなたが大事だよ」と伝え心を落ち着かせて

もやもやとした不安を、具体的にことばで表すのが難しいお子さんもいるでしょう。そんなお子さんには特に、「あなたが安心して毎日を楽しめることが、私にとっても一番大切だよ。つらいことがあったら必ず助けるよ」と伝えてください。「何があっても、家族が味方」という安心感があれば、お子さんは前に進む勇気をもつことができます。
お子さんの不安がどこからくるのかを具体的に知ってアドバイスを送ることも必要ですが、何より大事なのは、家庭がお子さんにとって居心地のよい、安心できる場所であることだと心得てください。

本・絵本を通じてさまざまな考え方を知ろう

新しく人と関わることに不安を感じるお子さんといっしょに読み、参考にしてほしい本と絵本を紹介します。

“おもいやり”ってなんだろう?

だれかとよい関係を築くためには、おもいやりが大切だといわれます。でも、おもいやりって具体的にどんなことなのでしょうか。
イラストの場面を見ながら、想像力を働かせ、相手の気持ちをおもいやる本です。目には見えないおもいやりの気持ちや、おもいやりのある行動がどんなものなのかがわかります。

『みんなのきもちがわかるかな? おもいやりの絵本』

『みんなのきもちがわかるかな? おもいやりの絵本』
金の星社 WILLこども知育研究所/編・著 すみもとななみ/絵 1,650円(税込)

感情をことばで表現して伝えるには?

学校でも家でも、毎日の生活の中でもやもやとする問題は起こります。そのもやもやをことばで表現できれば、問題が起こる原因や解決策を自分の頭で考えられるようになります。
「友だちが自分をわかってくれない」「3人で仲よくってむずかしい」など、さまざまな問題が文章とイラストで紹介され、どうすればいいかを提案する本です。読むと、自分の行動の選択肢が増えるでしょう。
おうちの人が読めば、お子さんに人間関係についてのアドバイスをする際の参考になるはずです。

『きみたちのSOSにこたえるシリーズ② 毎日を生きるコツ~友だち・家族・人間関係~』

『きみたちのSOSにこたえるシリーズ② 毎日を生きるコツ~友だち・家族・人間関係~』
Gakken 「毎日を生きるコツ」編集委員会/編 935円(税込)

多様性を大切にするということ

行動や意見を周囲と合わせようとして、だんだんつらくなるタイプのお子さんは多いでしょう。みんなと同じことができなくて、落ち込む場合もありますね。
そんなお子さんに読んでほしい絵本の主人公は、空を飛べないペンギンのモモ。モモが、自分だけ違うこと、できないことは弱みではなく、すてきなことでもあったと気づく物語です。お互いの違いを認め合い、尊重しながら生きていく世界が伝わります。

『そらをとびたかったペンギン だれもが安心して存在できる社会へ』

学苑社 申ももこ/作 shizu/協力 はやしみこ/絵 佐藤恵子/解説 1,760円(税込)

自分の味方は自分!

どうしても、人と関わることがつらいときもあるものです。人と共に行動しないことは、だめでもさみしいことでもないのに、くよくよと落ち込む場合もあるでしょう。そんなときに元気になれる絵本があります。自分が大好きで自分を大事にするぶたの女の子のお話です。
「しっぱいしてもだいじょうぶ。わたしは、いつもわたしといっしょ!」と言う主人公の姿から、自分を肯定し、大切にして、笑顔で生きる楽しさが伝わります。

『わたしとなかよし』

瑞雲舎 ナンシー・カールソン/作・絵 なかがわちひろ/訳 1,430円(税込)

お子さんの不安に寄りそう声かけと本・絵本を紹介しました。
不安な気持ちはだれにでもあるものです。その不安にとらわれず、明るい声かけと共に、本・絵本などを通じて具体的な不安の解消法を知ることで、気持ちを切り替え前へ進めるとよいですね。

この記事の監修・執筆者

千葉経済大学短期大学部こども学科 教授 横山 洋子

富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。

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