寄付って、どんな人がどんなときにするものだと思いますか? 大人がすること・金銭的に裕福な人や会社がすること……というイメージが強いかもしれませんが、実は寄付は、私たちの暮らしのすぐそばにあります。お金だけでなく、食品や衣服、使わなくなった文房具なども、寄付につながる大切なものなのです。
この記事では、小学生のいるご家庭向けに、親子でいっしょに考えて実際に行動できる❝寄付のかたち❞を紹介します。
取材・文/細川麻衣子
❝寄付❞って何のためにするの?
テレビやニュースで、戦争・紛争や災害、貧困などの話題が流れると、それととともに❝寄付❞という言葉を目にすることがあります。そんなとき、もし子どもに「寄付ってなに? どうしてするの?」と聞かれたら、どう答えればよいでしょうか。
辞書には――【寄付】ある目的に賛成して、お金や品物をわたすこと。※
寄付というと「困っている人を助けるため」という説明がされることが多いです。「人を助ける」ことはもちろん大切な理由ですが、親子で寄付について話をするときは、もう一歩、以下のような言葉にしてみることで、子ども自身の❝寄付❞への考え方や理解が深まるかもしれません。
寄付とは――
「今の自分にできることを、できる形で分け合うこと」
「困っている人がいることを知って、気にかけること」
「みんなが安心して生きられる社会をつくること」
自分が社会の一員として誰かを思って、寄付(このような考えや行動)を積み重ねることは、巡り巡って自分たちを守ることにもつながっている――ということを伝えましょう。目の前のニュースに対して「どう思う?」「もし自分だったらどうかな?」と、そんな問いかけから始めるだけで、❝寄付❞につながる立派な学びの時間になります。
このように、寄付はとても身近なものだと知ることで、社会に生きる一員として、さまざまな考え方を広げることができます。まさに子育ての延長線上にあるものなのです。
※『学研新レインボー小学国語辞典 改訂第7版』より
寄付できるものは身近にあふれている⁉
一般的には「寄付=お金を送ること」と思われがちですが、実はそれだけではありません。家庭の中を見渡してみると、寄付につながるものは意外とたくさんあります。
≪寄付につながるものの例≫
●食べきれないまま眠っている食品
●サイズアウトした服
●使わなくなった文房具
●卒業後のランドセル
●もう遊ばなくなったおもちゃ・ぬいぐるみ など
こうしたものも必要としている人に届けば、立派な寄付になります。まずは、「寄付にはいろいろな形がある」ということを、親子で知るところから始めてみましょう。
気持ちをすぐ形に――【お金】でできる寄付
お金の寄付は、思い立ったときにすぐできて金額も自分で決められるので、最も身近な寄付方法のひとつです。保護者が子どもの頃から現在も、学校をはじめさまざまな場所で、寄付・募金活動は行われていますので、誰しも一度は聞いたり参加したことがある寄付方法ではないでしょうか。
駅やコンビニ、スーパーなどのお店には、募金箱が設置されている場合も多く、寄付を募っている団体によってはインターネットやスマートフォンからも個人で簡単に手続きができる場合もあります。「自分にできることがあればしたい」と感じたその気持ちを、すぐに行動につなげられるのは、お金の寄付ならではの良さです。
また、寄付されたお金は、支援団体を通して、今まさに必要とされている場所で使われます。輸送や保管の手間が少なく、状況に応じて最も必要な支援に柔軟に使える点も、お金の寄付の強みです。
「自分は社会の一員であるということを知ってほしい」と思うなら、子どものおこづかいの一部を寄付にあててみることを提案してみるのも良いかもしれません。このときに大切なことは、金額(いくら出したか?)ではなく、「寄付したお金がどう役に立つか?」を想像できる会話をすることです。

「寄付したお金は、被災地でいちばん必要なものに使ってもらえるんだよ」
「応援している気持ち・早く良くなってほしいと思う気持ちを形にできたね」
と、親子で話をすれば、子ども自身が寄付したことについて、より理解を深めることができるでしょう。
世界の子どもたちを支える寄付
世界にはじゅうぶんな食事や医療、教育を受けられない子どもたちがいます。そうした世界中の子どもたちを支援する団体として、日本ユニセフ協会があります。

「このお金は、子どもたちのワクチンになるんだって」「学校に行けるようにするためなんだね」など、具体的な❝使われ方❞を知ると、寄付がぐっと身近に感じられるでしょう。
難民を支える寄付
戦争や災害で住む場所を失った人々(難民)を支援する団体のひとつが、国連UNHCR協会です。

国や地域の事情で家に帰れなくなった人がいる――という事実を知るだけでも、子どもの視野は広がります。もちろんその中には、私たちと同じような家族・子ども……もたくさんいます。
大切なのは、「なぜそこに寄付するのか」そして「なぜ難民になるようなことが起こってしまったのか?」を話し考えることが、親子の知見をひろげ、学びにもつながります。
「まだ食べられる」を誰かのごはんへ――【食品】の寄付
家庭で取り組みやすい寄付のひとつが、食品です。フードバンク※と呼ばれる団体は、未開封で賞味期限内の食品を集め、必要としている家庭や施設に届けています。

例えば、「まとめ買いをしたけれど、思いのほか食べずに残ってしまった」「アレルギーがあるため、頂き物を食べさせられずに保管中」など、自宅の中で眠っている食品が意外とあります。❝自分達では食べられない・食べきれない❞――こういったものをフードバンクなどの団体を通して寄付することは、お互いにとって、とても有効です。
また、賞味・消費期限を迎えてしまい、処分しなければならなくなるという事態を少しでも避けることで、食品ロスについても考えるきっかけになるでしょう。
※フードバンクについて:未開封で賞味期限内の食品を集め、必要としている家庭や福祉施設へ届けている団体のこと。地域ごとに活動している団体が多く、❝地域名+「フードバンク」❞で検索すると身近な活動団体が見つかることも。
サイズアウトは終わりじゃない――【衣服】の寄付
子どもの成長は早く、まだ着られそうなのにサイズが合わなくなる服も多いものです。そんな服も、衣服の寄付として役立てることができます。
国内外で、子ども服を必要としている家庭や地域はたくさんあります。❝自分や子どもが着られなくなった服を次の人にバトンを渡す❞という考え方ができることも、寄付ならではです。
「この服、誰かがまた着てくれるかもしれないね」
そんな一言が、服を大切にする気持ちにつながります。
≪関連記事≫【まだ着られる子ども服、どうする?】子ども服寄付プロジェクト
❝学び❞を分け合う――【文房具】の寄付
家の引き出しを開けると、子どもが使いそびれたノートや鉛筆が出てくることはありませんか。未使用の文房具はもちろん、まだ使える中古の文房具も、寄付を通じて国内外の子どもたちの学びを支えることができます。
特に小学生にとって文房具は身近な存在です。
「自分の鉛筆と同じものを、誰かが使うんだね」「このノートで、たくさん勉強してくれたらいいな」――そんな想像ができると文房具の寄付はぐっと身近になり、次に使う子どもたちのことを想像することは、世界へ目を向けるきっかけになるかもしれません。
≪文具の寄付先の例≫ NPO法人ワールドギフト ※

※文房具のほかにも、さまざまな不用品の再利用・物資支援活動を行っています。
6年間の思い出を、世界の子どもたちへ――ランドセルの寄付
小学校を卒業したあと、ランドセルをどうするか悩む家庭も多いでしょう。実は、日本のランドセルはとても丈夫で、海外ではとても喜ばれる寄付アイテムのひとつです。ランドセルの寄付を行っている団体を通じて、アジアやアフリカの子どもたちに届けられます。
「6年間使ったランドセルが、また誰かの学校生活の役に立つんだ」――そう考えると、きっとものの見方も変わってくるのではないでしょうか。
≪ランドセル寄付先の例≫ 国際協力NGOジョイセフ『思い出のランドセルギフト』


≪関連記事≫【ランドセルを寄付!】世界の子どもたちにランドセルを贈ろう
お金、食品、衣服、文房具そしてランドセルまで、寄付できるものは日々の生活のなかにありましたね。(これ以外にも、おもちゃ、本、生活用品なども、状態がよければ寄付を受け付けてくれる場合もあります)
親子でできる❝寄付❞への一歩は、まずは自分たちにできることを考えて話すこと。そして、できることをみつけて行動に移してみてください。それだけで、子どもは社会とつながる一歩を踏み出しています。
この記事の監修・執筆者
未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!
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