【子どもが勉強上手になる秘策⁉】「ゲームを味方に!」3・4年生から始める、子どもとゲームの上手な付き合い方/専門家監修

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【子どもが勉強上手になる秘策⁉】「ゲームを味方に!」3・4年生から始める、子どもとゲームの上手な付き合い方/専門家監修

「ゲームをしたがる」「YouTubeへの依存度が高い」「テレビばかり見ている」「友だちもやっているから許しているけれど、本当はやめさせたい…」など、親からすると“やめさせたいNo.1のゲーム・スマホ・テレビ”。

低学年の頃と違い、中学年になると中間反抗期に入ることもあり、隠れてゲームをしたりYouTubeを見たりする子もいるという話も聞こえてきます。このような場合、いったいどのように接していけばよいのでしょうか。

ここでは、多くの母親から育児や教育に関する相談を受けている、一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会代表理事の藤田敦子さんに、ゲームなどとの付き合い方についてお話を伺いました。

文/こそだてまっぷ編集部

目次

ゲーム等は与えてOK! 与えないとかえってNG行動をとることも!

ゲームやスマホなどは、そもそも「与えるか、与えないか」という選択肢に悩む保護者が多いのではないでしょうか。私は「与えてOK」だと思っています。子どもが望む場合は、むしろ与えてあげてください。

なぜなら、ゲーム・スマホ・テレビなども、世の中にあるもののひとつとして、子ども自身に知っておいてほしいからです。知ったうえで「どう付き合えばよいか?」を考えることが重要です。

よく「ゲームをしたら勉強時間が減るからダメ!」「だらだらテレビばっかり見ない!」などといって、頭ごなしに否定し、禁止する保護者の方がいらっしゃいます。このような教育方針を突き通された保護者のお子さんは、いずれ親に隠れてゲームをするようになってしまったり、禁止されることでストレスを抱えることもあり、親子関係が悪くなる原因になってしまう可能性もあると言えるでしょう。

これはある方の経験談です。

お子さん(高校生)に対してゲームを一切与えていないとおっしゃるお母様がいました。しかしそのお子さんは、毎日の昼食代に持たされていたお金の一部を少しずつ貯めて内緒で中古のゲーム機を買い、家ではできないので学校や塾でゲームをしていたのです! なんとこの事実を知らないのは、お母様だけ(お子さんの友だちやその保護者は全員知っているという状況)でした。……まさか親だけが「自分の子はゲームをしていない」と思っているのです。恐ろしい話ですよね。

このように、子どもに“強い制限”や“禁止”をさせると、いずれ親に隠れて要求を満たそうとすることもあります。しかしこれでは何も解決しませんし、親子関係にも良いことはありません。

もし今、お子さんから「ゲームが欲しい」という要求があるようでしたら、頭ごなしに否定せず、まずは「そうなんだね」と気持ちを受け入れるところから始めてみましょう。

ゲームを始めるタイミングは「良好な親子関係が築けたとき」

よく「何歳からゲームを与えてもいいですか?」という相談が多く寄せられますが、一概に「○歳からOK」ということではなく、お子さんと保護者が話し合えること、そしてお子さんが家庭のルール(約束)を理解し、守ることができるようになる頃がタイミング、といえるでしょう。「親子の絆」がきちんとできている状態であれば何才でもOKです。3・4年生頃になれば、このような状態をむかえられるお子さんが増えてくるのではないでしょうか。

ただ、お子さんがある程度のことを理解できるようになってきたからといって、保護者が「ゲームは○分ね」「YouTubeのあとは必ず勉強しなさい」などと一方的にルールを決めてしまうことはNGです。

大切なことは
●家庭のルールを親子で話し合えること
●子どもといっしょにルールを決めること

です。

このような親子間のコミュニケーションは、なにごとに対しても“自分で決めたこと・世の中のルール・人との約束” を守る、という学びにつながります。

親子で話し合うときには、ぜひ「どうしたらいいと思う?」とお子さんに問いかけ、お子さんの意見を取り入れる形でルールを決めてみてください。ルールは一方的に決めつけられたものよりも、自分で決めたことの方が守り続けることができます。

すでに上にごきょうだいがいるなどで、幼少の頃からゲームを与えているご家庭の場合は、今一度、家庭でのルールについて、お子さんご本人としっかり話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

一番大切なことは、ルールを決めた「理由」を伝え続けること

ご家庭によって事情が異なりますから、ゲームをする上でのルール内容はそれぞれ決めていただくのが良いと思います。ルールでよく決められることといえば、主に以下でしょう。

●時間(例:1回○分、1日でトータル○時間まで、など)
●場所(例:家のみ(公園や塾は×)、明るいリビングで、など)
●タイミング(例:宿題のあと、お風呂に入る前まで、など)

重要なことは「なぜ、このルールにしたか?」という「理由」をお子さんが理解することです。そのために保護者の方は具体的に伝え続けてあげましょう。

「長時間画面を見続けたり、暗い場所でゲームすると、視力が悪くなるからだよ」
「放課後にすることは? 宿題、お風呂、夜ごはん…ゲーム以外にもすることがあるよね? それを考えてゲームの時間を自分で決めてみてね」

などと、お子さんが聞いたときに想像しやすいことを具体的に並べて伝えましょう。

その都度、理由を想像することで理解が深まり、結果的にルールを守り続けることができるようになります。

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ゲームは「悪」ではない! むしろ勉強と「共存」が吉

ゲーム・テレビ・スマホといえば「勉強の邪魔」「頭が悪くなる」「無駄な時間」などと、多くの保護者からは「悪」の存在ともいえるような声を、本当によく耳にします。

でもこの考え方では、もったいないです! 
私は「共存」できれば一番いいんじゃないかなと思っています。

ゲームやテレビ、スマホ自体は子どもに悪影響を及ぼすものではありません。むしろこれからの時代、ITは不可欠。禁止や制限ばかりして扱えない&扱い方がわからない方が断然、損、ともいえます。

実はゲームもYouTubeも学習のツールの一つとして活用できるんです。ゲームって頭を使いますよね。内容によっては学習プリントよりも効率的にプログラミングや空間認識の感覚、情報処理の仕方などを身に付けることができますYouTubeは、学校や塾の勉強や、受験対策になる動画類も豊富で、しかも無料で見放題のものも! なんと、ありがたいことでしょうか。

こんなに有効な手段を味方につけない手はありません! むしろ「このゲームどうやってするの?」「いっしょにしよう! 教えてほしいな」と、保護者が肯定的になることで、子どもは罪悪感なくゲーム類を楽しむことができます。このように「共存」していくことで、生活環境、学習面、親子関係、すべてがより良い方向に向くのではないかと考えます。

これは藤田家の経験談です。
実は以前、私自身がテレビやゲームは「悪」と捉えていました。
長男が中学生の時。私は夜20時まで仕事をしていたので、学校から帰って宿題もしないでテレビを毎日見ていた長男に腹が立ったので、テレビを新聞紙で包み、毎日「見たらシバく!」とはり紙をしては見る時に外す、を繰り返していました。

ゲーム好きな次男に対しては、私が何度も自宅のどこかにゲーム機を隠しまくりました。あるとき私はゲーム機を隠し過ぎて「どこに隠したか忘れた!」という事態になってしまい…。結局、家族で家じゅうを探しまわる…という珍エピソードもありました(笑)。

こんなふうに禁止することでは、私は怒ることに疲れ、息子たちも結局同じことの繰り返し。良いことは何もありませんでした。
そこで、あるときからゲームやテレビは「悪」ではなく、ルールを設けて「共存」するスタイルに変えると、息子たちも納得。むしろ息子たちが主体的に決めたルールだったので、上手に時間をやりくりできるようになりました。

大好きなゲームやテレビの時間を捻出しようと息子たちは自分で工夫を重ねているうちに、気づけば“時間配分を考える計画性”と“限られた時間の中で、ものごとを進める集中力”が養われました。息子たちはテレビやゲームと「共存」することで、生きていく力を養っていったのです! 

この結果はすごい! ということで、私は自分自身の失敗談から、ゲームとは「共存」できればいいこと尽くし♪ だと考えています


いかがでしたか? 藤田敦子さんの、ご自身の経験からも語られたとおり、ゲームは味方につけ「共存」していけると良いようですね。まずは保護者の考え方を見直すところから始められるとよいのかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。

この記事の監修・執筆者

一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会 代表理事 藤田 敦子

一般社団法人日本ぺたほめ®アカデミー協会代表理事。ぺたほめ®医専アカデミー代表。日本心理学会認定心理士・日本心理学会正会員。同志社大学文学部心理学専攻卒業。

息子二人を洛星中学校・高等学校卒業後、京都府立医科大学医学部医学科現役合格(現在は二人とも現役医師)に導いたシングルマザー。現在は、ご自身の子育てで培った「ぺたほめ®教育法」で多くの保護者から教育・育児相談を受けている。

著書『受験も人生も楽しめる! 3~9歳 理系脳・運動脳が育つぺたほめ親子あそび』1,650円(税込)/小学館

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