学資保険のメリットは?いつから入るといい?~イマドキの学資保険事情~

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学資保険のメリットは?いつから入るといい?~イマドキの学資保険事情~

「将来かかる教育費が不安…子どもが幼いころから積み立てるべき?」
「学資保険って聞いたことはあるけど、どんな保険なのか分からない!」

子どもの教育費を準備できる「学資保険」の基本から、気になるメリット・デメリットや加入するときのポイントを、ファイナンシャルプランナーの金子由紀子さんに聞きました!

イラスト/藤本けいこ

目次

学資保険に興味がある人は78%!

産後~6歳の子どもをもつママ&パパを対象に、
教育費・学資保険に関するアンケートを行いました。

※アンケート調査:モニプラファンブログ「学研の幼児ワーク」編集部調べ(2020年6月実施162名回答)

 Q1.将来の教育費に不安を感じている?

ほとんどのママ&パパが「はい」と回答。
やはり、子育て世代のママ・パパにとって、教育費は気がかりなようです。

 Q2.学資保険に興味はある?

7割以上のママ&パパが学資保険に興味があるようです。
学資保険は、ママ友との会話で話題になったり、テレビや雑誌の広告、パンフレットなどでも見かけたりするからかもしれません。

Q3.学資保険でいちばん気になるのは…?

いちばん気になっていることは、「毎月の保険料」についてのようです。
「保険」なので、毎月どれぐらい引き落とされるのか、払い続けられるのかが気になるところです。

Q4.学資保険で不安なことは…?

「元本保証(元本割れのリスク)」が37%という結果になりました。
やはり、保険の性質上、支払った保険料は100%以上戻ってきてほしいという人が多いようです。

学資保険とは教育費を準備するための保険

学資保険は、子どもの入園や入学、大学進学時などに必要な教育費を準備するための保険です。
子どもが幼稚園に入園し、高校を卒業するまでにかかる平均的な教育費は541万円(すべて公立に通った場合)。すべて私立に通うと、1,829万円かかります(文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果」調べ)。
さらに、大学や専門学校への進学を考えると、教育費が家計の大きな負担となってしまいます。
学資保険の目的は、教育費を少しずつ積み立てていくことで、教育費による家計への負担を少しでも和らげることです。

毎月かかる保険料は?

月々の保険料は、1~2万円が平均的です。
ただし、契約時の保護者や子どもの年齢、保障内容によってさまざまで、満期のタイミングや受取金額を契約時に決めることで保険料が変わってきます。
将来を具体的に見据え、各保険会社のホームページ内にあるシミュレーションを参考に検討してから契約するようにしましょう。

契約するベストなタイミングは2歳まで

契約時の子どもの年齢が幼いほど、積み立て期間が長くなります。
積み立て期間を長くすることで、毎月かかる保険料が安く、返戻率(へんれいりつ・支払ったお金に対して戻ってくる割合)も高くなるので、0~2歳の間で契約するのがオススメです。

受け取るタイミングは自分で設定できる

契約するときに、①中学入学時、高校入学時などに分けて受け取るパターン、②大学入学時にまとめて受け取るパターン、③大学等に進学後に毎年受け取るパターンなどを設定することができます。
高校入学時に受け取りたいという場合は①、大学入学時のみ受け取りたいという場合は②、というように、想定する子どもの進学先や家計状況にあわせて設定するとよいでしょう。
なお、受け取り時期はあとから変更できる場合がありますが、受け取る年齢を早めてしまうと、契約時に設定された満期保険金が減額される可能性があるので、注意が必要です。

学資保険のメリット・デメリット

学資保険には、さまざまなメリットとデメリットがあります。

学資保険のメリット3つ

教育費を確実に準備できる

毎月決まった金額が引き落とされるので、まとまった金額を確実に準備できます。
自分でコツコツ貯めるのが苦手な人にオススメといえます。

必要なときに受け取れる

学資保険は普通預金や定期預金に比べ、預けたお金を簡単に引き出すことができません。
契約時に設定した時期に、設定した満期保険金を受け取れるシステムなので、確実に教育費として使うことができます。

契約者(保護者)に万が一のことが起きても安心

万が一、契約者が死亡してしまった場合は「保険料払込免除」の特約があり、契約時に決めた満期保険金を受け取ることができます。

学資保険のデメリット3つ

途中解約は損をしてしまう

もし、途中で解約した場合は、それまで支払った保険料の合計より受け取り金額が少なくなります。
解約料が必要な場合もあるため、十分注意しましょう。

特約を付けると保険料が高くなる

学資保険には、医療特約などの特約を付けられるものもあります。
特約を付けると、その分支払う保険料が高くなり、貯蓄(教育費)の分の返戻金が低くなってしまうので、貯蓄目的であるなら付けないほうがオススメです。

保険会社倒産時は、満期保険金が減額される可能性がある

保険会社に万が一のことがあったとき、支払った保険金が全額保障される可能性は低いと考えられます。
倒産時の保障が確保されている場合もありますが、契約する前に、倒産時のリスクについても考慮して検討しましょう。

加入するときのポイントは3つ!

保険料支払い期間はなるべく短く!

保険料の保険料支払い期間は、短ければ短いほどお得です。
例えば、支払い終了の時期を10歳までと18歳までで比較すると、

受け取り金額…300万円
子どもの年齢…0歳
親の年齢…35歳

A社の場合(2020年6月時点)

保険料支払い期間が0~18歳までの場合

毎月の保険料…13,608円
保険料総額…2,939,328円
返戻率→102.0%

保険料支払い期間が0~10歳までの場合

毎月の保険料…23,730円
保険料総額…2,847,600円
返戻率→105.3%

このように、月々の保険料は高くなるものの、
保険料総額は安く抑えられ、返戻率が3.3%も上がります。

学資保険への加入を検討している場合は、子どもが0~2歳までの間に加入し、早めに払い終えるのがオススメです。

受け取り時期には要注意!

学資保険は、契約するときに満期保険金を受け取る時期を設定することができます。

ここで、受け取り時期を大学入学時の「18歳満期」に設定してしまうと、入学金の支払いに間に合わなくなる可能性があります。

大学や専門学校によっては、入学が決まる高校3年生の夏~秋には入学費を支払わなければいけない場合があったり、入試や交通費などでたくさんの費用が必要になったりすることがあるので、受け取り時期は「17歳満期」に設定しておくと安心です。

ほかの資産運用と併用するのもオススメ!

教育費を貯めるときにオススメなのは、
学資保険と同時に、外貨預金や投資信託などの資産運用を平行して行うことです。

例えば、毎月3万円を教育費として支払い続けられる場合、
学資保険に2万円、資産運用に1万円
というように資金を振り分ければ、リスクを分散して教育費を安全に貯められ、収益も得られる可能性があります。

教育費は学資保険だけでは不十分なので、安全で確実な学資保険をひとつ選び、同時に資産運用も検討するとよいでしょう。

学資保険のシミュレーションは必須!

ほとんどの保険会社では、ホームページ内で学資保険のプランをシミュレーションすることができます。
保険会社を選ぶときは、いくつかの保険会社を比べて検討しましょう。

シミュレーションの例

A社の場合(2020年6月時点)

受け取り金額…300万円
子どもの年齢…2
親の年齢…36
保険料払込期間…10歳まで

毎月の保険料 30,684円
保険料総額 2,945,664円
返戻率(※) 約101.8%

※返戻率≒受け取り金額÷保険料総額×100(小数点第2位以下切り捨て)

受け取りパターン①

17歳(60万円)→18歳(60万円)→19歳(60万円)→20歳(60万円)→21歳(60万円

受け取りパターン②

17歳(150万円)→20歳(150万円

B社と比べて、返戻率が高いです。
受け取りパターンも2種類用意されているので、安心して契約できる学資保険といえます。

B社の場合(2020年6月時点)

受け取り金額…300万円
子どもの年齢…2
親の年齢…36
保険料払込期間…10歳まで

毎月の保険料 31,990円
保険料総額 3,071,040円
返戻率(※) 約97.6%

※返戻率≒受け取り金額÷保険料総額×100(小数点第2位以下切り捨て)

受け取りパターン①

15歳(50万円)→17歳(100万円)→20歳(50万円)→21歳(50万円)→22歳(50万円

受け取りパターン②

17歳(150万円)→20歳(150万円

返戻率は低めですが、15歳で受け取ることができます。
高校入学時に満期保険金を受け取りたいという方にオススメです。
ただし、支払った保険料より受取総額が下回っているので、B社と契約するのであれば、定期預金のほうがよいでしょう。

2020年の学資保険事情

学資保険は、保険会社が契約者から預かったお金で資産運用し、収益を得ることで返戻率を予定します。そのため、学資保険は経済状況に影響を受けやすく、場合によっては元本割れを起こす危険もあるので、見極めが大切です。
2020年6月の時点では、いずれの保険会社でも返戻率はかなり低くなっているため、契約は慎重に検討することをオススメします。

学資保険への加入はマストではないですが、入学金や入学後の費用は大きな負担になります。
幼児教育・保育無償化で浮いたお金や、子どもあてにもらったお年玉などのお祝い金は、できる限り、将来の教育費のために貯めておきましょう。

この記事の監修・執筆者

金子 由紀子

ライフプラン相談・保険見直し相談など個人の相談業務、ニュースレターやメルマガ、WEBサイトなど多数執筆。「キッズ・マネー・ステーション」では、オリジナルカリキュラムの家庭での実践例の執筆や、小学校や家庭教育学級の講師・親子向けマネー教育イベントの講師を担当。2人のお子さんのママでもある。

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