【体に良い飲み物9選】子どもの生活リズムも整う![専門家監修]

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お子さんは普段、どんな飲み物を飲んでいますか?
小学生になると、お子さんが自分でペットボトル飲料を選ぶことが多くなるのではないでしょうか。そんなときは、できるだけ体に良いものを選んでほしいですね。

今回は「健康」をテーマにした料理教室や食育を推進するNPO「食育暮楽部(くらぶ)」を運営する森野恵子先生に、体に良い飲み物を選ぶポイントと水分補給のタイミングについて伺いました。
「飲み物を上手に取り入れれば、生活リズムも整えることができますよ!」と森野先生。生活の場面別にオススメの飲み物も教えていただきました。

文/こそだてまっぷ編集部

目次

体に良い飲み物を選ぼう!

1日に必要な水分量の目安は?

私たちの体からは、普通に生活しているだけでも、1日に約2.5Lの水分が失われています。食事から取れる水分や、代謝時に体内でつくられる水分の量は合計で約1.3Lなので、1.2Lほどの水分を飲み物で補給しなくてはいけません。これは、体の水分量が約60%の大人の数値で、体の水分量が約70%の子どもは、より多くの水分が必要です。

そうは言っても、一度に1L以上の飲み物を飲んでも、体はうまく吸収することができません。1回にコップ1杯程度(200mLほど)の水分をこまめに少量ずつとって、水分補給するようにしましょう。

食品表示を見る習慣を

小学生になると、お子さんが自分で飲み物を購入することも増えますよね。手軽に買えるペットボトルや紙容器の清涼飲料水には、「糖分」がたくさん含まれているものが多いので、注意が必要です。

2015年に世界保健機関(WHO)が発表した指針によると、肥満や虫歯を予防するためには、砂糖などの糖類(野菜や果物に含まれる糖分を除く)を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えることが望ましいとされています。平均的な成人で1日およそ25g、1個3gの角砂糖に換算すると約8個です。

飲料の食品表示には100mL当たりの栄養成分表示があり、その中の「炭水化物」の項目を見れば、その飲料にどのくらいの糖分が含まれているか計算できます。

〈飲料に含まれる糖分の量〉
砂糖の量=内容量÷単位量×単位量当たりの炭水化物の量
※食物繊維の量が極端に多い場合は、計算結果が異なる場合があります。

例えば、100mL当たり10gの炭水化物が含まれている清涼飲料水の、ペットボトル(500mL)に含まれている砂糖の量は50gで、この1本だけで1日の糖類の摂取目安量を超えてしまいます。

日ごろから食品表示を見て、自分が糖分を取りすぎていないか考える習慣をつけ、糖分がたくさん入っている清涼飲料水は楽しみやごほうびとして時々飲むことにとどめて、日々の生活では糖分が入っていない麦茶やミネラルウォーターを飲むことをオススメします。

カフェインが含まれる飲み物はルールを決めて

カフェインは食品の成分の1つで、コーヒーや紅茶、緑茶、またはエナジードリンクなどに含まれています。頭がすっきりしたり、眠気が覚めたりする効果がありますが、とりすぎると、不眠やめまい、吐き気、動悸などの症状が起こり、具合が悪くなることがあります。

日本ではカフェインの摂取量の基準が示されていませんが、カナダ保健省 (HC)は、12歳以下の子どもはカフェインに対する感受性が高いため、1日あたりのカフェインの最大摂取量は2.5mg/kg(体重)と定め、4~6歳の子どもは最大45mg、7~9歳の子どもは最大62.5mg、10~12歳の子どもは最大85mgまでの接種とする」としています。

次の食品中のカフェイン量(例)を参考に家庭で話し合い、1日の摂取目安を決めるようにしましょう。例えば、紅茶や緑茶には、リラックス効果があるテアニンや、殺菌効果があるカテキンなど、体に良い成分がたくさん入っているので、カフェインの量に気をつけながら取り入れてほしいです。

〈食品中のカフェイン量(例)〉
コーヒー(ドリップの場合) 60mg/100mL
紅茶 30mg/100mL
せん茶 20mg/100mL
ウーロン茶 20mg/100mL
エナジードリンク 32~300mg/100mL
出典:「農林水産省ウェブサイト:カフェインの過剰摂取について(2022)」

生活リズムが整う飲み物9選

生活の場面ごとにオススメの飲み物を紹介します。上手に取り入れれば、生活リズムを整えるためにも役立つでしょう。

①〈朝〉起き抜けの水分補給に「白湯」

起きたらまず、「白湯」で寝ている間に汗などで失われた水分を補給しましょう。白湯は水を沸騰させて、飲みやすい温度まで冷ましたものです。冷たい飲み物はおなかを刺激してしまうので、コップ1杯(200 mL)の体温と同じ36~37度の白湯をオススメします。

②〈朝〉食欲がないときは「野菜ジュース」

午前中にしっかり活動するためには、朝ごはんはしっかり食べてほしいもの。でも、食欲がない朝もありますね。その場合は、不足しがちな栄養素であるビタミンやミネラルも補える「野菜ジュース」を取り入れましょう。塩分が入っていないものを常備しておけば安心です。

③〈朝〉しっかり目が覚める「ミントティー」

カフェインが入っていないハーブティーはお子さんに上手に取り入れてほしい飲み物です。朝、しっかりと目を覚ますには、爽やかな「ミントティー」がぴったりです。市販のティーバッグもありますが、ミントの葉を4〜5枚ほどティーポットに入れ、熱湯を注いでふたをし、3分ほど蒸らしてカップに注げばできあがりです。ミントはベランダでも育ちやすいハーブなので、栽培してみても。

④〈昼〉持ち歩きには「麦茶」

お子さんが持ち歩いてたくさん飲むには、カフェインが入っていない麦茶がオススメです。水分補給のためには、一気に飲むのではなくて、少しずつ何度も飲んでほしいところ。特に暑くなる夏は、「のどが渇いた」と感じる前に、一口ずつでも飲む習慣をつけるようにアドバイスしてください。

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⑤〈昼〉家でのお昼ごはんに「ラッシー」

学校給食では牛乳でカルシウムやたんぱく質、ミネラルなどを補給します。家でお昼ごはんを食べるときは、ラッシーを作って栄養補給をしてはいかがでしょうか。無糖ヨーグルト100g、牛乳100mL、上白糖小さじ2、レモン汁小さじ1をよく混ぜればできあがりです。

⑥〈昼〉午後に向けて集中力を上げる「はちみつレモン」

集中力を上げるために、「はちみつレモン」で脳に糖分を送りましょう。レモンに含まれるクエン酸は、疲労回復に効果があります。レモンをよく洗って薄く輪切りにし、はちみつに漬けこみ、冷蔵庫で1日以上置きます。水、お湯、炭酸水など、好きなものと混ぜて飲みましょう。

⑦〈夜〉1日を振り返って足りない栄養素を補う「スムージー」

夜に1日を振り返って、食事や飲み物でとれなかった栄養素はないか考えてみましょう。野菜や果物が足りなかったと思ったら、牛乳や豆乳と合わせてミキサーやブレンダーで攪拌(かくはん)して作ります。小松菜とバナナ、アボカドとキウイフルーツ、ニンジンとリンゴなど、さまざまな組み合わせを試して、お子さんの好きな組み合わせを見つけてください。

⑧〈夜〉リラックスできる「ココア」

カルシウムや鉄分、ビタミンDなどが含まれ栄養が豊富なココアは、リラックスしたいときにもぴったりです。市販のココアには、「純ココア(カカオマスからカカオバターを取り除いて粉末状にしたもの)」と「ミルクココア(純ココアに砂糖や脱脂粉乳を加えたもの)」の2種類がありますが、牛乳や豆乳で作ったココア100mLのカフェイン量は、純ココアの場合は10mg、ミルクココアの場合はかなり微量で、夜にも安心して飲むことができます

⑨〈夜〉睡眠の質を上げる「カモミールティー」

カモミールにはいらいらや興奮を抑えて、筋肉の緊張を緩和する効果があり、眠る1〜2時間前に飲むと睡眠の質を上げるとされています。市販のティーバッグで作れば簡単です。リンゴのような甘い香りでリラックスできます。温めた牛乳と合わせてもおいしいですよ。

今回は体に良い飲み物の選び方と、生活リズムが整う飲み物を紹介しました。お子さんといっしょに作れるように、簡単な作り方を紹介した飲み物もあります。日々の生活に取り入れて、家族の健康維持に役立ててください。

この記事の監修・執筆者

フードコーディネーター、栄養士 森野 恵子

「健康」をテーマに、料理とテーブルコーディネートの教室を行う。企業主催の親子クッキングや、住宅展示でのテーブルコーディネート、セミナー講師、TV番組の撮影、飲食店やホテルでのフードコーディネート、メニュープランニング、雑誌・広告での撮影(料理作成・フードスタイリング)、盛りつけ指導など”食”に関わるものをさまざまな角度からコーディネート。
平成16年からは、暮らしを楽しみながら食育を推進する団体「食育暮楽部(くらぶ)」を設立し、地域でできる食育に取り組み中。

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