【小学校入学直前! 親が気をつけたいこと】否定的な言葉を避け、プラス思考で振り返り、子どもをほめる!

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【小学校入学直前! 親が気をつけたいこと】否定的な言葉を避け、プラス思考で振り返り、子どもをほめる!

小学校入学を控え、早起きするなどの生活習慣を見直したり、必要なものを買いそろえたりと、さまざまな準備をされてきたと思います。そして、あともう少し…という段階になると、「本当にうちの子、大丈夫?」などと不安が増してしまうことも。
そこで、入学直前のこの時期、保護者のかたの対応について、教育評論家の保護者野智可等先生にうかがいました。

目次

保護者の不安から出る「否定的な言葉」は極力避ける

この時期、特に第1子の場合、心配なことがいろいろ増えてきます。

そんなとき保護者はつい、「早くやらないとダメ」「片付けないとダメ」とか、「早く着替えられないと、小学校でついていけないよ」「服を畳まないと、先生に怒られるよ」などと、否定的な言葉を言ってしまいがちです。

保護者の気持ちもわかるのですが、そういう言葉をかけられると、子どもはより不安になってしまい、自己肯定感も下がってしまいます。小学校に対する不安も増して、「学校って、怖いところだな」「先生、怖いかも…」「ぼく、ダメかも。できないかも」と、思ってしまうかもしれません。

できるだけこういった「否定的な言葉」を使わないよう、気をつけましょう。

プラス思考で振り返る!

子どもが自信をもって、小学校への期待も高まるような雰囲気をつくっていくためには、プラス思考で、幼稚園や保育園での生活を振り返ってみることがオススメです。

①体の成長を言葉で伝え、実感する

背が伸びたかなと笑い合う親子。

体の成長は、目で見て確認できます。身長がどれだけ伸びたか、靴のサイズがどれくらい大きくなったか…ズボンを小さいころのものと重ねてみると、差は歴然です。

そういったことを、「こんなに身長伸びたんだ!」「3年前の靴、こんなに小さかったんだね、大きくなったね」などと、言葉にして子どもに伝えてあげてください。

体の成長は、この時期の子どもにとって、純粋にうれしいことです。「わたし、こんなに大きくなったんだ」と素直に喜べます。

②楽しかったことを振り返る

幼稚園や保育園で、「友達とたくさん遊んだな」とか「○○先生と楽しく過ごしたな」「幼稚園のバーベキュー大会、楽しかったな」「粘土遊び、いっぱいしたな」など、楽しかったことを子どもと思い出して、お話ししましょう。

③がんばったことを振り返る

「アサガオに毎日水やりをした」とか、「縄跳び、がんばった」「絵本をたくさん読んだ」など、どんなことでもいいので、がんばったことを思い出しながら、親子で言い合いましょう。

④できるようになったことを振り返る

「着替えができるようになった」「靴の右左を間違わずに履けるようになった」「折り紙で○○が折れるようになった」など、練習したり何度も挑戦したりしてできるようになったことをいっしょに振り返り、話してみましょう。

プラス思考で、成長したところ、楽しかったこと、がんばったこと、できるようになったことを保護者子で振り返り、見つけていくなかで、子どもは「ぼく・わたしって、けっこういい感じ!」と自信がもて、いろいろな不安も軽減されていきます。

「ほめ写」で自己肯定感をアップ!

入学を控えたお子さんが、不安を感じているなと思ったら、お子さんをほめることが大事です。オススメなのが「ほめ写」です。

保護者の携帯電話やカメラには、たくさんの写真や動画が入っていると思いますが、その中から、前述の何かをがんばっている様子や、できるようになったこと、また、保護者子や兄弟で写っている写真や、とびきり笑顔の写真など、すてきだなと思う写真を選び、プリントアウトして、家の居間や廊下、玄関など、いろいろな場所に貼ります。

このときのポイントは、少し大きめにプリントアウトすることと、子どもの目線に入る位置に貼ること。

同じ写真を繰り返し目にすることで、子どもは「あのとき、楽しかったな」「わたし、がんばったな」「お父さん・お母さんは、ぼくのことを大事にしてくれているな」といった感情が沸き上がってきます。

自己肯定感を上げることにつながり、保護者子関係や兄弟関係もよくなっていきます。

1年生を題材にした「絵本」などもオススメ

小学校での生活に見通しがつかないと、子どもも不安です。

そこでオススメなのが、小学校での生活がわかるような、新1年生向けの絵本や図鑑などです。今はネットで調べればたくさん出てきますし、図書館などにもあるので、子どもといっしょに見て、「小学校では、こういうことをするんだ」「こんなところなんだ」といった見通しがもてるようにしましょう。

不安なお子さんには、共感することが大事

見つめ合う親子。

小学校への入学が、期待より不安が強いお子さんの場合、まずは共感することが大事です。「心配になるよね、わかるよ」とか、「お母さんも小さかったとき、心配だった。みんな不安になるよね」などと、共感してあげましょう。

子どもが不安を口にすると、「大丈夫だよ」「心配いらないって」などと、よかれと思って、すぐ励ましたりアドバイスしてしまったりすることもあると思いますが、いきなりこの対応はNGです。そう言われてしまうと、子どもはそれ以上、不安な気持ちを言葉にすることができなくなってしまいます。

不安な気持ちを言葉にして言い、それに対して共感してもらうことで、不安な感情が和らぐことがあります。

また、中には自分で不安な思いを伝えるのが苦手な子もいます。そうした場合は、「友だちができるのか、心配なのね。わかるよ」と保護者が代弁してあげましょう。

子どもの不安な思いにたっぷり共感したうえで、最後に「でも大丈夫だよ。お友達できるよ」などと、励ましてあげてください。

保護者だって不安! 不安を認めて、悩みを話せる人を

不安そうな保護者。

わが子が小学校に入学するのは、とても不安なものだと思います。不安は、愛情の表れでもあり、向上心の表れでもありますね。

保護者も、その不安をよく味わってみることが大事です。たとえば「ああ、わたし、緊張している」「不安に感じているな」と、もう一人の自分が客観的に自分を見る感じです。

そうして客観視することで、緊張がほぐれてくることがあります。

それをしないと、ずっと不安や緊張を抱えたままになってしまいます。

同時に、お子さんを信じる気持ちをもつことも大事です。「大丈夫、きっとやれる」「自分から(友達に)話しかけられる」などと、お子さんの成長した姿を信じてみましょう。

友達や信頼できる先輩ママなどに、不安な気持ちを聞いてもらったりしてもよいと思います。自分だけで抱え込まないことが大切です。

食事や言葉についてなど、お子さんについて具体的に心配な点がある場合は、担任の先生にお話しするといったことも、必要に応じて行っていきましょう。

また、発達面が気になるお子さんの場合、幼稚園や保育園の先生から「専門家に見てもらったほうがよいのでは」と言われたけれど、なかなか決断できずにそのまま、というかたもいらっしゃいます。心配だけど、大丈夫なんじゃないか、と悶々と考え続け、時間が経ってしまったケースもあります。

本やネットなどで情報を探す方もいますが、やはり専門家でないとわからない部分が多いため、あまり深刻に考えこまずに、専門家に見てもらいましょう。診断名がついたとしても、早めに療育などでお子さんに合わせた対応ができれば、お子さんのためにもなると思います。

いずれにしても、入学について心配し過ぎないでください。お子さんを信じて、小学校入学が楽しみになるようなプラス思考での言葉かけをしていきましょう。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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