【夏の植物や野菜の絵本】/こそだてまっぷの絵本棚 8月号

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【夏の植物や野菜の絵本】/こそだてまっぷの絵本棚 8月号

8月の絵本棚の2回目は、夏の植物や野菜をテーマにした絵本を紹介します。
夏の花の代表でもある「ひまわり」の成長をじっくり見られるものから、すいかや野菜にまつわるお話までいろいろ。
絵本のセレクトは、長野県にある児童書専門店「ちいさいおうち」の広報担当で、エッセイストの越高綾乃さんです。

目次

「夏の植物や野菜」がテーマのオススメ絵本

◆2~3歳にオススメ 『おおきなおおきな きいろいひまわり』

作/フランセス・バリー  訳/たにゆき 1,430円 大日本絵画

<あらすじ>

ひまわりってどんな風に大きくなるのかな? 少し不思議な形の絵本のページを1枚ずつめくっていくにつれ、地面に落ちた、小さなひまわりの種が、地下で根をはり、地上に芽を出し、緑の苗になり…最後のページでは、大きな大きな黄色いひまわりが咲きました。

 

<オススメポイント>

ページを1枚めくるごとに、少しずつひまわりの花が育ち始め、最後にはまあるいひまわりの花があらわれる、めくって広がるしかけ絵本。複雑なしかけではないので、小さい子どもともいっしょに楽しむことができます。

どんどん大きくなっていくひまわりの横に、いつも小さな動物や虫が描かれていることに注目! いつの間にか、みんなでひまわりの成長を見守っているような気分になりますよ。最後にひまわりの花があらわれると、思わず「うわぁ!」と歓声があがることも。

◆3~4歳にオススメ 『すいかのたね』

作/さとうわきこ  990円  福音館書店

<あらすじ>

ばばばあちゃんが、庭にまいたすいかの種。大事そうに地面に埋めているところを見て、好奇心にかられた仲間たちが順番に掘り返していきます。そのたびに「つまらん」「くだらない」と言われて腹を立てたすいかの種は、怒った勢いでぐんぐん伸びたから、さあ大変。あっという間に森も家の中もすいか畑になってしまいます。

 

<オススメポイント>

何があっても動じない、威勢のいいばばばあちゃんのキャラクターが、子どもに大人気のシリーズ。こちらは夏にぴったりなすいかが出てくるお話です。ばばばあちゃんが大事にすいかの種を地面に埋めていると、それを見ていた小猫が何かいい物をかくしたと勘違い。あとからこっそり、掘り起こしてみますが、出てきたのはただの種。がっかりしながら、もとに戻しているところを今度は小犬が見ていて…。うさぎに、きつね、そしてばばばあちゃんまでも、みんながみんな、ほかの人が埋めているものが気になって、掘り起こしてしまうところが、なんともおもしろい。何度も掘り起こされて、怒った種がぐんぐん成長するという、まさかの展開に! ばばばあちゃんとすいかの種の意地の張り合いに大笑いしながら楽しみましょう!

 

◆4~5歳にオススメ 『はちうえはぼくにまかせて』

作/ジーン・ジオン 絵/マーガレット・ブロイ・グレアム 訳/森 比左志

1,320円  ペンギン社

<あらすじ>

トミーは、鉢植えの世話が上手な男の子。夏休みなのに、どこにも連れて行ってもらえないトミーは、旅行に出かけて家を留守にする近所の人たちの鉢植えを預かって、世話をすることにしました。植物はぐんぐん育ち、鉢植えでいっぱいのトミーのお家は、とうとうジャングルのように。そこで、トミーは図書館に行き、大きくなりすぎた植物の扱い方を勉強します。

 

<オススメポイント>

夏休みにどこにも連れて行ってもらえないかわりに、自分の得意なことでアルバイトをしようと考える、トミーの行動力に感心! トミーが世話をしたおかげで、鉢植えたちがどんどん大きくなり、お家の中が森やジャングルのようになっていく様子はとっても楽しそうでわくわく! でも、植物が育つほど、お父さんはしかめっ面に、トミーも植物の世話が大変になってしまいます。ここで、めげないで知識をつけて、もっと多くの人が笑顔になれる方法を見つけ出せるトミーの姿が爽快です。町の人たちも、トミーの家族も、そしてトミーも、みんなが笑顔になれる終わり方もすてきです。

◆小学1年生以上や、大人にもオススメ  『ソフィーのやさいばたけ』

作/ゲルダ・ミューラー  訳/ふしみみさを  1,870円  BL出版

<あらすじ>

夏休みになり、ソフィーは電車に乗って、いなかのおじいちゃんの家へ向かいます。おじいちゃんは広い畑でたくさんの野菜を作っていて、そのお手伝いをします。おじいちゃんは、ソフィーにも自分の畑を作らせてくれました。畑仕事をしながら、ソフィーは野菜の育て方や、畑にいる虫や動物のことなど、さまざまなことを学んでいきます。

 

<オススメポイント>

ソフィーは、もともと都会暮らしの現代っ子。野菜や畑にとくに詳しいわけではないので、読者もソフィーと同じ目線で、少しずついろいろなことを知っていけるのがうれしいところ。ページいっぱいにこまごまと描き込まれた野菜の絵や、豆知識も読み応えがあります。

眺めているだけで、ソフィーといっしょに畑にいるような気分になれ、実際に野菜作りにチャレンジしてみたくなる子もいるのではないでしょうか。わたしはこの絵本を読み終えると、おいしい野菜を食べたくなります。

 

こそだてまっぷの絵本棚 8月号の3回目は、「夏の遊び」や「夏の冒険」をテーマにした絵本を紹介します。

お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

越高綾乃

長野県松本市にある、児童書専門店「ちいさいおうち書店」の広報担当。エッセイスト。著書に『つぎに、読むのどれにしよ? 私の親愛なる海外児童文学』『絵本のつぎに、なによもう? 幼年童話と過ごした日々』(かもがわ出版)がある。

https://www.chiisaiouchihon.jp/   @chiisaiouchihon

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