みなさんが、暑~い季節に食べたいものはなんですか?
ひんやりしたもの? パワーが出る食べものでしょうか?
今回は、さまざまな「夏の食べもの」をテーマに絵本を紹介します。
絵本セレクトは、絵本講座主宰・JPIC読書アドバイザーの大久保徳久子さんです。
「夏の食べもの」がテーマのオススメ絵本!
◆2~3歳向け! 『おばけのアイスクリームやさん』
作・絵/安西水丸 1,100円(税込) 教育画劇
【あらすじ】
おばけのぼんちゃんは、森でアイスクリーム屋さんをしています。ななめ掛けした、アイスクリームのマークの赤いカバンを提げて、あっちこっちに飛びながら売るのです。売るのは特別なアイス。うさぎにはうさぎの形のアイスを、ねこにはねこの形のアイスなのです。
【オススメポイント】
夏といったら、アイスです。
安西水丸のとぼけた味わいの絵が、たまらなくかわいい。
アイスクリームの形が、うさぎにはうさぎ、ねこにはねこの形で差し出されたら、やっぱりうれしいですよね。自分だけのアイスだなあという特別感。甘くておいしい以上に、心を満たしてくれます。
小さな絵本なので、家だけでなく、お出かけなどに持って行って読んでもいいと思います。夏は何かとお出かけがふえる季節です。待ち時間や、退屈しそうな時間にサッと出して読んでみては?
◆3~4歳向け! 『くらべるえほん たべもの』
作・絵/ちかつたけお 1,430円(税込) Gakken
【あらすじ】
似ているけれど、違う食べものが大集合。表紙はつめた~いクリームソーダ。でも、よく見ると違うところがあるのです。スイカやバナナ、クッキー、こんぺいとうなど、よく見ないとわからない。けれど、わかると楽しい! が13個。さあ、わかるかな。
【オススメポイント】
一瞬、写真かと思える精密なイラストで、食べものが次々と現れます。右ページと左ページの食べものの違いを見つけるクイズ形式です。
たとえば、レタスとキャベツのようにすぐにわかるものから、大人でもじっくり見ないと気づかないものまで(ネタばれになるので、ここでは言いませんが)幅広く取りそろえています。
微妙な色の違いや、形の違いに気づけるか。子どもとゲーム感覚で楽しんでください。子どものほうが気づくのは速そうですね。観察する力もつくような気がします。
◆4~5歳向け! 『つるつるプール』
作/えぐちよしこ 絵/降矢なな 1,430円(税込) PHP研究所
【あらすじ】
暑い日、ひやむぎ小学校のみんなは、つるつるプールへ向かいます。つるつるプールには、ひやむぎ以外にも、そうめんさんやおそばさんも来ています。流れるプールで遊んでいるうちに、ひとり見当たらなくなってしまいました。うわあ、大変だ!
【オススメポイント】
夏になると、麺が食卓に上ることがふえますね。そうめんはもちろん、ひやむぎ、そば、うどんも冷やして、ツルツルッ。子どもたちも、身近に感じつつ聞いてくれると思います。この絵本では、そんな麺たちがプールで大集合。画面いっぱいに棒が描かれていて、その姿に圧倒されてしまいます。
この本を読んだ後は、「違いはなんなの?」と聞かれることは、間違いないでしょう。ぜひいっしょに調べてみてくださいね。
◆5~6歳向け! 『うなぎのうーちゃん だいぼうけん』
文/くろき まり 絵/すがい ひでかず 1,430円(税込) 福音館書店
【あらすじ】
うなぎのうーちゃんは、南の海で卵から生まれました。透明な体で生まれ、1か月ほどで葉っぱのような形になります。流れに乗って日本に近づくと、川を上り始めます。川で大きくりっぱに育ち、やがて南の海へ帰って産卵するのです。
【オススメポイント】
土用の丑の日にうなぎを食べる風習は、今も日本に根強く残っています。でも、うなぎのこと、どれくらい知っていますか?
いまだ生態には謎が多いと言われているうなぎですが、この絵本に描かれていることだけでも、わたしには知らないことばかりでした。うなぎは生まれたときは、透明なんです。えら呼吸のほかに、皮膚呼吸もできるのだとか。
養殖もありますから、食卓に上るうなぎが当てはまるかわかりませんが、うなぎの一生に興味をもってみるよい機会ではないでしょうか。
次回の「こそだてまっぷ 絵本棚」は8月。「夏のお楽しみ」をテーマにした絵本を紹介します。お楽しみに!
この記事の監修・執筆者
出版社勤務など30年以上絵本の編集に携わる。現在は、「絵本の可能性を広げる」をモットーにオリジナルの絵本講座を開催。全国の赤ちゃん~小学生の保護者、保育士、図書館司書など、これまで1,500人以上に絵本の魅力と可能性を伝えている。
https://lit.link/ookubotokuko
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