【お金のプロ直伝】年中さんからできる金銭教育とは?

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【お金のプロ直伝】年中さんからできる金銭教育とは?

ご家庭で、「お金」のことを意識してお子さんに伝えていますか?
子どもにとってお金に対する感覚は、身近な生活の中で教えてもらわないとなかなか身につきにくいもの。
お金を初めて手にしたお子さんが紙幣をお金として認識していなかったり、100円玉1枚より10円玉5枚を喜んだりしたことはありませんでしたか。

また、最近では電子マネーでの支払いも増え、カードやスマホをかざすだけで買い物ができるため、金銭感覚がさらに身につきづらくなっています。
そこで、お金を自分で使う機会が出てくる年中さん~小学校低学年のお子さんにもすっきり理解できるような、ご家庭でできる「金銭教育」をご紹介します。

目次

お金は電子マネーから湧いてくるわけではない!理解したいお金の流れ

以前なら手元に現金があり、そこからお金を使うという目に見える形で、やりとりされていました。
しかし、キャッシュレス化された現代では、お金の流れが見えず、お金をやり取りしている実感がわきづらくなってしまいました。

もともと、子どもにとってお金の流れはわかりにくいもの。
おうちのかたが働いてお金を稼いでいること、そのお金をやりくりしながら生活していることを、日常的に子どもたちに理解させることが重要ではないでしょうか。

お金の話は大人同士でして、子どもに共有することはないというご家庭も多いかもしれません。
しかし、キャッシュレス化が進む現代では意図的に教えようとしなければ、さらに金銭感覚は身につきにくくなっています。

物はお金を出して購入し、そのお金は働いた対価として得ているということを、おうちのかた自身が意識して子どもに教えながら生活してみましょう。

お金の価値・おつりの感覚が理解できなくなっている

「おつり」という感覚も、現金で買い物をした経験がまだない子どもにとっては難しいでしょう。

「物を購入するときにはお金を払わなければいけない」ということでさえ、現金のやり取りの経験がなければ理解しづらいものです。

筆者の家庭では、小学校の算数の授業で「足し算・引き算」を習ってから、物を買うときにはお金を払い、多めに払えばおつりを受け取らなければいけないということが、わかるようになりました。
「50円のあめを買うのに100円出しました。おつりはいくらでしょう」というような、算数の問題を解いているうちに身についたのかもしれません。

100円玉1枚と10円玉5枚、どちらの価値が高いのかも、小学校に入って算数を学んでからしっかり理解できるようになりました。

小学校低学年の金銭教育の目標は?

小学校低学年に対して、学校が目標としている金銭教育はどの程度のものなのでしょうか。

金融広報中央委員会が公表している教育プログラム「学校における金融教育の年齢層別目標」によると、低学年に対する金融教育の目標は次のような内容です。

・ものやお金の価値を知り、大切にする(生活、道徳)
・欲しいものをすべて手に入れることはできないことを知る
・欲しいものが手に入らない場合に、がまんできるようになる
・予算の範囲内でものを買うことができる
・こづかいやお年玉を貯めてみる
・こづかいの使い方を通して計画的に買い物をすることの大切さに気付く

引用:金融広報中央委員会2021「金融教育プログラム 学校における金融教育の年齢層別目標 【改訂版】

これらの目標を達成するには、自分で買い物をしたり、貯金したりした経験がなければ難しいですよね。
経験第一ですので、お子さんには積極的に、お年玉やお小遣いなどのお金を持たせて管理させてみましょう。
例えばお小遣いは、「お手伝いをしてくれたから」など、労働に対して渡すと、「仕事をするとお金が手に入る」という仕組みが理解できます。

また、お店で品物を目にして、自分の欲しいものはいくらなのか、どれくらいの価値があるのか、今持っているお金で足りるのかなど、多くのことを考える中で、自然と金銭教育が身についていくわけです。ですから、スーパーなどにも、お子さんと一緒にかけて、一緒に買い物する経験を積むと有意義でしょう。

時には、「お金が足りないときは、どうしたらよいのか」ということを助言してあげることも必要になります。
安易に親や祖父母にねだるのではなく、お金がたまるまで我慢したり、欲しいものを手持ちで買える範囲の品物に変更したりするのも勉強のうちです。
日常的にスーパーやコンビニに一緒に出かけ、多くの品物を目にする機会を、金銭教育をするよい機会ととらえ、親子で一緒に考えてみましょう。

年中さんでもできる!子どもが自分で買い物をする体験も大切

小学校に入る前でも日常生活の中で金銭教育の機会はあります。
筆者の家庭では、おやつを買うときは「100円以内」とルールを決めて、現金で自分で払わせ、お釣りをもらうという体験を幼稚園の頃からさせていました。
こういった体験から以下のような学びを経験することができます。

・100円以内で買えるものを自分で見つける
・100円以上するものは我慢して、特別な日まで待つ
・自分でお店の人にお金を渡して買い物をする
・お店の人からおつりを受け取り、なくさないように大切に扱う

年中さんくらいまでのお子さんにとって、こうした経験を日常的にさせることも大切な金銭教育になりますよ。

「おみせやさんごっこ」だって大切な金銭教育

おもちゃ売り場や100円ショップなどで、遊びで使えるおもちゃの「お金セット」が売られているのをご存知でしょうか。
筆者も子どもの頃、母に空き箱で手作りのレジセットを作ってもらい、よく遊んだ記憶があります。
このお金セットは、年中さんくらいから金銭教育をスタートさせるのにもとても役に立ちます。

おすすめなのは「おみせやさんごっこ」です。
できるなら、商品には値付けもしましょう。
チョコレートやガムは一ついくらなのかなどの、金銭感覚も身につきます。

レジの店員さんを真似ることで、お金を預かりおつりを渡す、という経験が遊びの中で理解できるようになります。
足し算や引き算の勉強にもなりますよ。

このように、普段の遊びや生活の中で、お子さんに金銭教育をする機会はいろいろあります。
お子さんとリビングでくつろいでいるとき、家計簿をつけて見せるのもおすすめです。
将来お子さんが適正な金銭感覚を身につけ、自立した生活を送れるようになるために、実際にお金を使う経験を増やし、ご家庭でもっとお金のことについて話をしてみましょう。

<出典>
金融広報中央委員会2021「金融教育プログラム 学校における金融教育の年齢層別目標 【改訂版】
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/program/mokuhyo/

この記事の監修・執筆者

ファイナンシャルプランナー 大田 亜由美

4人目妊娠中に「このままでは我が家の家計がやっていけない!」と、お金の勉強を始めたママさんFP。実際の経験に基づき、「子育てとお金」についてわかりやすく説明します。整理収納アドバイザー、防災士でもある。

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