【小1のなりたい職業1位は?】子どもの職業選び、親ができること

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【小1のなりたい職業1位は?】子どもの職業選び、親ができること

親としては、お子さんが将来どんな仕事に就くのか、楽しみでもありつつ、心配ではないでしょうか? 
子どもは、将来どんな仕事に就きたいと思い、親はどんな仕事に就いてほしいと思っているのでしょうか。2022年の春に小学校へ入学した子どもとその親を対象に株式会社クラレが実施した「将来就きたい職業」「就かせたい職業」についての調査結果に基づき、近年の子どもに人気の仕事についてお話しします。

文/マムズラボ

目次

なりたい職業 男の子1位は警察官、女の子はケーキ屋・パン屋さん

男の子「将来就きたい職業」トップ20
引用元:株式会社クラレ調べ
2022年度版小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」

男の子は、2年連続で「警察官」が1位。2位の「スポーツ選手」は昨年より比率を上げて「警察官」との差が3.2%から0.3%に縮まりました。3位以下は、「消防・レスキュー隊」、4位「運転士・運転手」、5位「研究者」となり、順位を上げた6位の「ユーチューバー」は、過去最高順位となりました。

女の子「将来就きたい職業」トップ20
引用元:株式会社クラレ調べ
2022年度版小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」

女の子は、「ケーキ屋・パン屋」が調査開始以来24年連続1位。2位は「芸能人・歌手・モデル」、3位「花屋」という結果に。コロナ禍でエッセンシャルワーカーへの注目度が高まったためか、4位「医師」、5位「警察官」、6位「保育士」、7位「教員」と人々のくらしに密着した職業も人気を集めています。

身近な存在が子どもの憧れになりやすい

子どもが将来どんな仕事をしたいかと考えるとき、仕事を選ぶ理由となるのは「憧れ」と「身近さ」ではないでしょうか。

男の子が就きたい仕事の2位が「スポーツ選手」であることは、自分が取り組んでいるスポーツをプロ選手がプレイしている姿を見て、ああなりたいと憧れを抱き目標にする子が多いからだと考えられます。オリンピックやスポーツ番組でアスリートの姿に触れ、元気をもらうとさらに興味を持ち、モチベーションが上がりますね。

1位・3位の「警察官」や「消防・レスキュー隊」は生活に密着しているため、イメージがしやすく、制服姿や専用車が格好よいので、憧れを抱きやすいですね。

また女の子にとっては、2位の「芸能人・歌手・モデル」は華やかな世界への憧れ、素敵な衣装を着て可愛くなりたいと思うからではないでしょうか。1位・3位の「ケーキ屋・パン屋」「花屋」は、子どもたちにも身近な存在で、自分の好きなものに関わりたい気持ちがうかがえます。

親が子どもに願うのは、安定した職に就くこと

男の子の保護者「将来就かせたい職業」トップ20
引用元:株式会社クラレ調べ
2022年度版小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」

一方で、親が子どもに将来就いてほしい職業はどのようなものでしょうか?

男の子の親が子どもに就かせたい仕事は調査開始以来ずっと1位が「公務員」です。2位は昨年に続き「会社員」で、3位も調査開始以来続く「医師」となりました。4位は「スポーツ選手」、5位「消防・レスキュー隊」です。
男の子の親の結果からは「安定した職業に就かせたい」もしくは「子どもが取り組んでいるスポーツで夢を現実にさせたい」という両面の期待が感じられます。

女の子の保護者「将来就かせたい職業」トップ20
引用元:株式会社クラレ調べ
2022年度版小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」

女の子の親が子どもにつかせたい仕事の1位は調査開始以来続く「看護師」、2位は「公務員」となりました。そして、3位は「医師」、4位「医療関係」、5位「薬剤師」と上位ランキングのほとんどを医療系の職業が占めます。
女の子の親は「高いスキルや資格を取得し、結婚や妊娠、出産を経験しても再就職しやすいような専門職に就いてほしい」と願っているのではないでしょうか。

ちょうど子育て世代にあたる30代から40代は、「ロストジェネレーション」と呼ばれるバブル崩壊後の不景気の最中に就職活動をした世代。自身が就職活動に苦労し、将来を悲観的に考えてしまう傾向にあるため、より一層安定志向や堅持さを求めてしまうのかもしれません。

親も子も「知っている仕事」「身近な仕事」に目が行きがち

親も子も「知っている仕事」「身近な仕事」に目が行きがち

筆者には小中学生の子どもが3人います。それぞれの憧れの職業について聞いてみました。

中学生の長女は、小学生の時に「新聞記者」になりたいと言っていました。理由は職業体験型テーマパークでの印象です。自分が見たものや聞いたことを写真に撮って記事にした経験が面白かったそうです。

小学6年生の次女は「歯医者さん」。歯科医をしている身内がいて、幼稚園の時に抜けそうで抜けない乳歯が不快で大騒ぎしていたら、いとも簡単に抜いてくれたことがきっかけで歯医者さんに抱く尊敬の念が憧れとなりました。

小学2年生の長男は、少年野球部に所属しているため「プロ野球選手」です。親の趣味が理由で入部した少年野球ですが、仲間たちと練習していくことで、もっと上手になりたいという気持ちが芽生えました。野球場にも行き大観衆の中でプレイする選手の姿がかっこいいと感じ、日々自主練習をするほどになりました。

3人ともやはり自分の体験から「知る」ことで「身近」に感じた職業から「憧れ」を抱き、興味関心を抱いたようです。

筆者の子どもが幼稚園児のころ、保護者たちの間で「七夕飾りの短冊を見ると親の職業がわかる」と話題になったことがあります。
「こうにんかいけいしになりたい」「けんじになりたい」「MRになりたい」など、あまり子どもにはなじみのなさそうな職業が出てくると、親もしくは身内がその仕事をされていたというエピソードです。
身近で働く大人の姿を見て子ども自身が憧れているのかもしれませんが、親がその仕事を勧めているのかもしれません。子どもはもちろん、親にとっても仕事の実態がよくわかる職業を子どもに勧め、内容がよくわかっているからこの職業に就いてほしいと願うのではないでしょうか。

親子でさまざまな仕事への興味を広げてみよう

親子でさまざまな仕事への興味を広げてみよう

自分だけの力で見聞を広めることが困難な小さな子どもにとって、大人に見せてもらったもの、聞かせてもらったものは大きな刺激になります。特に親からの影響力は強く、親から与えられた知識は「なりたい職業」のキッカケになりやすいでしょう。
しかし、親世代が職業選びをした頃にはなかった新しい職業が現在ではたくさんあります。また、インターネットの普及やオートメーション化により衰退した職業もあります。

まずはどんな仕事があるのか、働くってどんなことなのか、親子で知識を深めてみてはいかがでしょうか。子どもはもちろん、親も今まで縁のなかった仕事を知ることで、子どもへの新たな可能性を広げることができるかもしれません。

そこで、親子そろって仕事について楽しみながら学べる書籍をご紹介します。

めくって学べるしごと図鑑(学研プラス)

『めくって学べるしごと図鑑』(学研プラス)
『めくって学べるしごと図鑑』(学研プラス)

「パティシエ」「医師」「看護師」「サッカー選手」「大工」「飼育員」「消防士」「ファッションデザイナー」「保育士」の子どもに人気の職業8つをクローズアップして解説。
ところどころに手でめくる「まどあきしかけ」が取り入れられていて、ワクワク感があります。
しかけには「どんなことをするのかな?」などの問いかけがあり、子どもに考えさせることで、飽きることなく、深い知識とインパクトを与えます。

職業の詳しい内容だけでなく、どうやったらなれるのか、どんな場所で働くのか、どんなことを心がけたらよいかを紹介。華やかな面だけでなく、大変な部分も含めてその仕事の驚きや発見、やりがいを伝えます。今後AI化が進むとは言っても、人間にしかできない創意工夫や思いやりの大切さを学ぶことで、仕事をすることへの興味と関心が沸くでしょう。
親子で楽しく将来について話すよいキッカケづくりになるのではないでしょうか。

宇宙人とみつける仕事図鑑(文響社)

『宇宙人とみつける仕事図鑑』(文響社)
『宇宙人とみつける仕事図鑑』(文響社)

576もの職業を漫画で紹介。子どもがイメージしやすいよう、ストーリーも盛り込まれていて、どんな仕事か想像を膨らませながら読み進めることができます。1つの仕事についての仕事内容やどうやったらなれるか、やりがいなどを伝えることで知識を深めることができます。
1つの職業にこだわらず、その職業に関連する多くの職業を紹介することで、子どもの視野を広めます。例えば駅で働く人を取り上げても車掌さんや電車の運転手だけでなく、タクシー運転手、バスの運転手、旅行代理店勤務やそば職人やファストフード店の仕事などまでもピックアップ。表舞台に出る職業は有名でも実はその周辺や裏方でこんな仕事があるのだと、親子で発見があるでしょう。
また2040年の仕事や給与明細について描くことで、未来がどんな世の中になっているかを想像させてくれます。

勤務場所がオフィスから自宅へ、コミュニケーションがオンラインへとコロナ禍により大きな変化がありました。また仕事も副業や兼業が可能になったり、雇用形態も職種を特定しないメンバーシップ型から専門職を募るジョブ型雇用も導入されたりなど、親世代が「当たり前」としていたことが社会状況の変化により通用しなくなっています。

親の知識と経験ももちろん大切な情報ですが、そのことによって子どもの可能性を狭めるのではなく、子どもが興味を持った分野に関してもっと知り、応援したいですね。そして自分自身で夢に向かって前向きに頑張れるようサポートしてあげましょう。

<出典>
株式会社クラレ 
2022年度版小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」
https://www.kuraray.co.jp/news/2022/220707

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