【秋の代表的な昆虫とは?】身近に生息している虫を探してみよう!

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【秋の代表的な昆虫とは?】身近に生息している虫を探してみよう!

昆虫が活発に活動する時期には夏のイメージがありますが、秋も昆虫にとって過ごしやすい季節です。秋に成虫になる昆虫も多く、昆虫採集や観察をすることで季節の変化を感じることができます。

ちなみに、小学校受験のペーパーテストでは、季節の昆虫に関する問題が出題されることがあります。受験を考えるご家庭にとっても、実際に昆虫に接して知識を得る機会は深い学びにつながることでしょう。

さて、普段のお出かけやお散歩の中で見つけやすい秋の昆虫はどんな種類なのでしょうか?  写真付きでご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

文/マムズラボ

目次

公園や庭で見つけられる秋の昆虫8選

公園や庭で見つけられる秋の昆虫8選

普段のお出かけやお散歩の中で見つけやすい秋の昆虫を8種類ご紹介します。子どもにも馴染み深い昆虫もいますので、ぜひ探してみてくださいね。

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キリギリス

キリギリス

アリとキリギリスの話でもよく知られる昆虫です。夏から秋にかけて河原や川原や土手などで昼夜問わず鳴き声を聞くことができます。鳴き声は「チョッ、ジーチョン!」と表現され、ススキやヨモギなどのやや背丈の高い草むらで鳴いている姿がよく見られます。夏から秋にかけて土の中に産卵し、卵のまま越冬して春に孵化すると、幼虫が地上へと出てきます。幼虫と成虫は同じ形をしており、脱皮を繰り返しながら大きくなっていくのが特徴です。

キリギリスは「玉ねぎ」を餌にすると、簡単に捕まえられます。玉ねぎを輪切りにしてタコ糸などに結び、反対側を長い定や木の枝などに結びつければ「キリギリス釣り」の道具の出来上がりです(※1)。キリギリスの目の前に吊るした玉ねぎをそっとたらすと、匂いに反応して玉ねぎに向かって飛んできます。小さな子どもでも簡単にできる仕掛けですので、挑戦してみてくださいね。

分類バッタ目 キリギリス科
体長約45mm 
※性別・種類により異なる
分布本州・四国・九州
「Gakken キッズネット「キリギリス【<螽>】」より引用」

コオロギ

コオロギ

「コロコロコロ」と、美しくよく通る鳴き声で有名な「秋の虫」の風物詩ともいえる昆虫です。日本全国に広く分布しており、森林や草原、田んぼ、河原などで見かけられます。日本で確認できるコオロギにはいくつかの種類があり、下記が代表的です。

代表的なコオロギの種類
・エンマコオロギ
・オカメコオロギ
・ミツカドコオロギ
など

成虫の大きさは平均で10〜40mmほどですが、海外には50mmを超える種類のものも存在します。

最大の特徴は、60cmほども跳ねるジャンプ力です。人間の太ももにあたる部分が大きく発達し、ここから生み出される脚力でバッタのようによく跳び跳ねることが可能です。コオロギ特有の鳴き声が聞こえたら、ぜひ見つけてみましょう。

コオロギには仲間もたくさんおり、「リーリー」と鳴くマツムシも秋に見かけることができます。

分類バッタ目 コオロギ科
体長約12~34mm  
※性別・種類により異なる
分布北海道・本州・四国・九州など
※種類により異なる

イナゴ

イナゴ

イナゴは、バッタ目 バッタ科 イナゴ属に分類されるバッタの仲間です。コバネイナゴとハネナガイナゴの2種が代表的で、日本では稲を食べてしまう害虫として知られており、多くが水田やその周辺に生息しています。見た目はバッタと酷似していますが、イナゴの喉には小さな突起があります。

長野県や群馬県では、昔から郷土料理としてイナゴを食べる風習があります。炒ったイナゴを醤油や砂糖で味付けして煮た佃煮は甘辛く、パリパリとして小エビに似た歯ごたえがあり、おいしく食べられるそうです。それらの経緯から、近年では改めて昆虫食の素材としても注目されています。

分類バッタ目 バッタ科 イナゴ属
体長約16~70mm
※性別・種類により異なる
分布本州・四国・九州・沖縄など
※種類により異なる

ショウリョウバッタ

ショウリョウバッタ

ショウリョウバッタは、大きいもので全長80mmを超える日本最大級のバッタです。全国各地の明るい草むらや住宅地、公園や河川敷などで見られ、体を草に紛れさせるために細長い緑色の姿をしています。

オスは「チキチキ」と音を立てて飛ぶため、チキチキバッタと呼ばれることもあります。成虫ははねをつかって飛ぶことができ、その飛行距離は10mにもおよぶこともあるります。不用意に近づくと逃げられるので、捕まえるときは後ろからそっと網をかぶせてみましょう。

分類バッタ目 バッタ科
体長約40~80mm
※性別・種類により異なる
分布本州・四国・九州・南西諸島など
「Gakken キッズネット「ショウリョウバッタ」より引用」

オオカマキリ

オオカマキリ

大きな鎌で獲物をがっしりと掴み対象を捕食する、昆虫界のハンターです。日本には約10種が生息しており、林の中のほか、餌となる昆虫のいる草むらや、わらがたくさん敷いてある場所に生息しています。動くものは何でも食べると言われており、コオロギやバッタなどの昆虫のほか、体格や品種によっては爬虫類や小鳥、ネズミなどを食べることもあるそうです。

秋になるとオスとメスで交尾・産卵を行い、生まれた卵は翌年の春にふ化します。幼虫は卵からかえった時点でほぼ成虫と同じ姿をしており、大人になるまでに脱皮を繰り返し、真夏から秋ごろに完全な大人の姿へと成長します。

冬の初めごろには、メスのカマキリが草の茎、枯れ木などに産み付けた卵のうを見つけることができます。卵のうを採集しておくと、春にかけてふ化を観察できますよ。

分類カマキリ目 カマキリ科
体長約68~105mm 
※性別・種類により異なる
分布本州・四国・九州・南西諸島など
「Gakken キッズネット「カマキリ【<蟷螂>】」より引用」

スズムシ

スズムシ

「リィー、リィー」と鈴を鳴らすような鳴き声で、秋の訪れを感じさせてくれる昆虫です。日本全国に生息しており、秋にかけて活動します。河川敷や雑木林に生息していますが、夜行性で物陰に隠れる習性があります。昼間は地表の物陰や石の下に隠れています。

スズムシは非常に警戒心が強く見つけにくい昆虫です。勢いよく鳴いていても、人の気配を感じるとピタリと鳴きやんでしまうので、鳴き声が聞こえたときは慎重に近づくようにしましょう。

飼育がしやすく、室内飼いしやすい昆虫でもあります。雑食で葉っぱや昆虫の死骸を食べますが、キュウリやナスといった野菜やりんご、パンなども食べます。

分類バッタ目 マツムシ科
体長約16.5~18.5mm 
※性別・種類により異なる
分布北海道~九州
「Gakken キッズネット「スズムシ【<鈴虫>】」より引用」

アキアカネ・ナツアカネ

童謡の「あかとんぼ」でよく知られる、秋を代表する昆虫のひとつです。「あかとんぼ」と呼ばれるアカネ属トンボには、発生時期がほぼ同じアキアカネとナツアカネがいますが、季節により移動する習性をもつものがアキアカネです。

アキアカネ

アキアカネ

アキアカネは初夏の夜に羽化すると、暑さを避けるためすぐに標高の高い山に移動するのが特徴です。涼しい山地で生活しながら十分成熟すると、体の色がオレンジ色から赤色に変化します。気候が涼しくなる10月ごろ、産卵のために高地から再び平地へ移動します。

ナツアカネ

ナツアカネ

羽化後も同じ場所にとどまる傾向があり、「夏もいるアカネ」の意を込めてナツアカネと呼ばれているようです。ナツアカネのオスは、秋になると顔も含めて全身が真赤に染まり、大変きれいです。

胸にある黒い筋があるのも特徴です。種類を見分けるのは難しいかもしれませんが、赤とんぼが間近に来た際はじっと観察して、胸に黒い筋がないか探してみましょう

分類トンボ目 トンボ科
体長アキアカネ:約 32〜46mm
ナツアカネ:約33〜43mm
※性別・種類により異なる
分布北海道・本州・四国・九州
「Gakken キッズネット「アキアカネ」「ナツアカネ」より引用」

クツワムシ

クツワムシ

クツワムシは体の幅が大きく体格がよくみえることと、特徴的な鳴き声から存在感のある昆虫です。茶色の個体と緑色の個体が見られ、保護色であると考えられますが同じ種でなぜこのような体色の変異があるのか、その理由はよく分かっていません。

クツワムシは開けた場所をあまり好まず、林縁の下草に生息していることが多く夜行性です。鳴き声はほかの虫と比べても非常に大きく、暗くなってから「ガチャガチャ」と独特な声で鳴きます。この音が馬の口にはめる馬具「くつわ」が擦れる音に似ていることからこの名前がつきました。

分類バッタ目 クツワムシ科
体長約50〜53mm
※性別・種類により異なる
分布本州・四国・九州
「Gakken キッズネット「クツワムシ【<轡虫>】」より引用」

昆虫をうまく見つけるコツ2つ

昆虫をうまく見つけるコツ2つ

昆虫は公園や河原などの身近な場所で目にすることができます。ここでは、昆虫を見つけるコツをご紹介します。

1.動かずにその場を観察する

昆虫探しの秘訣は、「虫が集まりそうなポイントを見つけたら、動かずにその場をじっと観察すること」です。大きな音を立てたり、木や草の間を動き回ったりしてはいけません。昆虫たちは普段敵に見つからないように木や草の陰に隠れたり、擬態したりして自然の中に息をひそめているため、人の気配を察知するとすぐにいなくなってしまいます。

クヌギやコナラといった樹液が出ている広葉樹、虫食いのあとがある葉や花の裏、季節の花が咲いている場所には虫たちが葉や蜜を求めて集うことが多いので、ポイントを見つけたら音を立てずにそっと近づいてじっくりと観察してみましょう。

2.鳴き声が聞こえたらゆっくり近づく

秋は鳴く昆虫がたくさん活動しており、公園や庭などで耳を澄ませると虫の鳴き声が聞こえてきます。鳴き声がしたらそこに虫がいる証拠なので、虫を驚かせないようにゆっくりと近づきましょう。人の気配を感じると鳴きやんでしまう可能性があるため、音を立てないように近づくのがポイントです。

鳴く昆虫はオスのみの場合が多く、はねを巧みに使い、その虫ごとに特有の音を出します。キリギリスは昼間に、スズムシとコオロギは夕方から夜にかけてといった具合に、虫によって鳴く時間帯も異なります。昼と夜とで虫の鳴き声を比べてみるのもおもしろいですね。

秋の昆虫に触れて、子どもの興味や関心を引き出そう

秋の昆虫に触れて、子どもの興味や関心を引き出そう

秋に見られる昆虫には、本記事でご紹介した以外にもたくさんの種類があります。もっといろんな種類を探したくなったり、気になる昆虫を詳しく調べたりしたいときは、AI図鑑アプリ「パシャっとわかるAI図鑑 ナニコレンズ」がオススメです。気になる昆虫の画像を撮るだけで、名前や種類が分かるので、ぜひ活用してみてくださいね。

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