【家庭教師と塾の違いは?】中学受験で家庭教師をつけるメリットを知りたい![専門家監修]

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【家庭教師と塾の違いは?】中学受験で家庭教師をつけるメリットを知りたい![専門家監修]

2024年度、首都圏で私立・国公立の中学校を受験[受検]する小学6年生の人数は少子化の影響もあって10年ぶりに減少しましたが、受験率は過去最高で18%を超える結果となりました(首都圏模試センター集計より)。
「中学受験のために、塾と家庭教師の併用を検討するご家庭は増加傾向にあります」と教えてくださったのは、「学研の家庭教師」(学研エル・スタッフィング)の福惠望さんと手塚涼太さんです。「中学受験コース」を担当するお2人に、中学受験における家庭教師のメリットについてお話を伺いました。

こそだてまっぷ編集部

目次

家庭教師と塾の大きな違いは何ですか?

家庭教師は知識の定着を重視

「中学受験に限らず、一般的に塾では1人の先生が複数の子どもに知識を教える、いわばインプット型の授業が行われています。一方で、家庭教師が大切にしているのはアウトプットです。つまり、お子さんが知識を理解して定着させているか、その知識を使って問題が解けるかまでを確認するのが家庭教師の特徴です。その違いを知って、家庭教師を活用していただきたいです」(手塚さん)

家庭教師が塾のフォローも

中学受験のための塾の中には、知識を教えるのは塾、知識を定着させて実力を伸ばすのはご家庭と役割分担をしているところもあります。しかし、受験生のフォローをご家庭ですべて受け持つのは大変なことです。そこで、生活面でのフォローはご家庭で、学習面でのフォローは家庭教師に任せたいというご要望をいただくことが多いです」(福惠さん)

子どもの実情が把握できる

「保護者の方が、お子さんは塾に通っているし、宿題もやっているようだから大丈夫と感じていても、テストや模擬試験の結果が思わしくないこともあるでしょう。もしかしたら、お子さんは、塾で教えてもらう内容の半分くらいしか理解できない、または宿題も答えを写して提出しているだけかもしれません。家庭教師はマンツーマンなので、お子さんがどこまで理解して、何につまずいているのかを細かく把握し、対策することができます。保護者の方は結果を見て『なんで成績が上がらないの?』とお子さんに思わず言いたくなることもあると思いますが、勉強の進捗を家庭教師にアウトソースすれば、お子さんの精神面や体調管理に専念でき、よい親子関係を維持しながら、お子さんの中学受験に伴走できるのではないでしょうか。
マンツーマン指導が性格に合うということで、大手塾の模擬試験などを活用しつつ、家庭教師のみで中学受験に挑戦するお子さんもいます」(手塚さん)

家庭教師と生徒

家庭教師はどんなタイミングでお願いするとよいですか?

集団塾への入塾前が効果的

「『入塾前?』と驚かれてしまうかもしれませんが、家庭教師の効果が最も高いのは入塾前からです。多くの塾で行われる入塾テストの内容は、小学校で習うものとは大きく異なります。家庭教師との学習で、ある程度お子さんの実力を上げてからの入塾をおすすめしたいです。学校のテストではいつも高得点をとっているお子さんが、塾で受けたテストの点数が悪く、落ち込んでしまうことも少なくありません。入塾後も、復習テストなどでしっかり点数が取れるように家庭教師がフォローすれば、模擬試験などの点数が上がって、学習へのモチベーションが維持できます。
中学受験では一般的な小3の2月からの入塾をお考えなら、小2の始めころから家庭教師を取り入れてはいかがでしょうか」(手塚さん)

≪関連記事≫【塾に通う子は44.5%、将来の夢は「わからない」】イマドキの中学1年生とは

お子さんの問題点が知りたいとき

「保護者の方から相談が多いのは、塾で1年ほど学んだものの、成績が変わらないか、もしくは下がってしまったお子さんに関することです。『勉強していないわけではないのですが…』とおっしゃる保護者の方もいらっしゃいます。多くの塾では、小4で基礎的な学習、小5で応用的な学習、小6で志望校対策をする流れがありますが、まず、お子さんのつまずきが、この流れのどこにあるのかを知ることが大切です。
中学受験の知識が豊富な家庭教師なら、お子さんのつまずきを、教科ごとに塾の復習テストや模擬試験などの結果も含めて詳しく分析し、対策することができます」(福惠さん)

小6の志望校別対策や過去問対策

志望校別コースが一部の難関校しか設定されていない塾もあります。また、過去問への取り組みを考えると、問題用紙の用意から採点まで、保護者の方の負担が大きい場合もあります。そこで、お子さんの志望校に特化した対策、過去問対策のために塾と家庭教師の両方を活用するケースも多いです。
本格的に過去問に取り組む小6の2学期以降は、精神的に不安になるお子さんもいるかもしれません。そんな時に保護者の方が志望校の情報を1校ずつ整理し、過去問を用意して、お子さんがしっかり理解するまでフォローするのも大変ですから」(福惠さん)

家庭教師を選ぶときは、どんなことに気をつければよいですか?

信頼関係が結べるか

「塾とは違って、家庭教師はマンツーマンでお子さんと向き合うのですから、信頼関係が大切です。例えば、どんなに評判のよい家庭教師でも、お子さんと合わなければ学習成果は上がりません。お子さんの現状を理解して寄り添い、保護者の方にも客観的で適切なアドバイスができる家庭教師を選んでいただきたいです。話しやすさも重要ですね。
中学受験は、お子さんの学びの過程の1つです。中学校、高校、またその先でお子さんが前向きに勉強を続けられるような中学受験ができるとよいと思います。そのために、家庭教師を役立ててほしいです」(福惠さん)

中学受験の情報がアップデートされているか

「中学受験に関する情報は日々更新されます。入試日程や試験科目、募集人数の変更、入試形式やコースの新設などの情報を始め、お子さんの志望校の科目分析や出題傾向、難易度の変化、受験校の併願パターンなど、必要な情報にアクセスできているか不安に感じる保護者の方も多いです。お子さんの学習をフォローする家庭教師が、常に新しい情報を把握できていなければ、最適な指導もできません。また、家庭教師から新しく必要な情報を得ることができれば、ご家庭の手間もだいぶ省けます。その分、お子さんの精神面のフォローに余裕を持てるのではないでしょうか」(手塚さん)

家庭教師と親子

今回は、中学受験と家庭教師についてお話を伺いました。
お子さんの中学受験がよい経験になり、親子関係を深めながら中学受験を乗り越えられるように、家庭教師のサポートを考える参考にしてみてください。

この記事の監修・執筆者

『学研の家庭教師』(学研エル・スタッフィング) 福惠望/手塚涼太

小学受験、中学受験、高校受験、大学受験に対応したプランがある『学研の家庭教師』で主に「中学受験コース」を担当。中学受験について熟知し、家庭教師の活用方法をはじめ、塾とのバランスの取り方など、受験する子どもと保護者へ幅広くアドバイスを行っている。

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