【平成・令和でどう違う?】小学生がつきたい職業、1位は?

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【平成・令和でどう違う?】小学生がつきたい職業、1位は?

人工知能やロボットの発展によるAI化、SNSの流行、コロナ禍などさまざまなことが影響し、職業が多様化しています。そのような社会を反映して、子どもたちがつきたい職業も変化しています。令和の小学生はどんな夢を抱いているのか、調査結果をもとにお話しします。

文/マムズラボ

目次

令和の「小学生がつきたい職業」1位 男子はサッカー選手、女子はパティシエ

令和の小学生は将来どんな職業につきたいと考えているのでしょうか。2021年8月に学研教育総合研究所が調査した「小学生の日常生活・学習に関する調査」の将来つきたい職業について集計したデータを見てみましょう。

学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2021年)」小学生の日常生活・学習に関する調査 男子
引用元:学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2021年)」小学生の日常生活・学習に関する調査

男子は1位「プロサッカー選手」、「YouTuberなどのネット配信者」、3位「警察官」のように2年連続同様の結果になりました。1位の「プロサッカー選手」は1995年から変わらず人気が高く、1999年と2000年の4位を除くと常に1位か2位にランクインしています。

同率1位の「YouTuberなどのネット配信者」は2017年から連続して5位以内にランクイン。小学1年生から6年生まで、唯一すべての学年でトップ5にランクインしており、人気の高さがうかがえます。また、10位の「eスポーツプレーヤー・プロゲーマー」といったゲーム関連も上位に位置しています。

学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2021年)」小学生の日常生活・学習に関する調査 女子
引用元:学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2021年)」小学生の日常生活・学習に関する調査

女子は、1位が「パティシエ(ケーキ屋さん)」、2位に「漫画家・イラストレーター」、同位で「保育士・幼稚園教諭」「看護師」でした。

1位の「パティシエ(ケーキ屋さん)」は2001年度調査からほぼトップにランクインし続ける人気の職業です。

「医師(歯科医師含む)」「看護師」は小学1年生から6年生女子すべてトップ10にランクインしています。昨年よりも順位を上げており、女子の人気が高まったことがわかります。

1989年の小学生の「将来つきたい職業」1位 男子はプロ野球選手、女子は保育士・幼稚園の教諭

ママパパが小学生だったころに当たる時期の調査も見てみましょう。

学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書 1989年(平成元年)調査」「1-6年の科学・学習」児童調査と分析 男子
引用元:学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書 1989年(平成元年)調査」「1-6年の科学・学習」児童調査と分析

㈱学習研究社(現・㈱学研ホールディングス)が1989年(平成元年)に『1~6年の学習』の読者であった小学生(3,600人)を対象に行ったアンケート調査結果によると、
「将来つきたい職業」男子は1位が「プロ野球選手」でした。続いて2位が「一般サラリーマン」、3位が「プロ野球選手以外のスポーツ選手」といった結果に。

Jリーグが発足したのが、1991年。当時はプロスポーツ選手として子どもに身近な存在なのは「プロ野球選手」でした。ここ数年、サッカー選手が不動の1位のように、自分も憧れの選手のような「プロ野球選手」として活躍することに憧れていた男子が多かったことがわかります。

2位にランクインしたのは「一般サラリーマン」でした。1989年はまさに“バブル経済”の景気好調の渦中でした。ビジネススーツに身を包んだサラリーマンの姿がドラマでも多く取り上げられ、子どもたちにとって身近な“憧れ”の存在となったのでしょう。

学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書 1989年(平成元年)調査」「1-6年の科学・学習」児童調査と分析 女子
引用元:学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書 1989年(平成元年)調査」「1-6年の科学・学習」児童調査と分析

女子は1位が「保育士・幼稚園教諭」で圧倒的な人気がありました。続いて2位が「小・中・高校の先生」、3位が「看護師」という結果になり、2021年の上位にランクインした「医師」は姿すら見えません。「薬剤師」や「獣医」もランクに入っておらず、当時は男性のイメージが強い職業だったのかもしれません。

1989年の結果の上位3つは、他者の育成やサポートをするような職種が選ばれています。男女雇用機会均等法が施行され、少しずつ女性の社会進出が増え始めたとはいえ、まだまだ女性が男性と同じ分野で同等に仕事をするというイメージはなかったのかもしれません。当時の女性が多く活躍している職業が選ばれています。

なぜYouTuberになりたい小学生が増えたのか?

なぜYouTuberになりたい小学生が増えたのか?

「つきたい職業」のランキングで、1989年の結果と2021年の結果を比較したときに注目するべきは、男子の1位に「YouTuber」がランクインした点です。2017年から連続して5位以内にランクインしており、女子も2021年は13位です。

「YouTuber」とは、人気動画共有サービスのYouTubeに自分で撮影した動画を継続的に公開している人やグループをさしますが、職業としてGoogleからビュー数に応じた広告費を得ている人たちも多くいます。動画の内容は、どんなジャンルでもよいのですが、広告費は多くの人に見てもらえるような動画ほど広告収入がアップします。

休みの日や暇な時間はYouTubeを見て過ごすという小学生が増えているほど、YouTubeは身近な存在です。SNSが普及する以前、世間に注目されるきっかけとなるソースは、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアでした。

しかし今では、テレビで見たことがない人でもYouTube上で話題となれば一躍有名人になることができ、動画の視聴回数が増えれば増えるほど収入が増えます。ゲーム実況や、メイク方法、料理をしたり、騒いでみたり、自分の好きなことをやって収入が得られるイメージのYouTuberは、子どもたちにとってアイドル的な存在なのです。

親は子どもがなりたい職業をどう応援するか?

親は子どもがなりたい職業をどう応援するか?

親世代が子どものころになかったYouTuberは、職業として確立されているイメージが薄く、ネガティブなイメージを持ちがちです。しかし大人にとっては新参入のYouTubeでも子どもにとっては当たり前の存在になっています。サッカー選手や医師とYouTuberはすべて、子どもには同様に地位と名誉、スター性のある憧れの存在なのです。

YouTuberに限らず、ほかのどんな職業であっても、子どものなりたい職業を聞いたとき、たとえ親としての考えが違っても決して否定してはいけません。無謀に思える職業でも同じです。「なれる・なれない」は別として挑戦する姿勢が大切です。子どもは夢を親に否定されると希望や自信を失ってしまうかもしれません。

例えばYouTuberにしても、ただ動画を撮影するだけでなく、マーケティング力、企画力、プレゼン力、動画撮影や編集スキルなどたくさんの能力が必要です。これらはどんな職業でも大切な技能です。

身近な人からの応援は子どもにとって成長の大きな原動力になります。夢を持ち、夢に向かって努力し、挑戦するプロセスも大事です。子どもが抱いた夢には否定的な意見を言わず、ぜひ応援してあげてください。

<出典>
学研教育総合研究所(Gakken)web版「小学生白書(2021年)」小学生の日常生活・学習に関する調査
将来つきたい職業(男子・学年別)
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/202108/chapter6/02.html
将来つきたい職業(女子・学年別)
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/202108/chapter6/03.html

<出典>
学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書 1989年(平成元年)調査」「1-6年の科学・学習」児童調査と分析
将来つきたい職業(男子)
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/198900/chapter5/02.html
将来つきたい職業(女子)
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/198900/chapter5/03.html

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