家庭学習とは、その名のごとく家庭内で取り組む学習であるため、小学校低学年は基本的には親がサポートしなければなりません。ところが、お仕事が終わってから、または家事をこなしながら子どもの勉強をみるのはけっこうな時間と労力を要します。それに、使う教材も何を選べば良いのか迷う方が多いことでしょう。
一方で、保護者がついていなくても一人で勉強しやすい通信教材を使った家庭学習もありますが、こちらはそれなりにお金もかかってくるものですし、実はサポートが必要なことが多いです。かといって塾に行かせるのはまだ早いかな? と迷うご家庭は多いのではないでしょうか? 今回は、家庭学習サポート専門家の大沢有貴子さんにお金と労力を最小限に抑えた家庭学習法をうかがいました。
1.都道府県の教育委員会が提供する無料ドリルを活用しよう
あまり周知されていないようですが、都道府県の教育委員会が住民のために作成した無料ドリルが公開されています。住民のためとはいえ、ウェブサイトに掲載されているものなので誰でも使用可能なのがうれしいです。
自分でやりたい単元のプリントを探し、印刷するという手間はかかってしまいま
すが「今日、授業で習ったところがわからなかった」「明日のテスト対策をしたい」など、押さえておきたいポイントや焦点を絞った勉強をしたい時に便利です。
教育委員会が発信しているということで信頼度はバツグン! 学校の授業で使用されることもあるそうなので、復習・予習に役立ちます。
2.教育委員会のほかにもインターネット上には無料ドリルがたくさん!
教育委員会のほかにも無料のドリルがあります。無料というと、質や量が気になる方もいるかもしれませんが、以下のインターネット上のドリルはおすすめです。学校の授業より少し難しい問題に挑戦してみたい! もう少し遊びの要素を交えて楽しみながら学びを定着させたい! というご家庭は、先ほどの教育委員会発信のドリルとあわせて取り組んでみるのもいいですね。
ぷりんときっず
幼児から小学3年生までのプリントが提供されています。学習帳・ノートもあり便利です。
学習プリント.com
幼児向けの「ぬりえ」や「迷路」などの遊びプリントから、小学校で習う単元の学習プリントまでがあり、学年別、教科別に検索できます。
3.教科書準拠ドリルを使う
お子さんが使用している教科書の内容に沿って学ぶことができるのが準拠ドリルの特徴です。各教科書会社ごとに用意され1冊1000円〜と無料ではありませんが、予習・復習のほかテスト対策が掲載されているものもあり、ドリル自体に厚みがあることから1冊やりきれば大きな“達成感”を得られます! 今まで1冊やりきったことがないお子さんには、一単元でも1ページでも終わらせたときに「がんばってるね」と努力を認めてあげてください。
お子さんに合ったものを選ぶことが大切ですが、教科書準拠ドリルを購入の際は種類が2つあります。「教科書ワーク」(文理)と「教科書ぴったりトレーニング」(新興出版社)の2種類です。どちらも子どもが楽しんで学習に取り組めるよう工夫が凝らされていますので、よく比較して選びましょう。
4.ドリルだけじゃない! インターネットの解説動画やアプリもあり
どんな問題に取り組んでも保護者が勉強を“教える”というのは、親子ならではの慣れ合いや甘えでうまくいかないものです。今は勉強・教育系ユーチューバーも多く登場していて、元教師や現役塾講師が教えてくれるなどありがたいチャンネルがたくさんあります。動画が好きなお子さんは多いので、保護者がついていなくても一人で集中してくれるのもメリットです。
遊びの要素が多すぎても困りますし、逆に授業になってしまうと子どもが離れてしまうという問題が生じますね。そこで今回は、数あるチャンネルの中から子どもに分かりやすい動画と楽しみながら学べるアプリを紹介します。
19チャンネル
元祖勉強・教育系ユーチューバーともいえる、葉一さんの「とある男が授業をしてみた」の公式サイトです。
NHK for School
Eテレで放送している「学校放送番組」をいつでも見ることができます。アプリも便利です。
ドラゴンドリルシリーズ公式(Gakken)
人気ドリルのアプリ版で、無料でも遊べます(アプリ内課金あり)。問題を解いてかっこいいドラゴンを解放します。
5.シルバー人材センターが開催する学習教室に行ってみよう
家庭で取り組むのではなく、通うタイプの学習法になりますが、高年齢者等の社会参加をサポートするため、区市町村ごとに設置されているシルバー人材センターで行われている子どもたちのための学習サポートもおすすめです。
経験豊かな高年齢者の方が学習塾より格安で勉強を教えてくれます。集団指導や個別指導、学校の教科書を使用する、別教材を使用するなど各所異なるので一度調べてみるといいでしょう。動画と異なり、対面なのでその場で質問できるというのもメリットです。
シルバー人材センターのほかにも、公民館や集会所のような公共施設でも学習塾よりお手頃な価格で学習教室が開かれていることがあります。また、学習教室以外にも英会話教室や体操、ダンス、バレエ、書道なども格安で習うことができるので、興味のある方は自治体の広報紙やホームページを見て情報を集めてみるのもおすすめです。
お金と労力をつかわず親子ともにハッピーに取り組める家庭学習法は、たくさんあります。お子さんと一緒に話し合いながら続けられる学習法を見つけましょう。
この記事の監修・執筆者
家庭学習サポート専門家として活躍する二児のママ。自身の子育て経験とこれまでの活動をもとにママの不安に寄り添えるアドバイスを発信。親の手間やお金の負担を最小限に、家庭学習をサポートする方法を紹介している。
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