こそだてまっぷ 編集部
入園・入学・進級から1か月が過ぎ、GWが始まりますね。
慌ただしい日々がようやく一段落して、お子さんもおうちのかたもホッとしているかもしれません。
「せっかく時間が取れるから、子どもに普段できない、いろいろな体験をさせたい! でも、子どもの日ごろの疲れも癒したい……」というおうちのかたも多いのではないでしょうか。
そこで、おうちにいながら、お子さんといっしょにわくわくする体験ができる方法を、幼稚園、小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生に教えていただきました。
「GWにオススメなのが、冒険や謎解きの絵本をお子さんと楽しむ“読み聞かせ”です。
世界を股にかけた冒険や、思いもよらない秘密がつまった謎解きを、絵本で疑似体験してみませんか? お子さんの想像力や推理力、洞察力など、さまざまな力を伸ばすこともできます!」と横山先生。
オススメの絵本も紹介していただいたので、ぜひ家族みんなで楽しんでみてください。
日常とちがう世界を冒険しよう!
冒険を通じて育つ「想像力」と「発想力」
「冒険の絵本のよさは、今いる日常とはちがう世界を体験できること。どんなに遠い国にだって行くことができるし、月や火星も探検できます。過去や未来、天国や地獄など、見たことがない世界へも想像を広げられるところがおもしろいですね。
すべての絵本に言えることですが、最初から最後まで一度で読み切らなければならないわけではありません。お子さんが気に入ったページがあったら、そのページをじっくり見て、絵の感想を話し合ったり、続きをいっしょに考えたりして、いろいろな楽しみ方をしてみましょう。冒険の絵本は特に想像を広げやすいので、お子さんの発想力も伸びるはずです」
長い物語を一人で読むための土台をつくる
「冒険の絵本にわくわくした体験があるお子さんは、本が好きになり、どんどん長い物語に親しむようになる傾向があります。
本を一人で読めるようになったら、オススメしたい冒険物語は『ロビンソン・クルーソー』や『巌窟王』などです。たった一人で無人島に漂着したり、地下牢に閉じ込められて脱出したりする、思いもよらないような冒険が次々と展開し、物語に引き込まれます。お子さんが小さいころの読み聞かせは、そんな読書体験の土台になるのです」
知恵を絞って、謎に立ち向かおう!
謎解きを通して伸びる「推理力」や「問題解決能力」
「謎解きの絵本のおもしろさのひとつに、ヒントとなるものごとを結びつけ、正解を導くことがあります。たとえば3つのヒントがあり、共通点はなにかと深く考える。この瞬間、お子さんは推理力や洞察力を働かせています。
そして、『謎が解けるとおもしろい、うれしい』という経験を重ねることで、じっくり問題に向き合う姿勢も身につきます」
家族のチームビルディングにも
「一人だとどんどん読み進めてしまいがちな謎解きの絵本ですが、家族でいっしょに読むと、すぐに答えを見ることなく、みんなの意見を聞きながらじっくり知恵を絞り、力を合わせて正解を導けるというよさがあります。家族のチームワークのよさを実感できる機会になりますね。
ほかの人のアイデアを聞いて、『そんな考え方もあるね』『すごい、そんなこと思いつかなかったよ!』などと話しながらお互いに認め合えば、お子さんの自己肯定感が高まるきっかけにもなるでしょう」
家族みんなで楽しめる冒険&謎解き絵本4冊
「GWには、いつもより時間をかけて楽しめる絵本をオススメします。
お子さんと会話をしながら読むことを心がけてみてください」
『ボンボとヤージュ』
「探し絵がとっても楽しい冒険絵本です。海に砂漠に街に、新米冒険家のボンボとヤージュは初めての冒険に出発しますが、“宝物とは何か”ということに悩み、本当の宝物ってなんだろうと主人公といっしょに考えることができます」
『じごくのそうべえ』
「落語からできたお話です。軽業師のそうべえは綱わたりの最中に地獄に落ちてしまいます。地獄でできた仲間たちとともに、えんま大王に会ったり、熱湯の釜に入れられたり……。そうべえたちは生き返ることができるのか、未知の世界をハラハラしながら旅する気持ちになります」
『おやこでたからさがしえほん ぐでたまかくれんぼ』
「おうちのかたが家の中に『ぐでたまカード』を隠しておき、お子さんがストーリーを読みながら探す、リアルな宝探し絵本です。隠し場所を変えれば何度でも遊べるので、お子さんが隠して大人が探すのも楽しいですね」
『あたまがよくなるあそび絵本 どろぼう団をつかまえろ』
「迷路や間違い探し、隠し絵、謎解きなど、一冊にたくさんの遊びが詰まっています。どろぼう団にごっそり盗まれた王国のお宝を取り返すために、兄弟がどろぼう団を捕まえる冒険ストーリーも楽しめます」
この記事の監修・執筆者
富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。
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