【子どもは静かに溺れる】いざというときに慌てない!夏休み「水の事故」対策[セコムIS研究所監修]

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【子どもは静かに溺れる】いざというときに慌てない!夏休み「水の事故」対策[セコムIS研究所監修]

夏休みに家族で海や川、プールなどに行かれるご家庭も多いと思います。そんなとき、気をつけたいのは水の事故です。令和6年の調査では、水難事故は過去10年間で最多の発生件数となっています。「せっかく行くのだから……」といった無理な行動や、「ここなら安心だろう」といった油断が、思わぬ事故につながる危険性もあります。
水の事故を防ぐためには備えが大切。お出かけの前に確認しておきたいお子さんとの約束事、安全対策についてセコムIS研究所の舟生岳夫さんに伺いました。

取材・文/FUTAKO企画

目次

「意外と見落としがち」な水辺でのリスク

子どもの水難者(死者・行方不明者)の割合が高いのは、海(60.0%)河川(33.3%)で、行動別では水遊び中の事故(40.0%)が一番多くなっています。(警察庁「令和7年夏期における水難の概況」)
子どもの様子を注意して見ているつもりでも、ヒヤッとするケースは案外あるものです。場所別にポイントを整理してみましょう。

海や川での注意ポイント

・浅瀬でも溺れる可能性がある ・水の中に入らなくても波にさらわれることがある
・泳ぐ予定はなくてもライフジャケットは必須
・ビーチ「サンダル」はNG
・足裏のケガを軽く見ない

海や川には波や流れがあり、水面下の状態がぱっと見ただけではわかりにくいものです。ですから、穏やかに見える場所でも注意が必要なのです。浅瀬に見えていたのに急に足がつかなくなり、パニックになって溺れてしまうケースも少なくありません。
波打ち際で遊んでいても離岸流(岸から沖へ向かう強い流れ)に巻き込まれたり、思ったよりも流れの早い川で足をとられて流されたりすることもあります。

お子さんと水辺に行くなら、水に入る予定がなくても子ども用(股下用ベルトがあり脱げにくい)ライフジャケットの準備は必須です。
そして、ガラス片や小石、貝殻などによる足裏のケガや感染症にも注意が必要です。消毒をしたから大丈夫と思っていても、後から腫れてきて重症化するリスクもあります。ケガ対策に、必ずビーチシューズを着用しましょう。かかとのないサンダルでは水中で脱げてしまう可能性があるので、足全体を覆うビーチシューズを用意しましょう。

さらに、地域によっては8月中旬から9月にかけて水温が上昇することで、海には毒をもったクラゲが大量発生することがあります。その地域のクラゲの出現情報などにも注意を向けることが大切です。
また、水辺に限ったことではありませんが、猛暑の屋外では熱中症の危険と常に隣り合わせです。遊びに夢中になりすぎて脱水症状を起こすことがないように注意しましょう。

プールでの注意ポイント

・溺れているのに気づかれない
・排水口近くで動けなくなる
・はしゃぎすぎて転倒や衝突事故に
・急な体調の変化

海や川より安全なように思えるプールでも、監視員が見守っていたとしても溺れたり、転倒してケガをしたりする事故は毎年起きています。
溺れるきっかけは、足を滑らせた、足がつったなどわずかなことですが、発見が遅れると命の危険に直結します。排水口に足が吸い込まれたり、指が挟まったりという事故も過去には起きています。
「子どもは静かに溺れる」とよく言われますが、声を出すこともできずに溺れて気付かれず、水の底に沈んでいるところを発見されるケースもあります。幼児用の浅いプールでも溺れる危険性があるので、とにかく目を離さないことが重要です。

また、はしゃいだ子どもが、滑りやすいプールサイドを走って転んだり、飛び込んで人とぶつかったりするなど、思わぬ事故につながる危険性もあります。
そして、急な体調変化にも注意。温度が低い水中に長時間いると、体温調節機能が低下し「低体温症」を引き起こすことも。そして、睡眠不足や疲れによっても足がつるなど溺れる原因になるのです。

水辺で遊ぶときの子どもとの約束

子どもはふだんと違う場所に行くと、テンションが上がって興奮状態になることがあります。 その結果、大人の言うことが耳に入っていなかったり、ルールを無視して行動してしまったりすることがあります。現地ではもちろん、出発前の落ちついている状態のときに下記の約束をしておくとよいでしょう。

大人の指示に従う

水辺での事故は命に直結します。大人から離れて子どもだけで勝手に水辺に近寄ったり水の中に入ったりしないことや、水辺で走ったり無理に水中に飛び込んだりせずルールを守って行動すること、ライフセーバーや監視員の指示があった場合はきちんと従うことを事前に約束させましょう。

決められた場所で遊ぶ

水辺には、パッと見ただけではわからない危険が潜んでいるもの。
海水浴場や川の近いキャンプ場などには立入禁止区域が看板に掲示されていたり、安全のための柵が設置されていたりします。
プールでも、排水口のそばなど危険な場所には十分に注意が必要です。
子どもが気づかずにそうした場所に立ち入らないよう、現地で「ここからここまでの範囲で遊ぼう」と約束させましょう。

ライフジャケットやビーチシューズを必ず着用する

ライフジャケットは命を守るための装備。暑いから、邪魔だから、と勝手に脱がないように約束させましょう。水中に落ちたときにライフジャケットが脱げてしまったり、膨張式のライフジャケットが膨らまなかったりといったことがないよう、サイズのチェックも大切です。海岸で貝や生き物などを探す際は、軍手や水中用のグローブもあるとよいでしょう。

水に入る前に準備運動をする

準備運動が不足していると、足がつったりバランスを崩したりする可能性が高まります。 水中での転倒は溺れることに直結していること、わずか十数センチの深さでも溺れることを教え、水辺には予測不可能な危険が伴うことを意識させましょう。

流されたものを拾いに行かない

遊具やおもちゃ、帽子などが流されても「追わずに大人に知らせる」ことを徹底しておきましょう。実際に、流されたものを追いかけたことが原因となる事故は少なくありません。

溺れたときはバタバタしない

水中で深みにはまったり、急に足がつったり、足を滑らせて流されたり、不測の事態に直面すると、大人でも慌ててしまうことが多いもの。もしものときは「バタバタせず体の力を抜いて、浮いて救助を待つ」ということを知識として教えておきましょう。

保護者が知っておくべき安全対策

遊びに行く前には、子どもだけではなく、保護者の側の事前準備も大切です。場所選び、天候状況などの情報収集、体調管理も万全にしておきましょう。

安全が確保された場所を選ぶ

出かける際には、ライフセーバーや監視員等が常駐して監視体制が整っているかどうか、安全に管理された場所かどうか、サイト等で十分に情報収集を行い、「不安を感じるような場所には行かない」ということが大前提です。

海に行く場合は特に、安全な場所かどうかを十分に確認しましょう。管理された海水浴場とは、具体的には「ライフセーバーや監視員等が常駐している」「遊泳区域を示すブイロープが張ってある」「遊泳区域を示す旗(エリアフラッグ)が立っている」ということが目安になります。指定された遊泳エリア内であることを確認して泳ぎましょう。
同じ海水浴場でも、年ごとに遊泳区域が変わったり、クラゲの大量発生があるなど「去年と状況が違う」場合もあります。「去年は大丈夫だったから」と過信しすぎないことも大事です。

当日の天候状況の把握

海や川など、屋外に出かける場合には、事前に天気予報をチェックしておくことが必要です。天候が悪い日、天候が変わりやすいことが予想される日や、前日に天候が荒れた日などは、無理せず早めに計画を変更することも大切です。 同じ海でも、天候によって危険度は変わってきます。特に、波が高く、荒れている海は非常に危険なので絶対に近づかないようにしましょう。

体調の悪いときは無理をしない

子どもはもちろん、大人も体調の悪いときに水辺で遊ぶのは危険です。
疲れているときや睡眠不足のときに無理をすると、自分だけではなく子どもの安全にも関わります。
また、飲酒後の遊泳は大変危険ですので、お酒を飲んだら泳がないようにしましょう。

短い時間でも子どもを一人にしない

水に入るときは大人が先に入り、水から出るときは大人が最後に出るようにします。 下の子の世話をする間に上の子を一人にしたり、メールやSNSの返信をしたりといった、ほんのちょっとした時間であっても子どもから目を離さないようにしましょう。

そして、幼児や泳げない子の水遊びには必ず保護者がそばに付き添うこと。水辺では、ほんの少し目を離した隙に姿を見失ってしまう可能性もあります。浮輪をつけていたり、浅い場所にいたりしても油断しないことが大切です。
親族で出かけたときなど、複数の大人で手分けして子どもの様子を見ることができれば、より安心ですが、その際に危険なのは「他の大人が見てくれていると思っていた」と、つい油断してしまうこと。見守りの分担を決めておくなど、こまめに声をかけ合うことが大切です。

万一のために連絡手段を確保しておく

もしも水の事故が起きたときに、救助機関に速やかに通報できるよう、スマートフォン等で連絡できるように連絡手段を確保しておきましょう。水没して使えなくなるといった最悪の事態を防ぐため、ストラップ付き防水パックを利用するのもよいでしょう。緊急の際は下の番号に通報しましょう。
海の事故: 118番(海上保安庁)
・河川の事故:119番(消防)、110番(警察)

どんな対応がベスト? 正しい対処法をチェック!

大前提として知っておきたいのは、訪れた場所にライフセーバーや監視員がいる場合は、自分だけで勝手に判断せず、助けを借りるということです。そのうえで、下のような緊急時の対応も知っておきましょう。

ガラスや岩場でけがをしたとき

消毒薬や傷口洗浄用の真水を用意する。ちなみに、クラゲに刺されたときは、患部を「海水」で洗う。このとき、真水は絶対に使用しないこと。真水を使うと、刺胞からさらに毒が放出されることがある。

溺れている人を見つけたとき 

ライフセーバーや監視員を呼び、ペットボトル、クーラーボックスなど浮くものがあれば投げる。自分の勝手な判断で助けに行かないこと。

溺れた人を救出したとき

呼びかけて反応がない場合:119番(消防)に通報、近くの人にAEDを準備してもらう。
→状況によっては、スマホをハンズフリーにして両手を使える状態にし、通信指令員や救急隊員の指示に従いながら必要な処置を行うこと。正常な呼吸がない場合は、胸骨圧迫、人口呼吸など心肺蘇生を行う(水を吐いたら顔を横にする)。

呼びかけて反応がある場合:横向きにしてタオル等で体を包んで保温し、ライフセーバーの指示に従うこと。

最後に

楽しいはずの水辺での遊びが思わぬ事故につながらないよう、事前に情報収集すること、家族みんなの体調の不安がない状態で出かけること、無理をしないことが大切です。
「子どもから常に目を離さない」というのはなかなか大変なものですが、水に入るときは大人が必ずそばにいて一緒に行動することで、危険を回避できます。
どんなに泳ぎが得意であっても、水の事故は起こります。また、たとえ以前遊んだことがある場所であっても常に安全であるとは限らないため、油断しないことが大切です。

この記事の監修・執筆者

セコムIS研究所 リスクインテリジェンスグループ所属 舟生 岳夫

ふにゅう たけお/セコムIS研究所 リスクインテリジェンスグループ所属。キッズデザイン協議会理事、防犯設備士、インテリアコーディネーター。子どもを守るための調査・研究に日々取り組み、各種防犯セミナーの講師をはじめ、学校のセキュリティポリシー策定コンサルティングなどを行う。2006年2月にオープンした「子どもの安全ブログ」では、モデレーターとして、子どもたちが安心して健やかに育っていくための情報を発信し続けている。

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https://www.secom.co.jp/kodomo/

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