PTAの中心的な活動をするのが委員や役員。「引き受けたら大変?」と思うかたのために、委員を務める際のポイントについてPTAの問題を取材し続けてきた大塚玲子氏にお話をうかがいました。
*この記事は主に公立の小学校のPTAについて書いています。
文/こそだてまっぷ編集部
PTAのしくみと委員が決まるまで
PTAは会長、副会長、会計、書記といった執行部的な「PTA役員」と、学級委員会、広報委員会、企画委員会といった専門委員会を構成する「PTA委員」の大きく2つに分類されます。
PTAの委員決めは、たいてい入学式や4月の保護者会のあとに行われます。立候補する保護者が一定数いれば問題はありませんが、実際はなかなかそうではありません。PTAによっては「小学校6年間の間に必ず1度(か2度)はやる」「各クラス(または各学年、各地区)から〇人の委員を出す」などのルールがあり、最後はじゃんけんやくじ引きで決める場面も見られます。
委員決めは手挙げ方式を取るPTAも出てきている
それでも最近は、このような委員の決め方を見直すPTAも出てきて、会員の意思を尊重する形で、“やりたい人がやる”手挙げ方式を取るところも出てきました。
また、思い切って従来の活動やPTAの名称をやめ、「保護者の会」「サポーターズクラブ」などを名乗り、子どもたちのために保護者と学校が協力する新しい組織として活動するケースも出てきています。
委員をやってよかったと思うこと
PTA委員をやると、時間も取られそうだし、人付き合いが複雑そう、などの不安があるかもしれません。でも、「委員をやってよかった」と感じる人がいるのも事実です。
●保護者同士の交流ができる●
PTA活動を通して、保護者の中でつながりを持つことができます。近隣に知り合いが増えるのは楽しく、心強いと感じる人も多いでしょう。運がよければ、長くつき合える友だちができることもありますし、学年を超えた保護者の知り合いもできるため、上の学年の保護者の話も聞くことができます。
●学校や先生、地域の情報が入手できる●
学校生活や地域に関する情報、他学年の情報も入手しやすくなります。高学年の保護者や、年上の子どもがいる保護者からは、将来進学する地域の中学校の情報や、中学受験などの幅広い情報を得られる場合もあります。
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「卒対」は思い出深いPTA活動になる!?
6年生になるとPTAの中で少し特殊な活動、通称「卒対(卒業対策委員会)」がある、というPTAがほとんどでしょう。
「卒対」委員の活動で比較的多いのは、卒業アルバムの制作、卒業記念品の準備、卒業式の写真撮影の手配などです。一部の中学受験を目指す子どもの保護者にとっては、6年生で「卒対」委員を担うのは負担に感じるかもしれません。しかし、それ以外のかたにとっては、小学校時代の締めくくりとして、よい思い出になることも多いと思います。
大切なのは自分で主体的に関わること
PTAは、保護者として子どもたちの学校生活にできることを考え、どう関わるかを主体的に決めることこそが、おもしろい組織です。PTAに限らずどんな活動も同様ですが、自分の意志を持って関われば、意義のある経験になるでしょう。また、中途半端に関わるよりも委員や役員として深く関わったほうが、知り合いが増え、いろいろな情報も入ってくるので、より楽しさを感じる人も多いと思います。ご自身の性格、仕事や家庭の状況などを考慮して、決して無理はせずに、自分自身が望む形で関わり方を決められるとよいですね。
この記事の監修・執筆者
PTAなどの保護者組織や多様な形の家族について取材・執筆。著書に『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)、『PTAがやっぱりコワい人のための本』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(いずれも太郎次郎社エディタス)など。
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