【専門家監修】コロナ禍におすすめ!お家でできる親子の運動遊び

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【専門家監修】コロナ禍におすすめ!お家でできる親子の運動遊び

コロナ禍もあって、屋外で自由に遊ぶことが難しい年末年始がやってきます。家族で過ごす時間が増えるこの時期に、親子で運動遊びをしてみませんか? 屋内でも全身を使って遊ぶことは、じょうぶな体づくりにつながるのはもちろん、子どもの頭にも心にもいい作用がいっぱい。おすすめしたい運動遊びについて、運動保育士で「栁沢運動プログラム®」を実践している栁沢友希先生にお話をうかがいました。

イラスト:野田 節美

目次

体にはもちろん、心にも頭にもいい!? 親子でする運動遊びとは?

「いまの子どもたちは運動する子と全然しない子の二極化が起こっています。さまざまな運動体験ができていない子がとても多いんです」と話すのは、栁沢友希先生。運動保育士として長年、未就学児に運動遊びの指導を行い、多くの子どもの体の使い方を見守ってきました。

「未就学児でも運動をしたがらず、体を動かしにくそうにしたり、すぐにけがをしてしまったりする子が増えていると感じます。2歳くらいの子はどの子も体が柔らかいと思われがちですが、カチコチに硬い子も多いのです。

そこでおすすめしたいのが、ご家庭での“運動遊び”です。おうちの方といっしょに体を動かす遊び、運動遊びをすることで、楽しく、安心しながらたくさん体を動かすことができ、子どもの運動経験をつくることができます。体にいいだけじゃなく、たくさんのメリットがあるのが運動遊びのすばらしさです」

親子の運動あそびのメリット5つはこれ!

栁沢先生が考える、親子でする運動遊びのメリットは次の5つ。

☆メリット1 ケガをしにくい体づくりができる
☆メリット2 おなかがすき、よく食べて、よく眠れるようになる
☆メリット3 達成感が自信につながり、心と頭のよさにつながる
☆メリット4 親子のスキンシップ&コミュニケーションにぴったり
☆メリット5 ママ・パパが子どもの成長を実感できる

☆メリット1 ケガをしにくい体づくりができる

「『うまく転べる体づくり』と私はよく言うのですが、転んだときにとっさに手をつくことが難しい子が増えています。転び方が下手なせいで、大きなケガにつながることも多いです。子どもの体が硬く、動かせる範囲が狭いことが原因です。自分の体を守ることができる柔軟性やバランス感覚を養うことができる、これが運動遊びのメリットです。ケガをしない、疲れにくい体を幼いうちにつくりましょう」

☆メリット2 おなかがすき、よく食べて、よく眠れるようになる

「日中にたくさん体を動かして遊ぶことで、よく食べて、よく眠れるようになります。生活習慣が整うことで体力がつき、持続力が養われ、それが次の意欲につながると考えられます。また、全身の筋肉を動かすことは、そしゃく力や滑舌にもよい影響を与えます。つまり、よい体づくりは、よい生活につながります。元気に楽しい毎日を過ごすための基礎となる体力を、おうちの方もいっしょにつけていきましょう。大人にもいい運動になりますよ!」

☆メリット3 達成感が自信につながり、心と頭のよさにつながる

「できなかったことができるようになる…運動遊びでは、成功経験をたくさん重ねることができます。『でんぐり返しができるようになったから、今日はピーマンを食べてみる!』というふうに、生活面でもチャレンジ精神が生まれるのです。達成感は自信になり、『またやってみたい』『もっとやりたい』と思えるようになる。この精神的な成長は、小学校入学後の勉強への意欲や集中力にもつながります。さらに筋力のある子は座り姿勢を維持できるので、集中力に違いが出ます。つまり、頭のよさに直結するといえるのです」

☆メリット4 親子のスキンシップ&コミュニケーションにぴったり

「子どもを抱き上げたり、手を合わせたりといった動きが多いので、自然に親子間のスキンシップが増え、絆が深まります。できたときにほめることもとても大切です。ほめる機会が増えると、信頼関係も強くなります。一方通行ではない会話がふくらみ、共通の話題もできてコミュニケーションにもつながります。子どもと肌をあわせることで、親にとっては癒し効果もバツグン! ストレッチ効果もありますよ」

☆メリット5 ママ・パパが子どもの成長を実感できる

「『重くなったな』『手が大きくなってきたな』『昨日怖がってたのに今日はできた』などと、普段気づかない目線で子どもの成長に気づくことができます。昨日できなかったことが、今日できるようになる。そんな小さな成長に気づくことができるのは、親子ならではです。毎日は難しくても、週末に必ずやるようにしたり、曜日を決めてやってみたりと、習慣づけて行うことで、成長に気づきやすくなるでしょう」

実践! 親子で運動遊び 年齢別おすすめを紹介!

「運動遊びは0歳から始められます。スタートは、幼ければ幼いほうがいいです。小さい子のほうが恐怖心がなく、何でも受け入れてチャレンジすることができ、さまざまな動きに慣れていきます。そして持ち上げたり、肩に乗せたりといったおうちの方の補助も楽なんです(笑)。3歳以上の子が始めるときは怖がってしまうかもしれないので、少しずつできることから始めて「楽しい」と思える遊びを心がけてください。また、大人も子どももはだしで行うことで滑りにくく、また足の指をしっかり使うことができるのでおすすめです。寒い時期は体を動かすことでぽかぽか効果も。親子で充実した時間が過ごせますよ!」

●ちょこっとアドバイス●
・動きやすい服装とはだしで、子どもの機嫌がよいときに行いましょう
・今回は室内で行いやすい、音の出ない運動を選びました。屋外でやってもOK!
・子どもが安心できる雰囲気、言葉かけを意識して。何回もねだられるときは「あと3回でおしまいね」などとわかりやすく区切りを伝えましょう

0〜1歳向け エレベーターでゴー!

0〜1歳向け エレベーターでゴー!
  1. 立って子どもを前向きに抱き、腕の間に子どものおしりを入れておしりの下で指を組みます
  2. ひざを曲げ伸ばしして上下に動かします

☆POINT

腕の間にすっぽりと子どもを入れると安定感アップ。「上だよー、下だよー」と伝えながら楽しく行いましょう。

0〜1歳向け ひざ上ひこうき

0〜1歳向け ひざ上ひこうき
  1. 大人はあおむけに寝てひざを曲げ、すねの上に子どもを腹ばいでのせます
  2. 子どものわきの下を支え、ひざを曲げ伸ばしして上下に動かします

☆POINT

いつもと違う目線でバランス感覚を養います。目線をあわせ、落下しないように気を付けましょう。

2〜3歳向け 進め!どっしんどっしん

2〜3歳向け 進め!どっしんどっしん
  1. 子どもを大人の足の甲に座らせ、しっかり足にしがみつかせます
  2. 子どもを乗せたまま、「どっしんどっしん」と歩きましょう。子どもは落ちないようにします

☆POINT

お互いが全身の筋力を使うハードな遊び。ゲーム性もあって楽しめます。

2~3歳向け さかさまにらめっこ

2~3歳向け さかさまにらめっこ
  1. 子どもと大人が背中合わせにして立ち、肩幅くらいに足を広げます
  2. 「にらめっこしましょ」と言いながら両手を床につき、「アップップ」で足の間からお互いにのぞきこんでにらめっこします

●POINT

柔軟性やバランス感覚につながる楽しい遊び。ひざが曲がってないか、お互いチェックしても。両手をつく場所は、体から少し離すと安定します。

4~5歳向け グラグラ背中登山

4~5歳向け グラグラ背中登山

大人がうつぶせに寝て、子どもは背中に乗ってバランスをとったり少し歩いたりします。

☆POINT

手を広げたり、ひざを曲げたりするとバランスをとりやすくなります。大人にはマッサージ効果も。

4~5歳向け 肩からくるりんぱ!

4~5歳向け 肩からくるりんぱ!
  1. 大人はひざを伸ばして座り、子どもは後ろに立ち、大人の片方の肩から両手を差し出します
  2. 大人は上半身を少しかがめながら子どもの頭とおしりを支えます
  3. 声をかけながらタイミングをあわせ、子どもは前まわりし、大人の足の上に寝てゴール!

☆POINT

子どもの体を前に倒すときは、しっかり丸めるとよいでしょう。「せーの!」と声をあわせて楽しく行いましょう。

コロナ禍で過ごす年末年始、ふれあいのある運動遊びをいっしょにして、家族みんなで元気にすごしましょう!

この記事の監修・執筆者

運動保育士 栁澤 友希

やなぎさわ ゆき/1985年長野県生まれ。松本短期大学幼児教育科卒業。運動保育士として長野県下の幼児教育機関で運動支援を行う。父である栁澤秋孝氏が考案した「栁澤運動プログラム®」をもとに、運動遊びや親子遊びを通した幼児期の支援方法を調査・研究中。2児のママ。

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