【子どものゲーム時間を制限しないとその影響は?】ルールを守ってもらうために保護者ができることとは?

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【子どものゲーム時間を制限しないとその影響は?】ルールを守ってもらうために保護者ができることとは?

小学生になると、ゲームで遊ぶ子どもも多いですよね。適度に楽しむならいいのですが、なかなかそうもいかず「子どもがゲームばかりして困っている」「ゲームの時間は制限したほうがいいの?」などと、悩んでいる保護者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ゲームの制限時間について、その決め方、制限を守ってもらうために保護者ができることについてご紹介します。

文/マムズラボ

目次

ゲームの制限時間を決めないとどうなる?

ゲームの制限時間を決めないとどうなる?

制限時間を決めずにだらだらとゲームで遊び続けていると、子どもはどうなってしまうのでしょうか?

まずは、制限せずにゲームを続けた場合に起こりえる日常生活への支障をご紹介します。

ゲーム依存症になる可能性がある

ゲームを長時間やり過ぎてしまうと、ゲーム依存症になる恐れがあります。ゲーム依存症とは、遊ぶ時間を自分でコントロールできなくなったり、引きこもりになったりするなど、ゲームのために日常生活に支障をきたしている状態です。

香川県では、ゲーム依存症になる子どもを増やさないために、令和2年3月に「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」が策定されました。その内容は、以下のとおりです。

・ネット・ゲーム依存症対策を推進することを目的としている。
・保護者は、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身につけられるよう、子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用にあたっては、1日あたりの利用時間が60分まで(学校等の休業日にあっては、90分まで)の時間を上限とする。
(※1)

成績が下がる可能性がある

「学校がある日に1時間以上、週末に1日4時間以上を娯楽的に、インターネット、ソーシャルメディア、ゲームに費やす子どもたちは、1年後に、国語、数学、英語などのテストの成績が下がったと」いう研究結果があります(※2)。海外の研究結果ですが、日本の子どもも同じような状況になる可能性が考えられます。

先ほどご紹介した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」では、「香川県教育委員会が実施した平成30年度香川県学習状況調査において、スマートフォンなどの使用時間が1時間を超えると、使用時間が長い児童生徒ほど平均正答率が低い傾向にあるという結果」も報告されています(※1)。

生活リズムが崩れる可能性がある

夜間に長時間ゲームをすることによって、睡眠時間が短くなり、生活リズムが崩れる可能性もあります。夜遅くまでゲームをすると興奮してしまい、眠りが浅くなって日中に眠くなってしまいます。そうすると、朝起きられなかったり、学校の授業に集中できなかったりなど、学校生活においてはデメリットしかありません。

上記のことから、健全な日常生活を送るためには、ゲームの制限時間を決めたほうがよいと考えられます。

よく読まれている記事:【1日2時間の屋外活動で近視を予防!】子どもの視力を守る毎日の習慣、最新事情[医師監修]

ゲームの制限時間はどのように決めるべき?

ゲームの制限時間はどのように決めるべき?

では、ゲームをする時間のルールは、どのように決めたらよいのでしょうか? 続いては、「ゲームの制限時間の決め方」のポイントをご紹介します。

子どもといっしょにルールを決める

いちばん大切なのは、子どもの意見を取り入れ、子どもと話し合って時間の使い方を決めることです。

保護者が勝手にゲームに関するルールを決めてしまうと、子どもは納得できずにかくれてゲームをしたり、嘘をついたりしてしまう可能性があります。逆に、「これなら守れるかも」と本人が納得したルールなら「守ろう」という気持ちになれます。

まずは、どのようなゲームで、どこがおもしろいのか、どこで夢中になって止められなくなってしまうのかなど、現状を子どもにヒアリングしましょう。そのうえで、どのようなルールなら守れるのか、子どもにアイデアを出してもらうのがベストです。

1日にゲームをしてよい時間の「長さ」を決める

低学年の場合は、30分から1時間程度で設定しているご家庭が多いようです。最近のゲーム機には、あらかじめ決めた制限時間で終了する「見守り機能」がついているものもありますので、活用するとよいでしょう。

また、先ほどご紹介した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」のなかには、「子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用にあたっては、1日あたりの利用時間が60分まで(学校等の休業日にあっては、90分まで)の時間を上限とすること」とあります。このような条例があることを子どもに伝えてもよいかもしれません。

ゲームの「終わりの時刻」を決める

「何時間」といったような長さを決めるのではなく、「20時まで」などのように終わりの時刻を設定するご家庭もあります。

子どもが、「ゲームを何時から始めたかわからないから、いまから30分!」などと言ってだらだら続けてしまう場合は、「夕食が始まるまで」「お風呂に入るまで」「〇時まで」など具体的にいつ終わりにするのかを決めておくとよいでしょう。

なかには、「ゲームは朝の登校前」と決めているご家庭もあります。早起きするほどゲームで遊べる時間が増えるため、朝、子どもが自分で起きるようになるというメリットがあります。

「長さ」で決める場合も「終わりの時刻」で決める場合も、タイマーをかけたり、スマートスピーカーで呼びかけたりなど、保護者が声をかけなくても本人が気づくようなしくみを工夫するのもオススメです。

ゲームの制限時間を子どもに守らせるための工夫

ゲームの制限時間を子どもに守らせるための工夫

子どもが無理なくゲーム時間をへらし、制限時間のルールを守れるようにするためには、どのような工夫ができるでしょうか。いくつかご紹介します。

ルールが守れたらほめる

そもそも、ゲームには人間がつい熱中してしまうような工夫が満載です。一度ゲームの楽しさを知った子どもが、その魅力にあらがって制限時間を守るのは、保護者が想像する以上の精神力を要します。

子どもが制限時間を守れたら「あたりまえ」と思わず、おおいにほめましょう。ルールを守るモチベーションがアップします。

ゲーム以外で楽しいことを増やしてあげる

遊びや趣味を教える、友だちと外で遊ばせる、いっしょに外出するなど、ゲーム以外の楽しみを見つけられるように保護者がサポートしてあげることも有効です。ゲーム以外で楽しめる時間があれば、自然とゲームをする時間がへっていきます。

「金曜日はいっしょに夕飯を作る」「週末は家族でカードゲームをする」など、子どもといっしょに楽しめる時間をつくれば家族のコミュニケーションの時間も増えるでしょう。

勉強をゲーム感覚で行う

ゲーム感覚で勉強をしてもらえるように、ゲーム方式を取り入れた学習アプリなどを利用するのもオススメです。子どもにとっては「ゲームができて楽しかった」という満足感にもつながります。

学習の進度によってキャラクターが育つドリルや、バトルして算数の力がつくアプリなど、さまざまなものが出ていますので、ぜひ一度さがしてみてください。

習い事に通わせる

スイミングやピアノ、ダンスなど、子どもが興味を持った習い事に通わせることで、物理的にゲームとの距離を離せるうえに、ゲーム以外の趣味を見つけるきっかけにもなります。費用がかかることなので、かんたんには始められませんが、家族で一度検討してみるのもオススメです。

保護者も時間の使い方も見直す

子どもにだけゲームの時間制限を課して、保護者は深夜までテレビや動画を見てだらだら過ごしている、といった状態では子どもはルールを守る気になりません。保護者も時間の使い方を見直す必要がないか振り返ってみましょう。

子どもにゲームの制限時間を守れるようになってもらおう

子どもにゲームの制限時間を守れるようになってもらおう

ゲームをやり過ぎている子どもが、制限時間を決め、それを守れるようになれば、ゲームに振り回されず、健やかに日常生活を送れるようになります。

しかし、いまゲームに夢中になっている子どもが、自分だけの力ではゲームの魅力から抜け出すのは非常に難しいため、どうしても保護者の協力が必要です。子どもが長時間ゲームから離れられず、困っている方は、無理なくゲーム時間をへらせるように応援していきましょう。

【引用】
(※1)一般財団法人 地方自治研究機構「ネット・ゲーム依存症に関する条例」
(※2)ScienceDirect「The relationship of interactive technology use for entertainment and school performance and engagement: Evidence from a longitudinal study in a nationally representative sample of middle school students in China」

この記事の監修・執筆者

曽田照子

作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』

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