【子どもの転落事故、夏に増えるのはなぜ?】ベランダ・窓の安全対策

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【子どもの転落事故、夏に増えるのはなぜ?】ベランダ・窓の安全対策

夏はエアコンの利いた室内で過ごす時間が増えますね。エアコンにはふつう換気機能がないため、定期的に窓を開けて空気の入れ替えをすることが推奨されていますが、窓やベランダから子どもが屋外へ転落する事故が発生しています。
一度、家の中を点検し、改めて安全性を見直してはいかがでしょうか。
思わぬ事故を無くすために、実際の事例と家庭でできる対策を紹介します。

文/マムズラボ

目次

なぜ夏は転落事故が増えるの?

夏は窓を開けたり、ベランダに出入りしたりすることが増えるため、転落事故が増加傾向にあり、特に注意が必要です。
事故の原因は「子どもの突発的行動」と「大人が目を離した一瞬の隙」だと考えられています。活発な子どもは好奇心が旺盛です。高い所や外の様子が気になり、突発的に危険な行動を取ることもあります。

そばに見守っている大人がおらず、子どもたちだけで遊んでいるときは特に危険です。

新型コロナウイルス感染症による学級閉鎖などで、お子さんが自宅で過ごす時間が増えれば、事故が起こるリスクも高くなります。子どもの行動は予測できません。また、子どもから片時も目を離さずにいるのは難しいでしょう。
窓やベランダからの転落事故を防ぐためには、事前に危険なポイントを知り、安全な環境をつくることが大切です。

どんな事故が起こっているの?

どんな事故が起こっているの?

転落事故といっても、その状況はさまざまです。

政府広報オンラインの「ご注意ください! 窓やベランダからの子どもの転落事故」で紹介されている事例を元に、どのような事故が起こっているのかを確認してみましょう。

【事例1】 子どもだけで部屋にいて網戸に寄りかかる

【事例2】 足場になるものに登る

【事例3】保護者は別室。ベランダで足場になるものによじ登る

【事例4】ベランダの手すりにつかまっていて、前のめりになって転落

【事例5】ベランダの室外機に登り、手すりを越えて転落

引用元:政府広報オンライン 「ご注意ください!窓やベランダからの子どもの転落事故」

子どもが窓やベランダから転落する事故は、子どもだけで遊んでいるときに多く発生しています。保護者が1階や別室にいるときに、子どもが2階のベランダから転落するなどの事例もあります。
また、窓辺やベランダに足場になるものがあり、それによじ登って手すりを越え転落してしまう事例も多いようです。

転落事故への対策

転落事故への対策

転落事故を防止するために、自宅の窓やベランダ周辺を見直しましょう。

大切なのは、窓の付近やベランダには足場になるものを置かないことです。窓辺やベランダに足掛かりになるようなものがあると、それを踏み台にして、ふとした拍子にバランスを崩し転落してしまう可能性があります。特に、エアコンの室外機は置き場所に工夫が必要です。ベランダに室外機を置く場合は、手すりから60cm以上離しましょう。

また、窓、網戸、ベランダの手すり等は劣化がないかを定期的に点検しましょう。また、子どもが窓や網戸を勝手に開けないよう、手の届かない位置に補助錠をつけるのもおすすめです。

筆者の家庭では2階の大きな窓を二重サッシにしています。内窓、外窓のどちらにも補助錠をつけているほか、ベッド近くの腰高窓には転落防止のフェンスを取りつけました。合わせてすべての網戸にも補助錠をつけています。二重サッシや補助錠は窓の開閉に手間が掛かりますが、転落防止や防犯面でも安心できます。

対策と環境づくりに必要なことをまとめると、次の通りです。
• ベランダを子どもの遊び場にしない。
• 窓やベランダの手すりのそばにプランター、椅子、テーブルなど踏み台になるようなものを置かない。
• エアコンの室外機を手すりから60cm以上離すか、上から吊るすなど設置場所に配慮。
• ベランダの出入口には、子どもの手の届かない位置に補助錠を設置。

見守りと教育で転落事故を防ぐ

見守りと教育で転落事故を防ぐ

事故を防ぐには、ベランダや窓辺などの環境を整えるだけではなく、お子さんへの声かけと保護者の見守りも重要です。

小さなお子さんだと高い所が危ないということを、まだよくわからない場合があります。むやみに恐怖心を植えつけるのは望ましくありませんが、「地面に落下すると大きなケガをすることがある」と説明をした上で、声掛けをするとよいでしょう。

「窓の外には頭や手足を出さないようにね」「足がすべると危ないから、エアコンの室外機には登らないでね」「大人がいないときには、ベランダでは遊ばないようにしようね」「窓を開けたいときは必ず声を掛けてね」など日頃から高い所や、窓やベランダのそばで遊ぶのは危険と隣り合わせだと伝えておきましょう。自分では平気だと思っていても、油断するとケガや事故につながる恐れがあるとお子さんに教えるのも大切です。

しかし、小さなお子さんは危険を察知することがまだ難しいため、事故を防ぐには保護者の見守りも重要です。具体的には、次のようなことを意識しましょう。

(1)子どもだけを家に残して外出しない
(2)ベランダでは子どもだけで遊ばせない
(3)窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

引用元:政府広報オンライン 「ご注意ください!窓やベランダからの子どもの転落事故」

(1)子どもだけを家に残して外出しない

子どもは家に保護者がいないと不安になるものです。窓などの鍵を開け、ベランダから外をのぞき込んだりするかもしれません。たとえわずかな時間でも、子どもだけを家に残して外出することは避けましょう。

(2)ベランダでは子どもだけで遊ばせない

転落事故は子どもがベランダで遊んでいるときに多く発生しています。外の様子が気になったため、身を乗り出した拍子に転落することも。手すり付近に足場になるようなものを置かないようにしましょう。特に、エアコンの室外機の置き場所は注意が必要です。ベランダでは子どもだけで遊ばせないようにしましょう。

(3)窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

7歳以上の子どもでも転落事故は発生しています。子どもは大人と比べてまだ頭が重く、バランスが取りづらいものです。窓やベランダから身を乗り出さない、出窓や窓枠に座ったり、窓や網戸に寄りかかったりしないよう普段から言い聞かせておきましょう。

新型コロナウイルス感染症の対策として、定期的な換気が推奨されています。学校や習い事の教室でも、換気のために窓を開けているところも多いでしょう。子どもからまったく目を離さずに見守ることは不可能です。家の中での対策はもちろんのこと、学校や旅行先など家の外でも注意しましょう。
転落事故を無くすために、高い場所の危険性について、親子で話し合う機会を持っておきたいものですね。

<出典>
・政府広報オンライン
 「ご注意ください!窓やベランダからの子どもの転落事故」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202107/3.html

<参考>
・消費者庁HP窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!ー網戸に補助錠をつける、ベランダに台になるものを置かないなどの対策をー
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_037/
・東京くらしWEBくらしに関わる東京都の情報サイト
子供のベランダからの転落事故に注意!
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kigaikiken/documents/kigaikiken_beranda_202104.html

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