【大雨や台風、うちはホントに大丈夫?】子どもがいる家庭でやっておく災害への備え

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【大雨や台風、うちはホントに大丈夫?】子どもがいる家庭でやっておく災害への備え

災害が起こったときの備えはできていますか?
「なにかしなきゃ」と思いつつも行動に移せていなかったり、「いざとなったらなんとかなるでしょ…」と、楽観的に考えたりしているパパやママも多いのではないでしょうか?
とくに”災害弱者である子ども”を抱えるママやパパは、どのような対策をとれば良いか、日頃から準備をしておくことがとても大事です。
今回は、子どもを守るために知っておきたい大雨や台風時の災害対策の基礎知識をご紹介します!

監修:危機管理教育研究所代表 国崎 信江さん
イラスト:園内せな

目次

自宅での被災も多い! 乳幼児のいる家庭は要注意

台風・大雨の危険を再認識!

毎年のように各地で起こる豪雨。避難が遅れると大きな被害につながりやすいとされていますが、大人だけでも大変な状況のなか、乳幼児のいる家庭は避難にも時間がかかり、より危険にさらされやすいといえます。そのような危険を改めて認識し、日ごろからしっかり災害に備えておきましょう。

台風が来るまえに備えておくべきこと3つ

1)住んでいる地域の危険度を知ろう!

自分の住んでいる地域について、もしものときにどんな危険にさらされるのかということや、いざというときの避難経路や避難場所を知っておくことが大切です。

全国の自治体が作成している「防災マップ」で、避難経路や避難場所などが確認できます。また、「ハザードマップ」では、予想される被害の状況を確認できますので、必ずチェックしておきましょう!

国土交通省のサイトでは、全国の自治体のハザードマップを確認できます。国土交通省『ハザードマップポータルサイト』https://disaportal.gsi.go.jp/

台風・大雨のときのハザードマップチェックポイント

【例】学研のある品川区の住宅街
【例】学研のある品川区の住宅街

 品川区『浸水ハザードマップ』https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai-bosai/bosai-bosai-husuigai/hpg000020939.html

チェックリスト(★ハザードマップはここを確認)

  • 自宅・園・学校のある地域のどこが浸水しやすいか
  • どのくらいの高さまで浸水するか
    (外に避難するべきか、上階に移動するだけでよいのか確認)
  • 浸水に備え、近くに避難できそうな高い建物はあるか
  • 浸水時に指定されている避難先はどこか
    (災害の種類によって避難先が違う場合がある)
  • どのような道順で避難すればよいか
    (水はけが悪く水のたまりそうな場所、マンホールや側溝のある場所などを避ける) 

!注意点
避難するときに注意すること
・浸水する前に避難する
・川や水路からはなれ、地下道は通らない
・避難のときはライフジャケットを着用する

避難するタイミングは?

大雨のときは、「警報レベル3」(避難準備・高齢者等避難開始)のときに避難することを心掛けておきましょう。住んでいる地域が、時間雨量(一時間に降る雨の量)何ミリまで排水処理する能力があるのかを確認し、その雨の量が降ったときには冠水してしまうこということを知っておくことが大切です。

2)自宅の部屋ごとの防災ポイントを把握しよう!

自宅の部屋を、改めてチェック!

部屋ごとに、もしものときのために知っておきたい情報をまとめました。
ママ・パパは家庭内の指揮官として、場所ごとに必要な準備、避難グッズの置き場などを把握しておきましょう。

■必要な準備

1.お風呂
戸建ての場合は断水に備え、浴槽にはいつも水をためておきましょう(マンションの場合は、地震時に配管の破損で漏水する恐れがあるため、ためておく必要はない)。

2.水まわり
トイレや洗濯機などの排水口から下水が逆流することも! もし大雨で不安になったら、ビニール袋に水を入れた「水のう」を置けば逆流を防ぐことができます。

3.窓
暴風や飛来物で窓が割れないように、雨戸やシャッターがあれば閉めましょう。雨戸などがない窓には、飛散防止用フィルムを貼っておきます。

4.寝室
寝室には避難のときにはく靴、ヘッドライトなどを置いておきましょう。裏山があるときは山側の部屋は危険! また、1階では寝ないようにしましょう。

5.家の外
ベランダや庭などにある飛ばされやすいものは、固定するか家のなかに入れておきます。側溝や排水口は水はけを良くするために掃除をしておきましょう(食料や高温多湿に弱いものは置かない)。

ポイント(避難グッズ置き場はここがおすすめ!)

  • 避難グッズは、浸水する恐れがある地域では、玄関のほかに2階にも置いておくのがおすすめです。
  • 貴重品などが入っている場合は管理に注意しましょう。

3)避難グッズを準備! チェックリストを確認しよう(乳幼児のいるファミリー編)

買い置きグッズや持ち出し用品を確認しよう!

災害は、いつ起こるかわかりません。一般的な備蓄品のほかに、乳幼児がいる場合に必要な買い置きグッズや持ち出し用品を、改めて確認しましょう。

チェックリスト

★備蓄品・避難グッズで必要になるのはこんなもの

  • ハザードマップ(地域防災マップ)
  • 飲料水、食料品(カップめん、缶詰、ビスケットなど)
  • 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
  • 救急用品(ガーゼ、包帯、消毒液、常備薬など)
  • ヘルメット、手袋
  • ヘッドライト、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
  • 着がえ用の衣類、下着、毛布、タオル(多めに)
  • 洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ
  • 子どもが安心できるアイテム(ぬいぐるみ、絵本など)

★乳児がいる場合必要になるのはこんなものも

  • おむつ
  • おしりふき
  • 粉ミルク(または液体ミルク)
  • 粉ミルク用の水
  • 使い捨て哺乳瓶

★子どもに持病やアレルギーがある場合必要になるのはこんなものも

  • アレルギー対応の食料品

など

着がえは必要!

雨で濡れたままの服を着せていると、体調をくずしやすくなります。避難所についたら、すぐに着がえさせられるように準備しておきましょう。

子どもに持病やアレルギーがある場合

避難所などでアレルギーのある子どもにまで支援が届かないこともあります。
持病がある子の場合は薬を、食物アレルギーがある子の場合はアレルギー対応のレトルト食品やおやつなどを用意しておきましょう。

子どもが安心できるアイテムがあれば◎

災害時は、不安や環境の大きな変化から、子どもが強いストレスを感じてしまうこともあります。
ぬいぐるみや絵本など、子どもがホッとできるものがあると、心の安定に役立ちます。

まとめ

台風や集中豪雨など、想定外のことが起こったとき、子どもの命を守るためには日ごろの準備と災害への意識をもつことが大切です。
気象災害のときにどんな危険があるのか、備えは十分かなど、あらためて確認してみましょう!

参照・引用資料:
国土交通省『ハザードマップポータルサイト』
https://disaportal.gsi.go.jp/
品川区『浸水ハザードマップ』
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai-bosai/bosai-bosai-husuigai/hpg000020939.html
首相官邸『災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~』
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/taifu_ooame.html

この記事の監修・執筆者

危機管理教育研究所 代表 国崎 信江

くにざき のぶえ/危機管理教育研究所代表、危機管理アドバイザー。20年にわたり第一線で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。行政、企業、マンションなどのリスクマネジメントコンサルを行い、省庁の検討・審査委員や自治体の防災アドバイザーなどを務めている。NHKラジオでは6年間マイあさラジオ「暮らしの危機管理」のコーナーで情報提供するほか、多くのメディアで被災地の支援活動時の経験や防災防犯普及啓発を発信している。防災・防犯の執筆・監修図書多数。

危機管理教育研究所
http://kunizakinobue.com/

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