絵をかくこと、楽器を演奏すること、服をデザインすること……世の中にはクリエイティブな活動がさまざまあります。これからの時代を生き抜くにはこのような能力が重要視されていますが、保護者のことばが子どものクリエイティブな才能の芽を摘んでしまうこともあります。
この記事では、子どもの創造性を育むために避けたいNGワード、子どもにかけてあげたいことばについてご紹介します。
文/マムズラボ
クリエイティブな才能とは?
まずは、クリエイティブな才能とはいったいどのようなものなのかを解説していきます。
思い描き、カタチにする力
クリエイティビティ(Creativity)は、イメージする力やそれをカタチにする力のことです。「想像力」や「創造力」と言い換えてもよいでしょう。どちらも誰にでもある能力ですが、周囲の接し方や環境など、日々の経験によって成長したり、逆にしぼんでしまったりするものです。
AI時代を生き残るカギ
クリエイティブな才能というと、絵画や音楽、ファッションなど、新しく何かを作ったり、何かを表現したりすることだと考えがちですがそれだけではありません。クリエイティブな才能は問題解決や新しいアイデアを生み出すのにも必要です。
これらの力はAIにはマネができません。これからの時代に新たな価値を生み出していくには、クリエイティブな才能が不可欠です。
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子どものクリエイティブな才能をつぶすNGワード5つ
周囲の大人が何げなく投げかけるひと言が、子どものクリエイティブな才能をしぼませてしまうことがあります。ここでは、そんな「NGワード」をいくつかご紹介します。
「太陽は赤でしょ」
たとえば、子どもが絵をかいていて、太陽が青や紫色だった場合、「赤くかきなさい」「オレンジじゃないの?」と声をかけてしまうことがあるかもしれません。しかし、子どもにとっては太陽がどの色にもなりえます。青いのは寒さを表現したいと思ったのかもしれません。紫色なのは空想上の惑星の空をかいているのかもしれません。
「太陽は赤でしょ」と指摘する代わりに、「これはどんな世界をかいているの?」と問いかけると、子どもはどんどんクリエイティブな才能を伸ばしていけます。
「笑われるよ」「くだらない」
子どもが自分で作詞作曲をしておもちゃの楽器で演奏しているのを聞いて、「そんなくだらない歌やめなさい」「人に聞かれたら笑われるよ」といったことばもNGです。
「笑われる」「くだらない」ということばを投げかけられると、子どもは挑戦すること自体に対して恐怖心を抱くようになります。そうなると、子どもが自分の直感を信じる力が弱まり、自己表現のチャンスを逃すこともあるでしょう。
「そこはどんな歌詞にするの?」「ユニークな曲だね」など肯定的なコメントをしてあげると、さらに創造力を発揮していけるようになります。
「もっと丁寧に」
子どもが粘土で動物を作っていて形がいびつだったとき、「もっと丁寧に作りなさい」と言われてしまうと「作りたい」というクリエイティブな気持ちはしぼんでしまいます。作品がきれいに仕上がるかどうかよりも、子どもが楽しんで作ることが大切です。細部にこだわるのはもう少し成長してからでもよいでしょう。
「それはどんな動物? ストーリーを聞かせて」などと大人が興味を示すことで、子どもは作品に込めた思いやストーリーを大切にすることも学びます。
「そんなの無理だよ」
子どもが自分で飛行機を作ろうとしている、手作りのロケットで宇宙に行くことを夢見ている……ということもあるでしょう。そんなとき、「そんなの無理だよ」と言っていませんか? 「無理だよ」は子どもが持つ無限の可能性に水を差すことばです。
大人の経験則に基づいて「無理」と決めつけることで、子どもは新しいことに挑戦する勇気をなくしてしまうかもしれません。
このような場合は、子どもの発想を認めたうえで「実現するにはどうしたらよいのかな?」「宇宙で何をしたい?」などと興味を持って問いかけると、子どもの想像力と好奇心を育んでいけます。
「女の子(男の子)みたい」
キラキラのアクセサリーをいっぱいつけた男の子や、ロボットに夢中になっている女の子に「女の子みたい」「男の子みたい」などと言うのはやめておきましょう。男性はこういうもの、女性はこういうものという決めつけは、発想を狭めてしまいます。
性別に関係なく、「すてきだね」「きれいだね」「どういうところに興味があるの?」などと声をかけてみましょう。
子どものクリエイティブな才能を伸ばすことばかけ4選
子どものクリエイティブな才能を伸ばすためには、どのように声をかけたらよいのでしょうか? ここでは、オススメのことばをご紹介します。
「なるほど」
子どもがいきいきと楽しそうに何かを作っているけれど、大人にはただのグチャグチャしたものにしか見えないということもあるでしょう。そんなときには、無理にほめようとしなくてもかまいません。
なんと言ってよいのかわからないときに使えるのが「なるほど」ということばです。理解しようという姿勢を見せることで、子どもは自分の作品や意見が尊重されたと感じます。
「それ、おもしろいね」
子どものアイデアや創作物に対して「おもしろいね」と共感を示すと、子どもは自分の考えが受け入れられ、評価されていると感じます。
子どもの創造性を認め、肯定していることをことばにして表現することが大切です。
「どうなってるの?」
子どもの発想や作った作品が、どのようなしくみになっているのか興味を持ってもらえることで子どもはますますクリエイティブな才能を開花させます。
また、「どうなっているのか」をきちんと説明しようとすることは、子どもの言語化能力のトレーニングにもなるので、しっかり聞いてあげるようにしましょう。
「いっしょにやってみる?」
料理や掃除など、大人のしていることに興味を持ったらやらせてみるのもひとつの方法です。体験はクリエイティブな発想を広げるきっかけになります。さらに、共に創作活動をすることで、親子の絆も深まります。
NGワードを使わず子どものクリエイティビティを伸ばそう!
クリエイティブな才能は、これからの時代をよりよく生きるためのカギとなります。しかし、子どものクリエイティブな才能を伸ばすのに、特別な教材やスキルはいりません。否定することばをできるだけ避け、ママやパパが子どもの発想を受け止めることが大切です。
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